現代ジャズ・サックス界のイノベータ―、ジョシュア・レッドマン（Joshua Redman）が、ピアノレス・カルテットで描く父デューイ・レッドマンへのオマージュ作

人気テナーマン、ジョシュア・レッドマンが盟友ロン・マイルス（trumpet）、スコット・コリー(bass)、ブライアン・ブレイド(drums)を迎え完成させた、父デューイ・レッドマンへのオマージュ作。

ピアノレス・カルテットでの編成を見てわかる通り、父デューイ・レッドマンがかつて、フリー・ジャズの先駆者オーネット・コールマンのグループ出身のインプロヴァイザーたち（ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、エド・ブラックウェル）と結成したバンド“オールド・アンド・ニュー・ドリームス”からインスパイアされてのセッション。また本作のメンバー全員が個々に“オールド・アンド・ニュー・ドリームス”のメンバーをリスペクトしている点も忘れてはならない。ロン・マイルスは長年ドン・チェリーのプレイに影響を受けており、スコット・コリーはチャーリー・ヘイデンの門下生、ブライアン・ブレイドはエド・ブラックウェルと同じルイジアナ出身であり、そのアフロ的なプレイ・スタイルには大きな影響を受けている。

実力を兼ね備えた4人が有機的にインプロヴィゼーションを展開しながら、アグレッシヴかつ高い音楽性でアピールするオリジナル曲を全8曲収録。

過去を振り返るのではなく、むしろこの音楽によってジャズの未来を照らしてゆく。ジョシュア・レッドマンの快心作だ。

トラックリスト：
1.New Year
2.Unanimity
3.Haze and Aspirations
4.It's Not The Same
5.Blues For Charlie
6.Playing
7.Comme Il Faut
8.The Rest

レコメンド・ディスク：
オールド・アンド・ニュー・ドリームス

オールド・アンド・ニュー・ドリームスは1976年から1987年まで約10年間活動していたフリー・ジャズ・グループ。メンバーはデューイ・レッドマン（テナー・サックス）、ドン・チェリー（ポケット・トランペット）、チャーリー・ヘイデン（ベース）、エド・ブラックウェル（ドラムス）の4人。アルバムは4枚のリリースがあり、本作は1979年のECMデビュー作でセカンド・アルバム。12分以上にわたるオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」の鬼気せまる力演、アフロ・リズムあふれる「トーゴ」、捕鯨禁止へのメッセージ曲「ソング・フォー・ザ・ホエールズ」などを収録。