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私の「1970年代JAZZ名盤」(新宿店)

タグ : タワレコ名盤セレクション

掲載: 2020年06月17日 14:58

70年代ってジャズにとってどんな時代?色々な捉え方ができるけど、ジャズがそれまで外側にあった音楽に接近していった時代、ということは言える。ビバップからハードバップ、そしてモード、スピリチュアル、フリーへとジャズを内向的に追求することで求心力を高めていったのが、それ以前のディケイド。70年代に入るとジャズはこれまでに増して同時代の多ジャンルの音楽性を取り込んでゆく。時としてソウル・ミュージックにはフェンダーローズやエレキ・ギター、ワールド・ミュージックにはラテンやアフリカのパーカッションが欠かせない。そういう切り口でもジャズは楽しい。時代性を纏わないエヴァーグリーンな魅力が意外なほどに溢れていると思う。

Selected by

新宿店/塩谷邦夫
TOWER VINYLバイヤー

Bill Evans (Piano)『フロム・レフト・トゥ・ライト +4(SHM-CD)』

初めてエレクトリック・ピアノを導入した、ストリングス、アコースティック・ギター、そして自身のアコースティック・ピアノとの多重録音アルバム。タイトルはジャケットの写真通り。オープニング“What Are You Doing the Rest of Your Life?”はミシェル・ルグランが1969年公開の映画『ハッピー・エンディング』に書き下ろした名曲。“I'm All Smiles”“Why Did I Choose You?”はブロードウェイ・ミュージカル『子鹿物語』より。作曲者マイケル・レナードは本作のアレンジも手掛けた。“The Dolphin”はルイス・エカのボッサ人気曲。70年代の幕開けに、エヴァンスのフェンダー・ローズが儚くも美しく響く。


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Chick Corea『リターン・トゥ・フォーエヴァー <限定盤>(UHQCD)』

70年代を代表するピアニスト、チック・コリアがECMからリリースしたエレクトリック・ピアノ・アルバム。参加メンバーはスタンリー・クラーク(el-b)、ジョー・ファレル(fl)、そしてブラジルからやって来たアイアート・モレイラ(ds,per)とフローラ・プリム(vo,per)。後にフュージョン時代の扉を開けた作品とされることも多いけれども、そんな使い古された枠組みから最も遠い場所にある音楽だと思う。“What Game Shall We Play Today”に込められた色褪せることのない優しくも力強いメッセージ、ラスト“Sometime Ago-La Fiesta”での祝祭感はまさに永遠への回帰。グループ名義での次作『ライト・アズ・ア・フェザー』もぜひ。


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Weather Report『スウィートナイター <期間生産限定スペシャルプライス盤>(LTD)』

ウェイン・ショーターとジョー・ザヴィヌルによる双頭グループ、73年リリースの3枚目。60年代末のエレクトリック期マイルスに密接な関わりを持つ2人が模索しつつ推し進める、ファンクやワールド・ミュージック的要素を飲み込んだジャズの新しいフォーマット。親しみやすさや躍動感を増した後年の名作『ヘヴィ・ウェザー』にはない、得体の知れない危うさがこの時期ならではの魅力。それでいて1曲1曲きっちりと立っているのは優れたソングライターが3人いる強み。マイルス、EW&F、マハヴィシュヌ、『フィルモアの奇蹟』、サンタナ、そしてウェザー。60年代末から70年代前半の〈米コロムビアレコード〉という切り口で様々な事柄が繋がってゆく。奇才ベーシスト、ミロスラフ・ヴィトウス在籍時の最後のアルバム。


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Wayne Shorter『ネイティヴ・ダンサー <期間生産限定スペシャルプライス盤>(LTD)』

アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスとのマイルス〈黄金のクインテット〉での活躍後、ジョー・ザヴィヌルらと結成したウェザー・リポート在籍期の75年にリリースしたソロ名義作。ショーターの奏でるリリカルなソプラノ・サックスはもちろん魅力的なんだけれども、このアルバムを〈特別〉なものにしているのはブラジルのSSWミルトン・ナシメントの存在だろう。半数以上の曲がミルトンによるもので、その神々しい歌声とともに包括的にイメージを決定している。ミルトン・バンドのワグネル・チゾ(p,org)、ロベルト・シルヴァ(ds)の2人の参加も大きい。盟友ハンコック、アイアート・モレイラの参加も。地上で最も美しい音楽の一つかもしれない。


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Nina Simone『It Is Finished <完全生産限定盤>(EU/LP)』

50年代末からベツレヘムに『Little Girl Blue』、コルピックスに『At The Village Gate』、フィリップスに『I Put a Spell on You』など数多くのジャズ・ヴォーカル名盤を残したニーナ・シモン。74年にRCAからリリースしたこのライヴ盤も絶対に聴いておかなくてはならない一枚。ゴスペルにファンク、そしてアフリカン・ミュージックの要素を取り入れてスピリチュアルに昇華した“The Pusher”や“Funkier Than A Mosquito's Tweeter”は彼女自身が本来持ち合わせていた音楽性との調和の結晶だ。イントロのピアノとギターが全てを浄化する“Com' By H'Yere-Good Lord”にはもう言葉を失ってしまう。


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Boogaloo Joe Jones『Snake Rhythm Rock / Black Whip(UK)』

グラント・グリーン・スタイルのギタリストによる73年作。本作でもホットでヒップな奏法で最高のソウル・ジャズを聴かせてくれます。そしてこのカヴァー曲のセンス。レオン・ラッセルはともかく、ポール・マッカートニー“マイ・ラヴ”とエルトン・ジョン“ダニエル”をこれほどまでのブラック・フィーリングで奏で切るジャズ・ミュージシャンを、自分は他に知らない。そして自作曲がまた抜群にカッコイイんだ。オルガン、エレクトリック・ピアノとの絡みも絶妙。60年代後半からプレスティッジに残した『What It Is』、『Snake Rhythm Rock』などのアルバム群とマイナー・レーベルJokaに残した『スウィートバック』もぜひ聴いて。ブーガルー・ジョーに退屈などありえないので。


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Gil Scott-Heron/Brian Jackson『Winter In America(RM)』

遅れてきたNYビートニク詩人ギル・スコット・ヘロン。活動初期のポエトリー・リーディングから音楽的な表現の幅を盟友の鍵盤奏者ブライアン・ジャクソンとともに拡げていく過程での一つの到達点。74年、スピリチュアル・ジャズの総本山ストラタ・イーストからのリリース。メッセージ性の強い音楽だけれども、決して重くなり過ぎず。シンプルな編成とソングライティング能力の高さが時代を超越した普遍性を獲得している。ギルのリリックの力強さをバックアップするのはブライアン奏でるフルートの音色とダニー・ボーウェンスの恐ろしくカッコいいベースライン。そして、なんといっても“The Bottle”。スペイン語のカウント「ウノ、ドス、トレス…」から始まるグルーヴとスピリットは今日においてさらに胸に深く響く。


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Jaco Pastorius『ジャコ・パストリアスの肖像 <期間生産限定スペシャルプライス盤>(LTD)』

衝撃の1st。24才の天才ベーシストのデビューに大勢の一流ミュージシャンが集められ、この若者は見事それに応えた。自由奔放かつ超絶技巧なジャコのベース・プレイは圧巻の一言。でもテクニックだけじゃないんだ。このアルバムがその鮮烈さを今日に至るまで保っているのはジャコの〈曲〉そのものに対して真摯に向き合う姿勢のようなものなのではないか。“Donna Lee”“Continuum”“Portrait of Tracy”などの瑞々しさ。プロデュースを務めたボビー・コロンビー(元BS&T)は本当にいい仕事をしたと思う。そしてほぼ全面参加となったハービー・ハンコック、コンガのドン・アライアスには、聴き終わる度に今でも「お疲れ様」と声を掛けたくなる。この気持ち、聴けば分かるはず。


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Pat Metheny『Watercolors(INTL/PS)』

天才ベーシスト、ジャコ・パストリアスを招いてのECMからの鮮烈なデビュー・アルバムに続く77年作。その後に多くの時間をともに歩むことになる盟友ライル・メイズとの記念すべき初共演盤。タイトル通り〈水〉にちなんだ自作曲が並ぶ。時に淡くたゆたい、時に力強い波動でギターの音色は拡がりをみせてゆく。メセニーはエレクトリックとアコースティックのギターを使い分け、メイズはまだアコースティック・ピアノのみ。ドラムはダニー・ガットリーヴだ。このリリースから数か月後に立ち上げられた〈パット・メセニー・グループ〉。スーパーグループへのスタートラインに向かうその前夜、この時期こそのかけがえのない何かを感じ取ってしまう。ここに収録されている曲からしか聴こえない、メセニーとメイズ。


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Joni Mitchell『Shadows and Light』

79年9月、カリフォルニア州サンタ・バーバラ・カウンティ・ボウルにて催されたコンサートの実況盤。以前からジャズへの斬新なアプローチを続けてきた彼女、数作前からジャコ・パストリアスやウェイン・ショーターと共演を重ね、同年発表のチャールズ・ミンガスに捧げたスタジオ・アルバムではハービー・ハンコック、ピーター・アースキンらを招いている。そして満を持しての今回のバンド・メンバーはジャコ、パット・メセニー、ライル・メイズ、ドン・アライアス、マイケル・ブレッカーら。ジャズが様々なジャンルと交差した実りあるディケイドの最後を飾るに相応しい熱演を全編において聴かせてくれる。映像ソフトとしても過去に何度か発売されているので、ぜひステージ上の姿も見て欲しい。


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