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特集

極私的注目バンド2011

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2011年12月01日 16:45

更新: 2011年12月01日 16:45

ソース: bounce 338号(2011年11月25日発行)

文/岡村詩野、金子厚武、土田真弓、加藤直子



〜selected by 岡村詩野〜


2000年代の関西ゼロ世代のパワーと拮抗した動きがなかなかなかった東京でも、ようやく連帯感と独創性のあるシーンが誕生した。そんな確かな手応えを感じさせてくれたのが、ceroやシャムキャッツにALFRED BEACH SANDAL、そして昆虫キッズ、スカート、王舟らだ。彼らは破天荒さやエネルギーで勝負するような鼻息の荒い連中ではなく、あくまで好きな音楽の趣味と感覚に素直に寄り添った、どちらかと言えばリスナー指向の強い若者たち。取材などで会えば一人の音楽ファンとして深い話ができるあたりは、20年前の渋谷系の面々と傾向が似ているかもしれない。もっとも、彼らのほうがもっと柔軟で、逆に冷めてもいる。そんなところもまた個人的には共感できるところなのだ。



▼関連盤を紹介。

左から、ceroの2011年作『WORLD STANDARD』(KAKUBARHYTHM)、シャムキャッツのニュー・ミニ・アルバム『GUM』(POT)、ALFRED BEACH SANDALの2011年作『One Day Calypso』(鳥獣虫魚)



〜selected by 金子厚武〜


HOTEL MEXICOもCzecho No Republicも、共に成長過程にあるバンドだが、〈海外シーンとのリンク〉という部分を重視してチョイス。彼らにはインディーの枠に留まらず、よりメインストリームへと接近することで、邦楽リスナーが洋楽に興味を持つきっかけになってほしい。また、この文脈で今年理想的な作品を発表したのが踊ってばかりの国だが、彼らと同郷で実際に交流も深いA MAD TEA PARTYのアルバムも良かった。ニューレイヴ寄りの作風から、シューゲイザーなども取り込んだサイケデリックなエレクトロ・ポップに移行したのは間違いなく正解。現在のUSの状況を考えると、2012年は彼らのようなMGMT以降のエレクトロ・ポップや、フリート・フォクシーズ以降のチェンバー・ポップの盛り上がりにも期待。



▼関連盤を紹介。

左から、HOTEL MEXICOの2011年作『HIS JEWELLED LETTER BOX』(SECOND ROYAL)、Czecho No Republicの2011年作『Maminka』(mini muff)、A MAD TEA PARTYの2011年作『A.M.T.P. to RESIST DRUGS AND VIOLENCE』(FUCK/REC.)



〜selected by 土田真弓〜


勝手に〈ニューウェイヴ〉というテーマを設けてベストの3組を紹介します。まずは、池永正二(あらかじめ決められた恋人たち)とゆーきゃんから成るシグナレスを。2人のキャリアを考慮すると新世代ではないですが、これが待望の初作。マンチェ的グルーヴと80s風シンセ、ローファイな音像が溶解したドリーム・ポップは、グローファイ/チルウェイヴとも共振する今年らしさです。そして、初作との落差も甚だしい0.8秒と衝撃。の2作目は、ボディー・ミュージックを通過した強靭なリズムと爆裂ギターが暴れる反逆のアルバム。80sのミュート好きにおすすめです。最後は初の全国流通盤を発表したばかりのパスピエ。70s〜80sの日本のテクノ・ポップをまぶしたオリエンタルなバンド・サウンドと、アニメ声の女子ヴォーカルが織り成す超キャッチーな音世界に射抜かれました。



▼関連盤を紹介。

左から、シグナレスの2011年作『NO SIGNAL』(felicity)、0.8秒と衝撃。の2011年作『1暴2暴3暴4暴5暴6暴、東洋のテクノ。』(EVOL)、パスピエのニュー・アルバム『わたし開花したわ』(COCONOE)



〜selected by 加藤直子〜


やっぱり女王蜂でしょう! 映画「モテキ」効果で〈なんだコレ!〉と思った人も多くいたのでは? キュートかつ聖女のようなアヴちゃんの人柄も素晴らしく、彼女たちには後光が射してますね……。もうひとつ、ロンドンに息づく日本の魂、BO NINGENもアッパレ。サイケ宇宙のなかで童謡風のメロディーが流れたりとか……日本的であることの耳馴染みの良さに相反する暗黒感、でも聴き心地はポップ。みんな聴いてください。そして最後はハッピーに、画家! 16人が一度に音を鳴らす様子は祭り以外の何物でもありません。やっぱりフェスで観たいな!



▼関連盤を紹介。

左から、女王蜂の2011年のミニ・アルバム『魔女狩り』(ソニー)、12月14日にリリースされるBO NINGENのEP『Henkan EP』(Knew Noise)、画家の2011年作『嬉しい音楽』(野外フェスティバル)

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