J-LOUD ROCK
9年ぶりの新作という待望感もあってか、マキシマム ザ ホルモンの圧倒的な強さには驚いたが、近年のラウド景気は2013年においてより顕著に。特にFear, and Loathing in Las Vegasのヒットを契機に続々と登場するエレクトロニコア勢からは、演奏力に定評のあるTHREE LIGHTS DOWN KINGSに加え、ARTEMAやASHLEY SCARED THE SKYといった面々がメジャー・デビューを果たして界隈の人気の高さを印象付けた。またMY FIRST STORYやANOTHER STORY、AIR SWELLらエモ〜スクリーモ系の若手も堅調な動きを見せており、この状況はまだ続きそう。*加藤
ONE OK ROCK『「人生×僕=」』
日本のロック全体を見渡しても人気/影響力はすっかりトップクラス。激しさと切なさと熱さで人生を賭けたこの会心作を発表後、全国各地を回ったアリーナ・ツアーや欧州/アジア各国で単独公演を行うなど、自身最大規模のスケールで精力的に活動した。どこまでデカくなるのやら。*加藤
BRAHMAN 『超克』 トイズファクトリー
これまで日本語詞じゃなかったことに違和感すら覚えるしっくり感。そこに至ったのは、明確に伝えなければならないことがあるから。〈3.11〉以降の彼らの変化は多くが知るところだが、本作に最大限の優しさをもって詰められた心意気、いや生き様のようなものは、何より心を直撃した。*加藤
HER NAME IN BLOOD 『THE BEAST EP』 TRIPLE VISION
3年ぶりの作品となった、日本屈指のハイクォリティーなメタルコアが凄まじい本EPは、エクストリーム系の老舗レーベル・TRIPLE VISIONからリリース(しかも日本人初!)。強力な後ろ盾を得て再スタートを切った2013年、2014年は本格的な飛躍に期待したい! *加藤
MY FIRST STORY 『THE STORY IS MY LIFE』 INTACT
よりエモーショナルに表現の幅を広げたこの2枚目のアルバムに加え、EPやAIR SWELLらとのスプリット盤と、作品リリースも活発だったMFS。昨年CDデビューしたばかりながら、若手スクリーモ勢を引っ張る存在として、厚い支持を得るに十分な活躍が光っていた。*加藤
coldrain 『THE REVELATION』 バップ
デビューから5年で着実に地力を付け、このデヴィッド・ベンデスとの2枚目のタッグ作は、重厚さと洗練性を増した傑作に。ラウド界隈では確固たるポジションを得ているが、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの欧州ツアーのサポートも決定し、さらにステージが上がる予感! *加藤
lynch. 『EXODUS-EP』 キング
速さと重さを強化したサウンドと、激烈なスクリーム&妖艶な歌メロが混然一体となって迫るEP。PTPの最新作にも参じた葉月(ヴォーカル)がKに捧げる詞を乗せた“BE STRONG”では悠介(ギター)が初めて作曲を担当し、バンドの新たな可能性も垣間見せた。*土田
ANGRY FROG REBIRTH 『Dance in the dark』 Live Power Creative
“2step syndrome”で決まり! この2枚目のミニ作に収められた、彼らが標榜する〈POP SCREAM CORE〉を体現する同曲でフロアを沸かせ、一気に次なるブレイク候補へと躍り出た。そして間もなく新作の噂も……こりゃ間違いなく凄いことになる! *加藤
SiM 『PANDORA』 ユニバーサル
Crossfaithと並んでいまもっとも勢いのあるバンドといって過言ではない。ベース・ミュージックの要素も多用し、レゲエ×パンクという自身の音楽性をアップデートした本作のヒットで、名実共にその人気は不動のものに。歌詞のみならず〈盤〉へのこだわりも提示し、作品全体の質を高めた。*加藤
Pay money To my Pain 『gene』 バップ
2012年末、本作の制作途中でフロントマンのKが他界。よって、一部は盟友&後輩たちがヴォーカルを担うことで完成した。が、ここで聴けるのはまぎれもなくPTPで、どの曲にもKの声が貫いていた熱と美しさが備わっている。彼は伝説になったが、バンドは今後どう展開していく? *加藤
THREE LIGHTS DOWN KINGS 『LiVERTY』 ソニー
ラスヴェガスに続く存在として注目される急先鋒。地元のタワレコ名古屋パルコ店限定で発表した作品を足掛かりに短期間で全国区へ名を広め、本作でメジャー・デビュー。ブロステップやダーティー・ダッチ、8ビット・サウンドを挿入した展開の妙も聴きどころだった。*加藤
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