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IN THE SUNSHINE OF YOUR LOVE――クラプトンのキャリアは、素晴らしい友達/ライヴァルと共に……

 

ここではギター・テクばかりでなく、クラプトンが優れた人心掌握術の持ち主だってことを、彼の〈トモダチコレクション〉を紐解きながら説明したい。親友のジョージ・ハリソンから懇願され、ビートルズ“While My Guitar Gently Weeps”において、グループすべての楽曲でも最高のギター・ソロを披露したクラプトン。〈俺には無理だって……〉という控えめな態度だったらしいが、いざとなったら物凄いことをやってのけてしまう。そこでメンバーから厚い信頼をゲットし、一時アップルのスタジオ・ミュージシャンとして活躍したほか、ジョン・レノンたっての願いでプラスティック・オノ・バンドにメンバー入り。また、それ以降の各ソロ作でも頻繁にクラプトンの名がクレジットされるようになる。

70年代、すでに大スターの地位を築きながら、US南部音楽に心奪われてデラニー&ボニーと行動を共にし、サポート・ギタリストを務めていた時期もあった。楽しければ自分が看板になる必要などない、ってことか。南部サウンドと言えば、ザ・バンドに憧れ、ソロ活動の着想を得たというクラプトン。ボブ・ディランとザ・バンドが参加したクラプトンの76年作『No Reason No Cry』は、本人も大のお気に入りだそう。で、尊敬できる人にならリード・ギターの座だって明け渡すのが彼の性分。デレク&ザ・ドミノスのレコーディングでは、ゲストのデュアン・オールマンを主役のように立て、デュアンは歴史的なプレイを残すことができた。

そうそう、薬物中毒で再起が危ぶまれていた頃、ピート・タウンゼントが彼を表舞台に引きずり出すためのコンサートをお膳立てしたことにも触れておこう。これもクラプトンがたくさんの同業者から愛されていた事実を物語る話。きっとその友達力は死ぬまで高いままなんだろうな。

 

▼関連盤を紹介。

左上から、ビートルズの68年作『The Beatles』、ジョージ・ハリソンの70年作『All Things Must Pass』(共にApple/EMI)、デラニー&ボニーの69年作『Home』(Stax)、ボブ・ディラン&ザ・バンドの75年作『The Basement Tapes』(Columbia)、デュアン・オールマンの編集盤『Anthology』(Capricorn/Polydor)、ピート・タウンゼント&ロニー・レインの77年作『Rough Mix』(Polydor/Revisited)

 

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2013年04月23日 17:50

更新: 2013年04月23日 17:50

ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)

文/桑原シロー

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