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特集

DISCOGRAPHIC NINE INCH NAILS――NINを知るための7枚

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2013年09月04日 18:00

更新: 2013年09月04日 18:00

ソース: bounce 358号(2013年8月25日発行)

文/土田真弓



NINを知るための7枚



『Pretty Hate Machine』 TVT/Interscope(1989)

当時のミュート周辺に近いEBM色が強く、後のインダストリアル・メタル路線の要素は程良いアクセントに収まった初作。その筋の先駆者を多く手掛けたエイドリアン・シャーウッドもプロデューサーに名を連ねる、翳りを帯びたダンス・ミュージック集だ。

 

『The Downward Spiral』 Interscope(1994)

金切り声を上げるディストーション・ギターと暴走する無機質ビートに逆巻く怒りを託し、インダストリアルをメインストリームへと押し上げた出世作。暗黒ノイズで暴力的に鼓膜を圧するのみならず、曲単位で挿入される静のパートが不安定な負のエネルギーを強調している。

 

『The Fragile』 Nothing/Interscope(1999)

偏執的に研ぎ澄ました音のレイヤーを塗り重ね、より内省的に沈み込んだ2枚組。ノイズのなかの合唱が孤独を浮き彫りにする先行曲“The Day The World Went Away”をはじめ、ドゥーム・インダストリアルとでも言うべき鬱々とした音世界が、どこまでも重く暗くのしかかる。

 

『With Teeth』 Nothing/Interscope(2005)

前作から一転して音数が絞られ、ストレートなバンド・サウンドを披露した4作目。神経質に歪んだギターと仄暗いエレクトロニクスは控え目で、代わりにトレントの歌と生ドラムが前面に。主役の再生の物語と呼応する血の通ったグルーヴに、デイヴ・グロールが貢献している。

 

『Year Zero』 Nothing/Interscope(2007)

15年後の近未来を舞台に〈世界の終わり〉を描いたこのコンセプト作は、『With Teeth』から翻って生音が後退し、サウンド・コラージュも散見。リズム・オリエンテッドな作りで、デジタル・ノイズ混じりのクールなダンス・ビートはファンクやヒップホップにも接近している。

 

『Ghosts I–IV』 The Null(2008)

トレントいわく〈白昼夢のサウンドトラック〉という6作目は、表題のない全36曲/4部構成のインスト集。不穏なノイズや奇妙なエレポップで動的な起伏を施しつつも、全体は深遠なアンビエンスに覆われている。物憂いピアノが響き渡るポスト・クラシカル風の曲も印象的だ。

 

『The Slip』 The Null(2008)

前作より2か月のスパンで唐突にネット公開された7作目では、閉塞感をさらに払拭。王道のノイズ・ロックに暴力的なブレイクビーツ、インダストリアル・ファンクからピアノの弾き語りや幽玄なアンビエントまで、これまでに見せたNINの多面性をコンパクトに集約している。

 

OTHERDISCOGRAPHIC

ALBUM
『Things Falling Apart [Remix]』 (2000)
『And All That Could Have Been [Live]』 (2002)
『Y34RZ3R0R3MIX3D [Remix]』 (2007)
『Hesitation Marks』 (2013)

EP
『Broken』 (1992)
『Fixed』 (1992)



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