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フランチェスカ・タンドイ・トリオ、待望の3作目

Francesca Tandoi Trio

澤野デビュー作“FOR ELVIRA”で非凡な才能をさらりと披露し、2作目“SOMETHING BLUE”で、よりバラエティーに富んだ表情を見せてくれたフランチェスカ・タンドイ。待望の3作目を手にとってジャケットを眺める……生き生きとした横顔、美しいブロンドと赤の対比を見ただけで、この作品にかける彼女の思いが伝わってくる。その美貌に変わりは無いが、1 、2 作目とその‘顔’を見比べると、自分の作品なんだという強さを感じるのだ。

本作品はインストゥルメンタルとヴォーカルのコントラストがはっきりした構成となっている。彼女がその中で最も気に入っているのはTr.4“ Clairede Lune”、ドビュッシーの「月光」。ノスタルジックな香りが漂う見事なアレンジから、彼女の将来性を垣間見る事ができる。Tr.6 の“ Where Do You Start?”は丁寧に美しく弾き語るフランチェスカの魅力が引き立つ。しっとりとした大人の魅力溢れる歌声で、心地よい音世界に誘ってくれる。そしてアルバムタイトルでもあるTr.9 の“Wind Dance”。少し冷たい春風のなかを自由に舞い踊っているかのようなこの曲は、本作品のために温められていたフランチェスカによる作曲だ。メランコリーでありながら熱い情熱を感じさせる力強いメロディは、自分らしくあろうとする凛とした美しさをアピールしている。‘ 女性らしさ’ や‘ 艶っぽさ’ というような、おおよそ彼女につきまとうであろうイメージなどどこ吹く風ではないか!

もちろん、彼女を支えているフリッツとフランスを忘れてはならない。ヨーロッパの音楽史に名を連ねるサポートメンバーがあってこそ、このトリオが存在する。三人が奏でるハーモニー、まさに“Magic Three”である。

Text by リチャード・W ・マクダニエルズ

掲載: 2016年03月15日 17:35