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【クラシックを極める】第1回:新たな魅力を発見!!ピアノで聴くシンフォニー

新たな魅力を発見!!ピアノで聴くシンフォニー

音楽をより深く楽しんでいただくための特別企画「極めるシリーズ」。クラシックの第1回は「ピアノで聴くシンフォニー」がテーマ。ベートーヴェンからショスタコーヴィチまで、とっておきのアルバムをご紹介します。


〈「レコード芸術」でも高評価のシリーズ!〉

1. 【リスト編曲によるピアノ独奏版】『ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」&第8番』(使用楽器:ブリュートナー社1867年頃製オリジナル)

ベートーヴェンの9つの交響曲には同時代のチェルニーやカルクブレンナーによる編曲をはじめ、数多くのピアノ版が存在しますが、やはり最高峰はリストによる「オリジナルに忠実でありながらピアノの可能性に挑戦した」編曲版。有名なので聴いたことのある方も多いとは思いますが、ここで改めてお薦めしたいのがマルティノフ盤です。最大の特徴は当時の楽器を用いていること、それもベートーヴェンの時代ではなく、ちょうどリストが編曲を行った頃のピアノを使用しています。まずはそれらの楽器の音色の豊かさ、表現力の多彩さに驚かれることでしょう。もちろんそれだけではありません。今注目を集めるロシア出身のフォルテピアノ奏者、ユーリ・マルティノフの演奏が圧倒的なのです。おそらくリストの演奏もこのような感じだったのではないでしょうか。我々に編曲ものの存在意義と奥深さを伝えてくれる貴重な1枚、各方面からの高い評価も頷けます。

 

※参考動画(CDに収録されている演奏と同じものです)


 


 


※第3番&第8番、第2番&第6番、第4番&第5番⇒レコード芸術 特選盤
※第7番&第1番⇒レコード芸術 準特選盤

⇒【付録1】ピアノで聴くベートーヴェンのシンフォニー

 




〈こんな曲をピアノ独奏用にするなんて…〉


2.【リストによるピアノ独奏版】『ベルリオーズ:幻想交響曲』
ベルリオーズ自身の個人的体験を大管弦楽で音画化した《幻想交響曲》。こんな型破りな交響曲にもピアノ版が存在します。こちらも編曲を行ったのはリスト。シューマンによる「幻想交響曲」の分析・批評はリストによるピアノ編曲版に基づいて行われました。10本の指でどうやってこの作品が表現されるのか、この上なく洗練されたテクニックの持ち主、デュシャーブルの演奏でお確かめください。


 

※申し訳ございません。現在デュシャーブル盤は完売のため販売を停止しています。現在入手しやすい推薦盤がないため、代わりにオルガン版をご紹介します⇒第5回:ベルリオーズ vs. ハイドン !? (ベルリオーズ編)  




〈ようやく登場したシューマンの交響曲のピアノ版!〉


3.【作曲家自編によるピアノ連弾版】『シューマン:交響曲第2番 他』

2014年12月発売のアルバム『Original and Beyond - Transcriptions for Piano Duo オリジナルと超越~作曲者自身による名作4手連弾編曲』に世界初録音として収録されたシューマンの《交響曲第2番》のピアノ4手連弾版。ようやくシューマンのシンフォニーをピアノで聴くことができます!(昔からとやかく言われてきた)シューマンの個性的なオーケストレーションをいったん取り除いてみると、各声部のテクスチュアや和声、そしてリズムの妙など様々な面で発見が。


 

※その後2015年7月にライネッケ編曲&シューマン校訂による《交響曲第3番》のピアノ連弾版が発売されました!シューマンは出版社の求めるピアノ・リダクション版を自身で作成する余裕がなかったため、その仕事をライネッケに依頼。シューマン自身もチェック&修正を行いつつ、ライネッケの仕事ぶりを賞賛したそうです。

 




〈これは全巻揃えるべき!〉

4.【作曲家自編による2台ピアノ版】『ブラームス:交響曲第3番&第4番』

NAXOSレーベルから発売されているブラームスのピアノ編曲版シリーズ(現在18巻までリリース)はブラームス・ファン、ピアノ・ファンのみならず、すべてのクラシックリスナーに聴いていただきたい好企画です。ブラームスは自作をより広く演奏してもらうために、管弦楽曲、室内楽曲、声楽曲の多くを4手ピアノ用に編曲しました。4つの交響曲のピアノ編曲版は当時、オーケストラを聴く機会が乏しかった人々にとっては作品を知るほぼ唯一の手段であったと思われますが、現代ではそのような代用品としてではなく、楽曲の新たな魅力に光を当てる全く別のバージョンとして機能します。たとえばあの有名な《交響曲第3番》の第3楽章をピアノで聴いたときの新鮮味はどうでしょう。当アルバムに収録されているのは2台ピアノ版ですが、この企画は徹底しており「1台ピアノ4手連弾版」(8.554822と8.554117)で聴くこともできます。マティースとケーンによる息のあった演奏も素晴らしい。

⇒【付録2】ブラームス:4手のためのピアノ作品集(NAXOS)一覧

※参考動画(CDに収録されている演奏とは異なります)


 

 




〈こんなものまであったのか〉

5.【作曲家自編によるピアノ連弾版】『ショスタコーヴィチ:交響曲第5番』

演奏会プログラムやCDカタログではなかなかお目にかかれませんが、実は大部分の作品にはピアノ編曲版が存在します。20世紀の作曲家ショスタコーヴィチの作品も例外ではなく、彼は自作の交響曲を必ずピアノ4手用に編曲し、初演前に友人と弾いてみたと言われています。この曲をピアノで弾くってどうなの?と思われるかもしれませんが、原曲の迫力ある部分はより鋭く、切れのあるサウンドに、静謐な部分はその美しさ、ミステリアスさが強調され、聴き終わった後は想像以上の充実感を味わうことが出来ます。演奏は確かなテクニックを持ち現代曲を得意とするグラウシューマッハー・ピアノ・デュオ。この作品がお好きな方は是非一度お試しください。

 

 




〈番外編:最初からピアノのために書かれた交響曲?!〉

6.『アルカン:ピアノ独奏のための交響曲』

オーケストラのために書かれた交響曲をピアノ用に編曲するのではなく、最初からピアノ用に書いてしまった作曲家もいます。ショパンやリストの同時代人でありながら、時代を超越するかのような風変りなピアノ曲を多数残した作曲家、アルカンがその一人。演奏するのが困難な曲も多く、例えば《短調による12の練習曲》は演奏に約2時間を要します。この練習曲の第4曲から第7曲が「ピアノ独奏のための交響曲」。終楽章(=第7曲)は「地獄での騎行」などと呼ばれ、大変インパクトの強い作品となっています。アルカンのスペシャリスト、森下唯の凄まじい演奏でお楽しみください。※レコード芸術特選盤

(ちなみに第8曲から第10曲は「ピアノ独奏のための協奏曲」。第1楽章にあたる部分が約30分もあるなんて、それだけでも驚きではありませんか!ブラームスやチャイコフスキーの第1番だって第1楽章はそんなに長くありません。)

 

 




〈番外編その2:演奏時間2時間超の「短い」交響曲〉

6.『ソラブジ:ピアノ独奏のための交響曲 第5番「シンフォニア・ブレヴィス」』

近現代になると「普通でない」作曲家が沢山登場してきますが、インド系とスペイン系の血を引くイギリスの作曲家ソラブジもそのひとり。ブゾーニ、メトネル、スクリャービンらの影響を受けたソラブジの音楽はどれも長大で、分厚い音塊がこれでもかとばかりにぶつかってきます。彼の作品は殆どがピアノ曲ですが、長いものでは演奏に8~9時間(!)もかかるというから驚き。ある意味では「20世紀のアルカン」といって良いでしょう。ソラブジもピアノ独奏のための交響曲を何曲か作曲しています。1973年、作曲家81才の時に書かれた《交響曲第5番「シンフォニア・ブレヴィス(短い交響曲)」》は演奏に2時間以上要する壮大な音楽。なぜ「短い」のかと言えば、彼のほかのピアノ交響曲が4時間以上かかるから……こんなとんでもない曲を唯一録音したドンナ・アマートは、この作品の初演者でもあります。

 

※申し訳ございません。アマート盤は現在入手困難となっています。

 




いかがでしたでしょうか?この他にも沢山のピアノ編曲版が出ていますので、以下に一例を挙げておきます。

 





 

カテゴリ : Classical キャンペーン | タグ : 極めるシリーズ

掲載: 2015年01月30日 16:30

更新: 2016年01月15日 12:00

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