REGGAE
GACHAPANやグリーン・ライオンの手掛けたUKベース風のオケが話題を集めたり、ジプシャンやラザ・モーガンがEDM以降のアーバン・ポップに接近したり……と、欧米のトレンドに影響されたサウンドが例年以上にシーンを賑わせた2013年。きっとダンスホールを小まめに追っていない人が最新のリディムを聴いたら、〈これもレゲエなの?〉と驚くんじゃないでしょうか。そろそろマヴァードもキャレドのレーベルからアルバムを出すはずだし、ショーン・ポールも新作を控えているので、この様子だと2002年のような世界的ブームがふたたび起こる可能性大! *山西
BERES HAMMOND 『One Love, One Life』 VP
カールトン&ザ・シューズ“Love Me Forever”のリメイク・オケ使いをはじめ、ソロ・デビュー時を思わせるソウルフルな楽曲を詰めたこの2枚組で、初レコーディングから40周年という節目を華々しく飾った御大。リアーナやドレイクからのラヴコールもヒットを後押し! *西尾
PUSHIM 『It's A DRAMA』 キューン
2011年の前作が震災直後の傷を癒すものだとしたら、本作には〈それでも一生懸命生きるしかない〉という前向きな心境の変化が表れていて、そこに感動。中納良恵との掛け合いもパワフルで、2014年にデビュー15周年を迎えるPUSHIMの新章スタートを予感させてくれた。 *西尾
SNOOP LION 『Reincarnated』 Doggystyle/Vice/RCA
ラスタ歌手化したスヌープが、メジャー・レイザーの手を借りてスカ古典や〈Sleng Teng〉をモダンに更新。バニー・ウェイラーらうるさ方からの批判をはねのけ、『Reggae Gold』をはじめとする名物コンピに楽曲が収録されるなど、このシーンでも大きな成功を掴みました。*山西
REGGAELATION INDEPENDANCE 『NEW DAY』 HIGH CONTRAST
TUFF SESSIONや元CULTIVATORのメンバーなどから成るこの凄腕集団が、やっとアルバムを出してくれたことも忘れ難い出来事。スカを出発点にジャズやアフリカ音楽へと遡っていく手法は、今野英明の新バンドにも見られましたね。*西尾
CHEHON 『A PASSING POINT』 ARIOLA JAPAN
エレファント・マンを迎えたハードコア・チューンも聴きどころではあるが、HIFANAやKIREEKが手掛けたスキット、JING TENGとのハワイアンなコンビ曲などに、〈何をやっても俺が歌えばレゲエになる〉という自信と余裕がくっきり。貫禄がついてきたな! *カシワ
CONGO NATTY 『Jungle Revolution』 Big Dada
UKベースが進化していくなか、ルーツにあたるジャングルにもスポットが! で、そうしたタイミングにパイオニアが8年ぶりの新作を出すなんて、ちょっと出来すぎじゃない!? 来日も実現したトップ・キャットほか、代表選手が大集合しての“UK All Stars”もズルかった! *西尾
GACHAPAN 『THIS IS GACHAPAN』 GACHAPAN/KOYASHI
ジャマイカでも確固たる地位を確立した日本人プロデューサー・コンビの初作は、本場仕込みの太いボトムとワビサビの効いた繊細なウワ音に、コンシェンスらが歌声を乗せた豪華な一枚に。ダブステップ風のオケもあり、今後この路線でディプロを追い抜け! *西尾
GYPTIAN 『Sex, Love & Reggae』 VP
前作の長期ヒットを受け、メラニー・フィオナやエステルをゲストに迎えるなど、世界に焦点を合わせたアーバン仕様の意欲作。メジャー・レイザー製のトラックがどことなく〈Coolie Dance〉っぽいせいか、2000年代初頭の一大レゲエ・ブームみたいな勢いを感じた。*カシワ
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