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追悼 ヘルマン・クレバース(1923.6.18~2018.5.2)

クレバース

オランダの名ヴァイオリニスト、ヘルマン・クレバース(1923~2018)が去る5月2日に亡くなりました。94歳でした。 謹んでご冥福をお祈り致します。

クレバースはフランコ=ベルギー派の伝統を受け継ぐヴァイオリニストで、名門ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターを18年にわたって務め、同楽団の戦後の黄金時代を築きました。

ヴァイオリン教師としてもツィンマーマン、ヴェルヘイ、フェルシュトマン、そして多くの日本人ヴァイオリニストを輩出した名伯楽でした。

この追悼ページでは、クレバースの業績を讃え、彼の音楽家としての歩みを音源や映像とともに振り返りたいと思います。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)


ヘルマン・クレバース年譜

1923年6月18日(0歳)
オランダ、オーフェルエイショー州のヘンヘロ市に生まれる

1929年(6歳)
ヴァイオリンの天才少年ぶりが巨匠ウジェーヌ・イザイの耳に入り、イザイ門下のオスカル・バック教授(1870~1963)を推薦され、師事する

1933年4月20日(9歳)
9歳10か月でリサイタル・デビュー

1937年(14歳)
アムステルダム音楽院に入学

1943年4月13日(19歳)
メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)とブラームスのヴァイオリン協奏曲を弾いてコンサート・デビュー
※ナチスによる占領時代だったため、ユダヤ人、ヨアヒムのカデンツァが使えず、バック教授、メンゲルベルクの助言を得ながらカデンツァを自作した

1951年(28歳)
同門のテオ・オロフ(1924~2012)とともにハーグ・レジデンティ管弦楽団のコンサートマスターに就任
ゲザ・フリード(1904-1989)が「2台のヴァイオリンのための20のデュオ」をクレバースとオロフのために作曲
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をモノラル録音(オッテルロー指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団と共演、Philips)

オランダ音楽祭でのオッテルロー指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団の「ウィーンの森の物語」。コーダでのクレバースとオロフによる二重奏シーン

1951年12月21日(28歳)
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をケンペン指揮オランダ放送フィルと放送録音全曲試聴はこちら>>>

1954年(31歳)
ヘンク・バディンフス(1907~1987)が「2台のヴァイオリンのための協奏曲」をクレバースとオロフのために作曲
1976年10月8日オロフ、ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団との放送録音全曲試聴はこちら>>>

1956年(33歳)
アムステルダムでヴァイオリン教師としての活動を開始

1957年(34歳)
クレバースはオロフとともにオランダ王国のオレンジ・ナッソー勲章を叙勲し、騎士に列せられる


オレンジ・ナッソー勲章授与式のガラ・コンサートの映像

1961年5月29日(37歳)
ピエール・パラ(ピアノ)とフランス・プログラム(4曲)を放送録音全曲試聴はこちら>>>

1962年9月1日(39歳)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターに就任。

1968年9月(45歳)
ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団のメンバーとして初来日
来日公演の合間の9月11日、世田谷区民会館ホールにて同団のトップ・メンバー(アムステルダム室内合奏団)を率いてトリオ・レコードに録音を行う(徳間 TKCZ-79220[廃盤])

1970年5月(46歳)
ハイティンク指揮でR.シュトラウスの《英雄の生涯》のヴァイオリン・ソロを担当し、ステレオ録音
1973年4月(49歳)
ハイティンク指揮でR.シュトラウスの《ツァラトゥストラはかく語りき》のヴァイオリン・ソロを担当し、ステレオ録音

1973年9月(50歳)
ブラームスのヴァイオリン協奏曲をステレオ再録音
1974年12月(51歳)
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をステレオ再録音
1975年5月(51歳)
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第2&4番をステレオ録音

1979年6月(56歳)
コンドラシン指揮でリムスキー=コルサコフの《シェエラザード》のヴァイオリン・ソロを担当し、ステレオ録音

1980年(57歳)
海難事故による右腕故障のためアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサートマスターを辞任
アムステルダム音楽院の教授として後進の指導にあたる
その門下からはフランク・ペーター・ツィンマーマン、エミー・ヴェルヘイ、ヴェラ・ベス、アンドレ・リュウ、ディーン・オールディング、リザ・フェルシュトマン、アントネッロ・マナコルダ、天満敦子、堀米ゆず子、戸田弥生、梅津美葉、島田真千子、玉井菜採、大谷玲子など、錚々たる顔ぶれを輩出
(その後、リハビリを経て演奏活動に復帰)

1996年(73歳)
レオポルド・モーツァルト・ヴァイオリン・コンクールの審査委員長に就任

2009年(86歳)
演奏活動から引退(自宅での教授活動は継続)

2018年5月2日(94歳)
永眠

カテゴリ : Classical キャンペーン

掲載: 2018年05月07日 00:00