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ビエロフラーヴェク&チェコ・フィルによるスメタナ“我が祖国”2014年録音が登場!


[DeccaClassics 公式チャンネルより]




2017年5月に惜しくも亡くなったチェコの名匠ビエロフラーヴェク。デッカ・レーベルからはドヴォルザークの作品の数々がリリースされました。いずれも暖かみと優しさ溢れる豊かな響きをチェコ・フィルから導き出し、そのどれもが印象的な名盤です。その彼が得意としていた作品が母国の作曲家スメタナの大曲である交響詩《我が祖国》です。
スメタナは、チェコ民族主義と密接に関係する国民楽派を発展させた先駆者であり、チェコにおいては、広く“チェコ音楽の祖”として愛されています。その彼の代表作《我が祖国》は、チェコの建物、風景、歴史的事象を題材にした、全6曲からなる壮大な作品で、特に第2曲の〈ヴァルタヴァ〉は日本では〈モルダウ〉としてコンサートで度々演奏されています。ビエロフラーヴェクは《我が祖国》を得意としており、日本のオーケストラに客演した際も取り上げていました。また本国チェコでは、5月に開催されるこの国最大の音楽祭「プラハの春」オープニングコンサートでも度々演奏しています。
ビエロフラーヴェクの芸術の真髄が凝縮した同作品の名盤として、永くディスコグラフィに残ることでしょう。
(ユニバーサルミュージック)

2006年9月7日、筆者はサントリーホールでビエロフラーヴェク指揮日本フィルによるスメタナ《我が祖国》演奏会を聴きました。ご承知の通り、《我が祖国》は19世紀のハプスブルク家支配下にあったチェコの独立を願って書かれた愛国的な音楽で、筆者の世代には1989年のビロード革命によりチェコが真の独立を勝ちとる歴史を体験しただけに、スメタナやチェコの人々の切なる願いがリアルに感じ取れる音楽となっています。チェコ人指揮者であり、ビロード革命も体験し、「プラハの春」音楽祭の指揮台にもたびたび立ったビエロフラーヴェクにとって、《我が祖国》は〝特別な音楽”である訳です。筆者が当夜、もっとも感じ入ったのは、支配者に向かって蜂起するフス党のコラールの描き方でした。このコラールは第5曲《ターボル》と第6曲《ブラニーク》に現れます。ビエロフラーヴェクの、このコラールの描き方は、他の指揮者同様に壮麗・壮大なものでしたが、力づくの圧倒的勝利という感じではなく、非常に高貴で美しいものとして描いていました。筆者は、ここにビエロフラーヴェクの、この作品、及びスメタナに対する深い畏敬の念を感じたのです。終演後はいてもたってもいられなくなり、楽屋口まで伺って、ビエロフラーヴェク本人にこのことを伝えました。深くうなずいて、とても喜んでくださり、筆者が持ち合わせていた第6曲《ブラニーク》のポケット・スコアにサインをしてくださいました。ビエロフラーヴェクの円熟のさなかの死は、クラシック音楽界にとって極めて大きな損失ですが、残された録音にひとつでも多く接することで、その素晴らしさを味わってゆきたいと思います。
(タワーレコード商品本部 板倉重雄)

ビエロフラーヴェクのサイン

2006年9月7日、ビエロフラーヴェク指揮日本フィルによる
スメタナ《我が祖国》終演後、第6曲《ブラニーク》のスコア
にいただいたビエロフラーヴェク氏のサイン(筆者蔵)

【曲目】
ベドルジーハ・スメタナ(1824-1884):
連作交響詩《我が祖国》 (全曲)

第1曲:ヴィシェフラド
第2曲:ヴルタヴァ
第3曲:シャールカ
第4曲:ボヘミアの森と草原から
第5曲:ターボル
第6曲:ブラニーク
【演奏】
イルジー・ビエロフラーヴェク(指揮)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
2014年5月12-14日、プラハ、スメタナ・ホール

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2017年12月06日 00:00