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ホロコーストからの生還者、ピアニストのアリス・ヘルツ=ゾマーさん110歳で死去

「テレジエンシュタット収容所の音楽」ドイツ・グラモフォンによるトレーラー

世界最高齢のナチスによるホロコーストからの生還者として知られていた、ピアニストのアリス・ヘルツ=ゾマーさんが2月23日、ロンドンの病院で亡くなりました。110歳でした。彼女は1903年にプラハで生まれ、芸術家サロンの常連だった両親の影響で、幼い時にマーラーやカフカなどの音楽家、作家、思想家に直接会っています。姉の影響でピアノをはじめ、やはり両親の友人だった大ピアニストのシュナーベルに助言を受け、プラハ・ドイツ音楽院でV.ステファーンに師事します。1931年に実業家でアマチュア音楽家だったレオポルド・ゾマーと結婚。一児をもうけますが、ナチスのチェコスロヴァキア侵攻を受け、友人たちがルーマニア経由でイスラエルに逃れる中、病気の母の介護のためプラハに残っていたところを捕えられ、テレジアンシュタットの収容所に送られました。収容所では囚人と看守のために100回以上のコンサートを開き、また国際赤十字の目を欺くためのコンサートにも出演しました。彼女は収容所で夫を失いますが、ソ連軍による収容所解放まで息子とともに生き延び、プラハに帰還。その後、イスラエルに移住し、息子をチェロ奏者、指揮者に育てあげ、自身はエルサレム音楽大学の教師を40年間務めました。1986年にロンドンに居を移してからは友人たちに囲まれて幸せな余生を送りながら、ホロコーストからの最高齢の生還者として、時代の貴重な証言者として、その伝記が26か国語に翻訳されたり、106歳のときにはBBCがドキュメンタリー番組を制作したりと注目されました。
ドイツ・グラモフォンはダニエル・ホープとアンネ・ゾフィー・フォン・オッターを案内役としたDVD「テレジエンシュタット収容所の音楽」を制作。その中でホープがヘルツ=ゾマーにインタビューするシーンが収録されています。

カテゴリ : ニュース | タグ : プロモ(クラシック)

掲載: 2014年02月25日 11:00