DUKEY TREATS(1)――耳で聴いたピープル・トゥリー
ジョージ・デュークをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ
THUNDERCAT 『The Golden Age Of Apocalypse』 Brainfeeder(2011)
幼い頃からデュークの音楽に親しんでいたという雷猫。このソロ・デビュー作ではイントロで“For Love I Come Your Friend”の断片をそのまま用い、作中では同曲を“For Love I Come”として自身の歌唱でカヴァー。兄貴のロナルド・ブルーナー・ジュニアは長じてスタンリー・クラークのバンドで活動していたり、何かと縁を感じさせます。*轟
Monolog 『17 Living Souls』 mono-phonics(2013)
ボストン在住の日本人ピアニスト、YUKI KANESAKAがマルチ演奏で作り上げるソロ・プロジェクト。かねてから交流のあったジョージがレコーディング期間に亡くなったことから、本作には“From Dusk To Dawn”のカヴァーが収録。故人に捧げられたアルバムを美しい出来映えで彩っている。*轟
DAFT PUNK 『Discovery』 Virgin(2001)
清涼感に溢れたヒット・チューン“Digital Love”はデュークの“I Love You More”をほぼベタ敷きした反則級のサンプリング・トラック。それに前後してはアレックス・ゴファーのウズが“Wuz”にて“Guardian Of The Light”をネタ使いしていたし、もしかしたらこの時期にフランスではちょっとした再評価熱があったのかも? *轟
INCOGNITO 『Adventures In Black Sunshine』 Dome(2004)
フュージョンのカッコ良さを90s以降に受け継いだのは、ジャミロクワイらアシッド・ジャズ時代を牽引する顔役たちだった。なかでもブルーイはその最盛期を体験したヴェテランなわけで、穏やかなブラジル調の“Fences And Barriers”にデュークを招くセンスも抜群! *轟
DIANNE REEVES 『Bridges』 Blue Note(1999)
デュークの従妹として知られる才気に富んだジャズ・シンガー。デビュー前から従兄の曲で歌い、82年の処女作『Welcome To My Love』から昨年の『Beautiful Life』に至るまで常にその厚いサポートを受けてきた。その最新作ではロバート・グラスパーがピアノを弾いているのもどこか印象的だった。*轟
JEFFERY OSBORNE 『The Best Of Jeffrey Osborne』 Universal
LTDのリード・シンガーとして活躍後、80年にソロに転じた青春ヴォイスのヴォーカリストだ。デュークは“Stay With Me Tonight”(83年)などキャリアを代表するヒットには軒並み関与し、自作にもたびたびフィーチャー。昨年の『A Time To Love』では、亡くなる直前のデュークと最後のタッグを組んでいたのも泣かせる。*轟