DRUM 'N' BASS――(2)
RENE LAVICE 『Insidious』 Ram
怒涛のリリース量で2013年を走り抜けたラム。その先陣を切る格好になったのが、アンディCを魅了した北米のプロデューサーによる初作で、長年レーベルを支持してきたアングラ・ファンの溜飲を下げるだろうハーコー曲が満載だ。ラム人気の秘密がここにはある。*青木
RUDIMENTAL 『Home』 Atlantic
“Feel The Love”に“Waiting All Night”という2曲の全英No.1シングルを含む、ヒット満載の本作で全英を制覇。エミリー・サンデーやジョン・ニューマン、アレックス・クレア他、UKを代表するシンガーが総出でサポートした、2013年のUKポップ・シーンを象徴する一枚だ。*青木
DANNY BYRD 『Golden Ticket』 Hospital
レーベルカラーのソウルフル&エレクトロニックな味わいを根底に残しつつ、前作に続いてレイヴィーに仕上げられた3作目。今回はEDMのトレンドやUKGの手捌きも取り込んで時代のムードを演出したが、ダニー持ち前のド派手なアレンジの前には少し霞んでいたかも!? *青木
DRUMSOUND & BASSLINE SMITH 『Wall Of Sound』 New State
ダンスフロアからポップ・リスナーまで広く虜にする楽曲を揃え、ヴェテランらしい職人技を見せつけたセカンド・アルバム。2年ほど前からのヒットも収録されているが、そのコマーシャル性は2013年も有効だった。彼らの先見性を証明した作品だ。*青木
ALIX PEREZ 『Chroma Chords』 Shogun Audio
ディープ系サウンドの旗手がトレンドのテクスチャーをあれこれ開陳した一作。その手中にはR&Bやアンビエントからダブステップ、グライムまで網羅され、2013年のベース・ミュージックが持っていたムードを、ダークサイドから伝える名作となった。*青木
『Nonplus Presents Think And Change』 Nonplus
インストラメンタルのアレキサンダー・グリーン率いるノンプラスの2枚組コンピ。首謀者自身に加え、マーティン、ピアソン・サウンドらによるカッティング・エッジなトラックは、ベース・ミュージック周辺の動向だけでなく、2014年の流れをも予見する。*青木
CAMO & KROOKED 『Zeitgeist』 Hospital
エレクトロ・ドラムンベースで一世を風靡したデュオによる3作目は、彼らの持ち味であるポップさを増幅させると共に、フレンチ・ディスコやミニマル・テクノの意匠も採り入れた斬新さが非常におもしろい内容に。この年もっとも意欲的なアルバムのひとつとなった。*青木
ANDY C 『Nightlife 6』 Ram
レイヴ向けのハードコア・ブレイクビーツを出していた彼とラムが、ジャングル/ドラムンベース方向に舵を切って新年でちょうど20年。レーベルの勢いを数々のヒットとVIPチューンで物語るこの最新ミックスCDは、長い安定走行の秘訣とフロアからの信頼を裏付ける必携のおさらい盤です! *出嶌
GOLDIE 『The Alchemist: The Best Of 1992-2012』 Metalheadz/Rhino
かつてドラムンベース界のアイコンとして君臨したゴールディーが20年の歴史を総括した3枚組。一線から退いた感もあるが、2013年の活況もかつてこの男がメジャーで活躍した功績のおかげだ。いま彼の歴史を振り返るのも有意義なのでは。*青木
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