OUTERNET DANCE
ネット発のダンス音楽も多彩だが、2013年は、主に配信経由で頭角を現した新世代のフィジカル作が徐々に増加し、単独作が待たれていたtofubeatsはメジャー移籍も。そんななか、ボカロはさらに活動範囲(?)を広げ、先頃は渋谷慶一郎が初音ミクを使ったオペラをパリで開催して話題に。また、新手のベース音楽としてジュークの愛好家を中心に支持を得たゴルジェ作品が初CD化。そして、そこから『160OR80』のように配信と親和性の高いシーン同士が銀盤上で結び付いたり。今後もっとアウターネット化したら、日本のダンス界はさらにおもしろくなる!? *土田
SEKITOVA 『Premature Moon And The Shooting Star』 ZAMSTAK
Maltineから初音源を発表後、自主レーベルを立ち上げて本フル作を送り出した18歳のトラックメイカー。抑制されたトーンのディープなテック・ハウスも年齢的には驚きの作風だが、〈BIG BEACH〉といったフェスにも招聘されるなど、実力は折り紙付き。*土田
CRZKNY 『ABSOLUTE SHITLIFE』 DUBLIMINAL BOUNCE
世界的に新解釈が進んでいるジュークの波は、日本でもD.J.Full-tono率いるBooty Tuneらの活動で局所的ながら定着の動きを見せた。そんななかブームを支えてきた広島の鬼才が初フル作を発表したのは、曲単位でのリリースが多いシーンにおいて意義深い出来事だ。*北野
DJ WILDPARTY 『VS.[Versus]』 KSR
最新のダンス・ミュージックからアニソンまでを自在に繋げる注目DJは、ネット発の新世代に焦点を当てた『Emotional Joint』に続き、本ミックスCDでも日本の若手をフックアップ。fu_mouやakinyan electroらのナンバーとレイドバック・ルークら海外勢の曲が同列で鳴る快感たるや! *北野
sasakure.uk 『トンデモ未来空奏図』 U/M/A/A
土岐麻子らリアル・ヴォーカルを迎えた前作や、ボカロ曲を生演奏/歌唱で再現するバンド、有形ランペイジの初作を経て届いた最新作は、改めて全曲にボカロを起用。アルバム一枚を通してコンセプチュアルな幻想世界を組み上げる美学は、この作品でも貫かれた。*土田
八王子P 『ViViD WAVE』 トイズファクトリー
ニコ動シーンから出発し、近年はシンガーとの仕事も数多く手掛けるクリエイターだが、ここでは前作に続いてボーカロイドをフィーチャー。キャッチーで切れ味の鋭いEDMスタイルのサウンドを振りかざしながら、ボカロという歌い手の可能性の研究結果を提示した。*澤田
hanali 『ROCK MUSIC』 Terminal Explosion
インド〜ネパールの山岳地帯で発祥し、呪術的な暗黒ビートでじわじわとシーンを浸食中のベース音楽=ゴルジェ。数年前のジュークの登場時の如く配信リリースが先行していたが、日本におけるその筋の第一人者の楽曲群が、本作でめでたく初フィジカル化! *土田
『160OR80』 Thailand Book Store
配信とPVが先行していたジューク×日本語ラップのコラボ・コンピがCDで登場! トラック制作にはDJ FulltonoやCRZKNYなどの実力者が、MC陣にはCherry Brownや仙人掌、SQUASH SQUADら若手注目株が多く集結。両シーンのフレッシュネスがクールにクラッシュした一枚に。*土田
- 前の記事: J-CLUB MUSIC
- 次の記事: FANCY MUSIC