J-ROCK――(2)
COMEBACK MY DAUGHTERS 『Mira』 コロムビア
PIZZA OF DEATHを離れてメジャーから発表した本作は、前回に続いてNYでレコーディング。世界的なインディー・フォークの盛り上がりとシンクロしながらも、エモやパワー・ポップといったこれまでの彼らの色も自然に織り交ぜ、キャリアの集大成的な傑作となった。*金子
赤い公園 『公園デビュー』 ユニバーサル
ガールズ・バンドが鎬を削った2013年でもっとも目立ったのはこの4人だろう。活動休止期間を経て、満を持して発表されたこの初フル作には、クラシックなども通過した独自のセンスを感じさせる楽曲がズラリ。津野米咲がSMAPのシングル“Joy!!”を提供したことも大きな話題に。*金子
KANA-BOON 『DOPPEL』 キューン
オーディションでの優勝をきっかけに彗星の如く登場し、2013年のロック界において最大のブレイクを果たした彼ら。とにかくキャッチーなメロディーと、ライヴでの機能性抜群なビート、さらには〈君と僕〉を歌う歌詞の普遍性も相まって、ギター・ロック新世代の先頭に立った。*金子
ハルカトミユキ 『シアノタイプ』 ソニー
モータウン・ビートの軽やかなサウンドだけど、“Hate you”みたいな。従来の音楽性にポップ感覚をプラスした初フル作だが、〈こじらせ〉感も滲むその歌詞に魂を抜かれるような思いをした人は多い……はず。清涼な音と淡々とした声色で放たれた毒は、ここでも独特の苦みが。*加藤
曽我部恵一 『超越的漫画』 ROSE
時代の空気を敏感に嗅ぎ取りながら、次々と作風を変化させてきた曽我部の最新モードがこのアルバムだ。当初は誰にも聴かせないつもりで作っていたという一連の収録曲は、彼の思っていることが脚色されずそのまま歌になっていて、そのリリックの生々しさには何度も身震いした。*渡辺
ゲスの極み乙女。『踊れないなら、ゲスになってしまえよ』 gesukiwa
indigo la Endでも活動するMC.K率いる、プログレッシヴなダンス・ポップを鳴らす4人組。バンド名を見るとネタっぽいが、安易な4つ打ちがはびこるシーンへのカウンターを目論むラジカルな音楽集団である。メジャー進出も決定し、ますます注目されそう! *金子
downy 『『第5作品集』無題』 felicity
2000年代初頭のオルタナ・シーンを牽引したバンドが、9年ぶりにカムバック。ミニマルかつハードコアな演奏にエレクトロニクスが絡み合うサイケな音像は、やはり唯一無二だ。後続のバンドが一斉に色めき立ったこともあって、若い世代へも大きなインパクトを与えた。*金子
bloodthirsty butchers 『youth(青春)』 キング
5月に急逝した吉村秀樹にとって生前最後の作品……という事実がなくても、約3年間溜め込んだエネルギーが放出された力作として讃えたい。“レクイエム”の歌詞には胸が熱くなるが、ハレルヤ!と叫びたくなる力強い曲をたっぷり搭載。彼らはこれからも続いていく。*岡村
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