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アルヴァ・ノト&坂本龍一(Alva Noto & Ryuichi Sakamoto)、コラボ・アルバム『Glass』

Alva Noto_Ryuichi Sakamoto

2002年以来、長年コラボレーションを行い、デュオとして6枚のアルバムをリリースする日本人音楽家・坂本龍一とドイツ人音楽家アルヴァ・ノトことカールステン・ニコライ。近年ではオスカー、ゴールデングローブなど数々の賞を受賞した映画「レヴェナント: 蘇えりし者」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)の音楽を共作している。

本作「Glass」は、20世紀を代表するモダニズム建築の巨匠・フィリップ・ジョンソンの、米コネチカット州ニューケイナンにある「グラスハウス」(ガラスの家)で行われた2人のパフォーマンスを録音した作品。グラスハウスは牧歌的な美しい自然に囲まれた全面ガラス張りの住居で、ジョンソンの最高傑作と言われている。2016年にジョンソン生誕110周年とグラスハウスの一般公開10期目を記念して開催された、草間彌生の展示〈Dots Obsession- Alive, Seeking For Eternal Hope〉のオープニングパーティーでこのパフォーマンスは行われた。

「グラスハウスで演奏するオファーをもらった時に最初に思い浮かんだアイデアは、建物自体を楽器として使うことだった。」と坂本は回想する。「我々がいつも行なっていることと同じように、実に音楽的で100%即興だった。」と彼は付け加える。「草間彌生の水玉で装飾されたガラスの壁を通して見る美しい風景は、何か特別で、我々に大きな影響を及ぼした。それは、自然なもの、自然、そして人工的なもの、アートが混ざり合った不思議なものだった。」

たった1日前にリハーサルをしただけで、坂本とニコライは、キーボード、ミキサー、シンギング・グラス・ボウル、クロテイル、そして建物の構造を使った即興演奏を行なった。坂本はコンタクト・マイクをガラスの壁に装着し、ゴムのマレットでガラスの表面を擦ってグラスハウス自体を楽器へと変身させ、黙想的かつ懐かしくもある物悲しげなサウンドを作り出し、同様に、ニコライはクロテイルを弓で弾く。二人の即興演奏は直感的なコールアンドレスポンスで構築されていった。瞑想的な静けさがゆっくりと広がっていく中に、キラキラと輝く音の集合体がレイヤーされ、つかの間に現れては消えるメロディーに心を掴まれる、アブストラクトでミニマルながらもとてもエモーショナルな37分のサウンドデザイン。その建物の持つ透明性や自然との一体感に彼らのユニークなパフォーマンスが加わったことで、建築、風景、音楽が共鳴し合った完璧な調和が生まれている。

Alva Noto and Ryuichi Sakamoto site specific performance at the Glass House from The Glass House on Vimeo.

掲載: 2018年02月08日 16:29