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マレイ・ペライア~バッハ・コンプリート・レコーディングス(CD8枚組)

ペライア

ここ数年の来日公演で、その類まれなピアニズムを日本の聴衆に披露しているマレイ・ペライア(1947年生まれ)。今年の秋の来日も迫る中で、ペライアがソニー・クラシカルに録音したCD8枚分の全バッハ録音を1セットにまとめたボックス・セットが登場します。1990年代後半、指の故障から復活し、イギリス組曲を皮切りに、ゴールドベルク変奏曲、ピアノ協奏曲、パルティータなどバッハのピアノ作品を立て続けに録音し、新境地を開きました。彼は演奏活動から遠ざかっていた間に、バッハの音楽を深く研究し自らの心の支えとしていました。チェンバロで演奏されることが当たり前となった現在、チェンバロでは味わえないモダン・ピアノの華麗かつ深みのあるタッチによって、バッハの真髄にせまっています。自然で生き生きとした流麗なフレージングと、洗練された推進力は説得力十分。音楽史に現れた最も深遠にして創造的な天才であったバッハの世界を、ペライアが円熟のピアニズムと繊細なリリシズムで美しく描いています。協奏曲では、ペライアが2000年以来首席客演指揮者を務めるアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ。マリナーとの伝説的なパートナーシップの蓄積の上に、ピアニスト兼指揮者として新たな歴史を開き、今でも密接な関係を保つ名室内オケとの音楽の喜びに満ちた演奏をご堪能いただけます。
(ソニーミュージック)

【収録予定曲目/演奏/録音】
J.S.バッハ
【CD1】
ピアノ協奏曲第1番ニ短調 BWV.1052
ピアノ協奏曲第2番ホ長調 BWV.1053
ピアノ協奏曲第4番イ長調 BWV.1055』
 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
 [録音]2000年

【CD2】
ピアノ協奏曲第3番ニ長調 BWV.1054
ピアノ協奏曲第5番ヘ短調 BWV.1056
ピアノ協奏曲第6番ヘ長調 BWV.1057
ピアノ協奏曲第7番ト短調 BWV.1058
 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
 [録音]2001年

【CD3】
フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲イ短調 BWV.1044
ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050 
 アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
 [録音]2003年
イタリア協奏曲ヘ長調BWV.971
 [録音]2003年
ブゾーニ編:コラール「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」BWV.645
ブゾーニ編:コラール「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV.659
ブゾーニ編:コラール「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」BWV.734
ブゾーニ編:コラール「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV.639
 [録音]1998年

【CD4】
ゴルトベルク変奏曲ト長調 BWV.988
 [録音]2000年

【CD5】
イギリス組曲第1番イ長調 BWV.806
イギリス組曲第3番ト短調 BWV.808
イギリス組曲第6番ニ短調 BWV.811
 [録音]1997年

【CD6】
イギリス組曲第2番イ短調 BWV.807
イギリス組曲第4番ヘ長調 BWV.809
イギリス組曲第5番ホ短調 BWV.810
 [録音]1998年

【CD7】
パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
パルティータ第3番イ短調 BWV.827
パルティータ第4番ニ長調 BWV.828
 [録音]2007年

【CD8】
パルティータ第1番変ロ長調 BWV.825
パルティータ第5番ト長調 BWV.829
パルティータ第6番ホ短調 BWV.830』
 [録音]2008-09年

ある時をもって自らの演奏スタイルを豹変させてしまうアーティストが、クラシック音楽の世界にもたまにいらっしゃいます。アメリカ人のピアニスト、マレイ・ペライアはさしずめその代表例ではありますまいか。
1972年のリーズ国際コンクールに勝ってデビューを果たしたペライアは、典型的なリリシズムのピアニストでした。モーツァルトをなによりも得意とし、慎み深いタッチに濃やかな陰影をつけてゆく様は、いかにも優男風の王道をゆくアーティストだったのです。
そんなペライアが豹変するのは、1990年代後半のこと。その原因となったのは、ホロヴィッツの存在。老巨匠最晩年の3年間、二人は一緒にピアノを弾いたりして、まるで親子のような付き合いをしたのだそうです。もう一つの原因は手の怪我による故障。演奏会からも離れ、思うようにピアノを弾けなかった数年間、ペライアは自宅にチェンバロを持ち込んで、この楽器を徹底的に研究しました。そうして完成をみたのが、復帰後にペライアが聴かせるようになった、あのバッハ演奏のスタイルなのです。
きらびやかなクリスタルの輝きを想わせる硬質なタッチと、どこまでも華麗に振る舞える図抜けたヴィルトゥオージティによって、人工美に打ち震えるバロック精神の一端をみごとに現前させたピアニズム。それは決して騒々しい華やかさではなく、どこか都会的な哀しみを湛えた華やかさだったがために、世界中のクラシック・ファンの耳を惹きつけ、とうとうグラミー賞の受賞にまでたどり着いてしまったのでしょう。
ペライアは今年、長年労苦をともにしたコロムビアマスターワークス~ソニークラシカルを離れ、DGへ移籍しました。そこでの第一弾も、やはりバッハというのが、現在のペライアというピアニストの立ち位置を物語っているのです。モダンピアノの可能性を極限まで突き詰めて完成した、ペライアのバッハ世界をお愉しみください。
(タワーレコード)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2016年09月20日 00:00