HIP HOP――(2)
JAY Z 『Magna Carta Holy Grail』 Roc Nation/Roc-A-Fella/Def Jam
サムスンと提携してギャラクシーユーザーに先行無料配布するなど、嫁のビヨンセの〈サプライズ・アルバム〉と共にゲームの流れを変えた重要作。“Tom Ford”“Picasso Baby”など、もはや気品すら感じさせるワードプレイに惚れ惚れする全16曲。*高橋
JUICY J 『Stay Trippy』 Taylor Gang/Kemosabe/Columbia
予想できた流れとはいえ、メジャーでは初となるソロ・リリースでここまで上昇しようとは。ただ、往時のメンフィス流儀にあまり変化はないのがおもしろい。一方で、あの黄金の6人からジューシーを除いたダ・マフィア・シックスの動きも気になる! *出嶌
BIG SEAN 『Hall Of Fame』 G.O.O.D./Def Jam
2013年最大の問題作、ケンドリック・ラマー客演の“Control”が未収録になってしまったのは不運だったが、引き続きカニエ・ウェストが監修を務めた2作目も安定の良盤。シングル・ヒットした“Beware”や“Guap”など、この男の良い意味での軽薄さは貴重。*高橋
EARL SWEATSHIRT 『Doris』 Tan Cressida/OF/Columbia
タイラー・ザ・クリエイターとの来日公演も最高すぎたオッド・フューチャーの若きラッパーによるデビュー作。OFの面々だけでなくネプチューンズやRZAらも参加したことでポテンシャルを多いに引き出す多彩な傑作となった。*Masso
2 CHAINZ 『B.O.A.T.S. II #MeTime』 Def Jam
前年に続いて引っ張りだこだった現行シーンの客演王による2作目は、全米1位を記録した前作の続編に。絶好調のファレルとコラボした“Feds Watching”やジュヴィナイル“Back That Azz Up”のオマージュ“Used 2”など、当代随一のパンチライナーの面目躍如たる一枚。*高橋
DRAKE 『Nothing Was The Same』 Young Money/Cash Money/Republic
2013年を代表するビッグ・チューン“Started From The Bottom”や数々のジャックを生んだジェイ・Zとの競演“Pound Cake”、タイトルでキルされた“Wu-Tang Forever”など多くの話題を生んだ貫録なブツ! *Masso
『MMG Presents: Self Made 3』 Maybach Music/Warner Bros.
リック・ロスが正規アルバムを出さなかった2013年、ワーレイも含めてメイバックの動きはこちらで。リル・スヌープのイントロに哀しみを募らせ、ミーク・ミルの風格に驚きつつ、スタリーやガンプレイが無事にアルバムを出せるよう祈る毎年の流れ!*出嶌
BLACK MILK 『No Poison No Paradise』 Fat Beats
エミネム、ダニー・ブラウン、ビッグ・ショーンらデトロイト勢の活躍が目立った2013年、忘れるわけにいかない会心の一撃がコレ。ロバート・グラスパーを迎えたインスト“Sonny Jr.(Dreams)”など、ぐっとワイドな音楽性を獲得した漆黒のグルーヴ渦巻く力作。*高橋
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