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特集

ジャパニーズ・ラウド・ロックの現在とこれから

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2013年10月30日 18:01

更新: 2013年10月30日 18:01

ソース: bounce 360号(2013年10月25日発行)

おはなし/安達香菜&桜間里奈(タワーレコード渋谷店バイヤー)、加藤直子(bounce編集部)



加藤直子「今回は、にわかに賑わいを見せているラウド・ロック・シーンの現在・過去・未来についてお話を伺いたいな……なんていうとちょっと大袈裟なんですが、まあとにかく、私の実感としていまのこの状況は〈AIR JAM〉期以来かな……という印象があるのですが、どうでしょう?」

安達香菜「そうですね。元を辿れば、古くなりますが90年代後半にDragon Ashや山嵐などのミクスチャー・バンドとか、マキシマム ザ ホルモンがだいたい同じ頃、2000年代前半頃に登場して、そのあたりからわりとより幅広いリスナーに受け入れられるような土壌が出来はじめていた気がします」



DragonAsh_A
Dragon Ash



加藤「ハイスタ以降のメロディック・パンク勢は堅調に推移していた一方で、いわゆるハードコア/スクリーモ系が頭角を現すようになったのは、やっぱりホルモンやPay money To my Painあたりのヒットがきっかけになってるのかな……とも」

安達「まあそうかもしれないんですけど……もうずっと前から人気の高いバンドではあるので、実感としてこの2組のヒットがきっかけ、とは必ずしも言いきれない部分もあります。やっぱりいまに至る流れのなかでいちばん起点になっているのはFear, and Loathing in Las Vegasなんですよね」



ラスヴェガスは別格!?

桜間里奈「でもラスヴェガスは、FACTの『FACT』(2009年作。バンドの世界デビュー盤でもある)がヒットした直後に登場して、彼らが作ったイイ波に乗れた……というのもあるかと。そう考えると、FACTがターニングポイントなのかもしれませんね」



Fact_A
FACT



安達「FACTもその前からずっとやってるバンドなんですけど、その頃はまだ渋谷店でスクリーモを大きく展開する感じではなかったんですよね。でも、“a fact of life”が話題になったタイミングで、これは絶対にもっと押したほうがいいという流れになりました」

加藤「FACTのメディアに出る時は能面というスタイルもかなり衝撃的でしたよね。その後すぐオオカミも出てきたりとか……。それはともかく、ラスヴェガスはデビューのタイミングでグワッとヒットしましたよね」

安達「デビュー前に、ラスヴェガスのいまのレーベルさんから〈知ってますか?〉っていうリサーチが入ったんですよ。で、スタッフの間でも〈絶対クるから、(ライヴを)観ておいたほうがいい!〉みたいな感じで噂になっていて。知名度はまだ全然なかったんですけど、渋谷にあるCYCLONEっていうライヴハウスがスクリーモ系に強くて、そこでは早くから結構話題になってたみたいです」



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THREE LIGHTS DOWN KINGS



加藤「なるほど。ラスヴェガスの登場以降は確実に流れが変わった感じはありますよね。実際ASHLEY SCARED THE SKYとか、ファッション性もラスヴェガスに近いものがあるTHREE LIGHTS DOWN KINGSとか、レイヴィーなスクリーモ/メタルコアなバンドが続々とメジャー・デビューしていますし」

安達「あとARTEMAも結構キてますよ」

桜間「THREE LIGHTS DOWN KINGSはこの間ライヴにも行ってきたんですが、ホントに盛り上がってて、演奏力も圧倒的でしたね。完成されてる感じでした」



ONE OK ROCKの拓いた道



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ONE OK ROCK



桜間「ラスヴェガスとは別のラインになりますが、ONE OK ROCKとかMAN WITH A MISSIONの存在も大きいですよ。このバンドがいたからMY FIRST STORYやAIR SWELL、ANOTHER STORYが生まれてると思います。実際こういった後続も売れてきていますからね」

安達「確実にONE OK ROCKから降りてる感じはあります」

桜間「もうワンオクとMWAMは別次元って感じ」



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MAN WITH A MISSION



加藤「そうですよねー。個人的にはSPYAIRみたいな、ちょっとB'z寄りのメジャー感があるバンドもワンオクあたりと地続きで聴かれてるんじゃいかと思っていて。KNOCK OUT MONKEYもそのライン上にある」

安達「KNOCK OUT MONKEYもメジャー・デビューしましたしね」

加藤「こういったバンドも今後増えていくんじゃないかなと」

桜間「あと、渋谷店でも売れてるANGRY FROG REBIRTHは、今後もっと上に行くと思います!」

加藤「それはどの店舗のバイヤーさんに訊いても口を揃えて言いますね。そんなに凄いんですか?」

安達「去年CDデビューしていて、最初からすごいインパクトがあったわけではないんですけど、渋谷店でもしっかり取り組みはじめてからはロングセラーになってますね。コンスタントに売れていますよ」



ラウド・ロックの広がり

加藤「それにしても、知ってはいたけどラスヴェガスがこんなにもインパクトが強かったなんて……」

桜間「彼らを超えるバンドって出るのかなってくらいですね」

安達「キャッチーに仕立ててあるからアニメとかのタイアップになりやすいっていうのもあると思うんですよ。キバオブアキバもアニメの主題歌になってて、それを観ている人が〈いいね!〉という話をしていたんで、アニメを観る層にも刺さるようなキャッチーさを持ったバンドが増えてる感じもするし」

加藤「BABYMETALが出てきたのもそういう風潮が影響しているんですかね……関係ないかな(笑)?」

安達「話がズレちゃうかもしれないですけど、TOTALFATのKubotyとShunがベイビーレイズに曲提供していたり、HAWAIIAN6の安野勇太がPASSPO☆の曲をプロデュースしてライヴでも共演してたりとか、アイドルにパンク・バンドのメンバーがクリエイターとして参加するようになっていることからも、ラウド系のリスナーの幅が広がっていってるんだろうなというのは感じます」

加藤「PASSPO☆はHAWAIIAN6にNorthern19、EGG BRAIN、UNITEDなんかも招いたイヴェントを開催してましたしね。ももクロ以降、アイドルがロック・フェスにガンガン出演するようになったのも影響してると思うんですけど、クリエイティヴな面でも交流があるっていうのは、また新しいフェイズに入ってる感じがします」

安達「まあ流石にアイドルにはスクリームさせられないですけどね(笑)」 



▼関連盤を紹介。
左から、Dragon Ashの98年作『Buzz Songs』(ビクター)、山嵐の97年作『山嵐』(スウィートハニー)、マキシマム ザ ホルモンの2005年作『ロッキンポ殺し』、Pay money To my Painの2007年作『Another day comes』(共にバップ)、FACTの2009年作『FACT』(maximum10)、Fear, and Loathing in Las Vegasの2010年作『Dance & Scream』(バップ)、ONE OK ROCKの2013年作『人生×僕=』(A-SKETCH)、MAN WITH A MISSIONの2011年作『MAN WITH A MISSION』(クラウン)、SPYAIRの2013年作『MILLION』(ソニー)、BABYMETALの2013年のシングル“メギツネ”(トイズファクトリー)、ベイビーレイズの2013年のシングル“ベイビーアンビシャス!”(ポニーキャニオン)、PASSPO☆の2013年のシングル“妄想のハワイ”(ユニバーサル)

 

 

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