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8月24日公開:CLASSICバイヤーによるセレクト・アイテム〈CLASSICマスターズチョイス〉

2018年8月24日公開

クラシックマスターズチョイス

バーンスタイン生誕100年~自演盤に匹敵する最強の「シンフォニック・ダンス」!

2018年は、指揮者にして作曲家、ピアニスト、そして教育者だったレナード・バーンスタイン(1918.8.25-1990.10.14)が生まれて100年目にあたります。新宿店ではその記念に、ご協力を得てバーンスタインの貴重な写真などを集めたパネル展を開くことができました。その中に、最晩年のバーンスタインが1990年に札幌で創設した教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」の最初の年のポスターがありました。
バーンスタインは、偉大な指揮者である前に偉大な作曲家であろうとした人でしたし、その作品群を彼自身の指揮によってディスクで聴けるのはこの上ない喜びです。と同時に、バーンスタインの死後、師の遺志を継ぐがごとく、マイケル・ティルソン・トーマス(1944-)がPMFの継続・運営に尽力し、各所でバーンスタインの遺産を育む仕事に取り組んだことは特筆すべきものでした。ロンドン響を指揮したこのディスクには、まさにその気概あふれる渾身の成果が刻まれています。特に『ウエスト・サイド・ストーリー~シンフォニック・ダンス』での引き締まったテンポ、音の立ち上がりのキレなど、バーンスタインの自演盤を別格とすれば頭抜けた出来映え。加えて当盤の価値をさらに高めているのはカップリング曲です。『クワイエット・プレイス』組曲はバーンスタインが手塩にかけたオペラから編んだ作品で、彼の死後、当盤のコンビが初演しました。実に共感のこもった、音楽的にも緊密でバーンスタインらしさが横溢する内容です。また、名花フレデリカ・フォン・シュターデ(1945-)と、当時38歳のトーマス・ハンプソン(1955-)というすぐれた歌手たちによる『アリアと舟歌』(全8曲。英語歌詞)も貴重。美しい終曲「後奏」が残してくれる余韻といったら!歌詞対訳が理解を助けてくれます。作曲家としてのバーンスタインの業績を熱い意志で継承した必携の一枚です。

バーンスタイン: アリアと舟歌, ウェスト・サイド・ストーリー~シンフォニック・ダンス, 他

曲目
レナード・バーンスタイン:
1.アリアと舟歌
2.《クワイエット・プレイス》組曲
3.《ウェスト・サイド・ストーリー》から シンフォニック・ダンス

演奏
マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)
ロンドン交響楽団
フレデリカ・フォン・シュターデ(Ms)(1)
トーマス・ハンプソン(Br)(1)

録音
1993年9月 ロンドン

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バーンスタイン生誕100年~絶唱。バーンスタイン唯一の「モツレク」

レナード・バーンスタインの膨大なディスコグラフィの中から今回一枚取り出したのは、モーツァルトの『レクイエム』。
1988年7月ドイツ、バイエルン州のディーセンにあるクロスタープファル教会でのライヴ。バーンスタインの最晩年にあたる演奏のひとつです。亡き夫人、女優フェリシア・モンテアレグレ(1922-1978)の没後10年に際し、彼女に捧げられた録音でした。ジャケットの女性は、聖ジャンヌ・ダルクに扮したフェリシアの舞台姿です。当時彼女の死はバーンスタインに大きな打撃を与えました。没後10年に捧げられたこの演奏も、その痛烈な哀調と慟哭に満ちた表情で音楽が貫かれています。バーンスタイン自身最晩年にあって、自らの生の炎を燃やし尽くさんと欲するかのような彼の情念がまざまざと刻まれており、感受させる重みは言葉に尽くせません。ずっしりと遅いテンポ。抉り抜くような筆致。指揮者の心情を体現するバイエルン放送合唱団がひときわ素晴らしく、降り下りてくる雷鳴のようなオルガン音が冒頭で鳴り響く「レックス・トレメンデ」、まさに絶唱というべき「ラクリモーサ」、長いディミヌエンドで息絶えるように閉じる大団円などは、聴き手を強烈に揺り動かすインパクトがあります。バーンスタインのモーツァルト『レクイエム』の録音はこれが唯一。同時に収録された映像も必見。レナード・バーンスタインの記念の年にじっくりと触れたい一枚です。

モーツァルト:レクイエム <初回限定盤> [UHQCD]

曲目
モーツァルト:レクィエム ニ短調 K.626(バイヤー版)

演奏
レナード・バーンスタイン(指揮)
バイエルン放送交響楽団&合唱団
マリー・マクローリン(S)
フレデリカ・フォン・シュターデ(Ms)
ジェリー・ハドリー(T)
コルネリウス・ハウプトマン(Bs)

録音
1988年7月6日 ディーセン聖母マリア被昇天司教座教会(ライヴ)

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新宿店:森山 慶方

森山 慶方
所属
新宿店
名前
森山 慶方
趣味
音源チェック
書店巡り
ラグビー観戦(JRFUメンバーズクラブ会員)
声楽と指揮を楽しみレベルでまた再開したいなと夢想…
好きなジャンル
オケもの、オペラ・声楽曲、古楽
愛聴盤
  • フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル『シューマン:交響曲第4番』
  • ベルティーニ指揮ケルン放送響『マーラー:交響曲第3番』
  • クナッパーツブッシュ指揮バイロイト祝祭管 ワーグナー:舞台神聖祭典劇『パルジファル』

バーンスタイン生誕100年~1963年に発売されたオリジナルの小品集「ラテン・アメリカン・フィエスタ」

バーンスタインが1963年に発表した傑作アルバムで、このCDでは初めて米初出LPのオリジナル・ジャケット・デザインが蘇っています。これはバーンスタインが司会・演奏を務めたTV番組「ヤング・ピープルズ・コンサート」の番組収録と同時期に、同じテーマでセッション録音された、オーケストラによる20世紀中南米音楽紀行であり、その原色的な色彩や原始的なリズムをバーンスタイン&NYPがヴァイタルに演じています。
注目はソプラノ独唱付きでチェロ8本だけで伴奏する得意な編成をもったヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第5番。「G線上のアリア」の現代版のように美しい「アリア」と、南米の鳥の声を模した「踊り」からなる、エキゾチックで魅惑的な隠れ名曲です。バーンスタインはわざわざ米ヴァンガード専属だった「オーベルーニュの歌」の名盤で知られるイスラエル出身のソプラノ歌手、8か国語を操る才媛ネタニア・ダウラツを起用。彼女の真直ぐな美声と知的な歌唱は、官能的な色彩を撒き散らしつつサウダージな気分を見事に描き出し、聴き手を遥かなる異郷へと誘ってくれます。他の曲目も中南米の作品らしく、さまざまな打楽器がフィーチャーされ、色彩感に満ち、躍動感あふれるリズムが特徴的で、壮年時代のバーンスタインがエネルギー漲るダイナミックなメリハリで作品の醍醐味を存分に満喫させてくれます。

ブラジル風バッハ第5番&センセマヤ~ラテン・アメリカン・フィエスタ

曲目
ヴィラ=ロボス
1.ブラジル風バッハ第5番
(1)I.アリア(カンティレーナ)
(2)II.踊り(マルテロ)
カマルゴ・モザルト・グアルニエリ
2.ダンサ・ブラジレイラ(ブラジル舞曲)
レブエルタス
3.センセマヤ(マヤの夜)
オスカル・ロレンソ・フェルナンデス
4.バトゥーケ(「レイサド・ド・ポストレイオ」組曲、第3曲)
コープランド
5.ダンソン・クバーノ(キューバ舞曲)
チャベス
6.交響曲第2番「インディオ」
[ボーナストラック]
コープランド
7.エル・サロン・メヒコ

演奏
ネタニア・ダヴラツ(ソプラノ)[1]
カール・スターン(チェロ)[1]
ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン

録音
1963年2月6日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール(1-4、6)
1961年5月20日、ニューヨーク、マンハッタン・センター(5,7)

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【参考映像】TV番組「ヤング・ピープルズ・コンサート」より、
ダヴラツが歌うヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第5番

レナードバーンスタイン
レナード・バーンスタイン生誕100年記念特集はこちら!

 

当時30歳のデームスとVPOのヴェテラン奏者たちによる《ます》の隠れ名盤

今年の暑かった「夏」に関連して、夏の渓流を泳ぐ「ます」のあだ名がついたシューベルトの名曲、ピアノ五重奏曲「ます」をご紹介します。「陽気で牧歌的」(シャルパンティエ)なイ長調という調性も、夏の渓流のイメージをいよいよ強めています。ご紹介するCDはステレオLP初期から日本で親しまれてきたイェルク・デームス(1928~)とシューベルト四重奏団によるドイツ・グラモフォン盤です。シューベルト四重奏団というのは聞きなれない団体名ですが、実はウィーン・コンツェルトハウス四重奏団が1959年の録音時に用いた変名とのことです。当時、彼らはイギリスのピアニスト、デニス・マシューズと『ます』を米ヴァンガードにステレオ録音したばかりでした。同じ『ます』の録音で「ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団」の名を使うことができず、「シューベルト四重奏団」を名乗った、といのが真相でした。演奏は文字通り「自家薬籠中」のもので、彼らの流麗なフレージングや軽やかなリズム、ロマンティックな表情付けがすべて作品の情景にぴたりとはまった名演となっています。このCDは、2014年の本国アナログマスターからのリマスタリングによって、1959年のステレオがまるで昨日録音したばかりのような鮮明で瑞々しい音質に蘇っています。ちなみに、録音当時31歳だったデームスは、今年11月に90歳の現役ピアニストとして来日する予定となっています。

シューベルト: ピアノ五重奏曲「ます」, 楽興の時, 他<タワーレコード限定>

曲目
1. フランツ・シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 D667 『ます』
2. ヨーゼフ・ハイドン:アンダンテと変奏曲 ヘ短調 作品83 Hob.XVII:6
3. フランツ・シューベルト:楽興の時 作品94 D780

演奏
イェルク・デームス(ピアノ)
シューベルト四重奏団(ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団員)(1)

録音
1958年4月15-21日 ハノーファー、ベートーヴェンザール(3)
1959年3月13日 ベルリン、イエス・キリスト教会(2)
1959年9月5-7日 ミュンヘン、ヘラクレスザール(1) (ステレオ録音)

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最晩年の巨匠オイストラフとウィーンの名手スコダによる絶美のモーツァルト演奏

「夏」に関連して、夏の夕暮れを思わせる美しい開始部分をもった名曲をご紹介します。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ ト長調(第35番) K.379(373a)です。この曲の冒頭、ピアノの感慨深いアルペジョが響いただけで、たちまち部屋が夕暮れの雰囲気に包まれてしまいます。筆者がこの曲を知ったのは、広島での学生時代に、友人で現在音楽評論家として活躍している舩木篤也さんに、バリリ(1921~)とスコダ(1927~)によるLPレコード(ウェストミンスターG10524[廃盤])を聴かせてもらったときでした。1986年当時、日本ではウェストミンスターのモノラル時代の名盤がオリジナルジャケットで次々に復刻されていて、その中の1枚でした。スコダのピアノのゆったりとした呼吸感と、夕暮れを想うような深い眼差しに魅了されたのです。すぐにレコード店に買いに走ったのは言うまでもありません。その後、このレコードと同じピアニストのスコダが、ダヴィド・オイストラフ(1908~1974)とステレオで再録音していたことを知り、当時廃盤だったそのLPレコードを中古で入手してからは、このオイストラフ&スコダも愛聴盤となりました。いや、1972年の美しいステレオ録音のオイストラフ&スコダをを聴く機会の方が多くなったのです。それから約四半世紀…オイストラフ&スコダ盤はタワー企画盤のSACDとなりました。今年91歳となるスコダが、デームス同様、今なお現役のピアニストであるのも何という幸せでしょうか!一人でも多くのモーツァルト・ファン、ヴァイオリン・ファン、ピアノ・ファンにお聴きいただきたいと思います。

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ撰集<タワーレコード限定>

曲目
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
[DISC1]
1. ヴァイオリン・ソナタ ニ長調(第30番) K.306(300l)
2. ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調(第33番) K.377(374e)
3. ヴァイオリン・ソナタ ト長調(第35番) K.379(373a)
[DISC2]
4. ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調(第40番) K.454
5. ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調(第41番) K.481
6. 「羊飼いの娘セリメーヌ」による12の変奏曲 K.359(374b)
7. 「泉のほとりで(ああ、私は恋人を失くした)」による6つの変奏曲 K.360(374b)

演奏
ダヴィッド・オイストラフ(Vn) (1705年ストラディヴァリウス)
パウル・パドゥラ=スコダ(P) (ベーゼンドルファー)

録音
1972年6月7,15日 ウィーン

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【参考映像】モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454より
オイストラフ(ヴァイオリン)スコダ(ピアノ)

 

商品本部 洋楽部:板倉重雄

板倉重雄
所属
商品本部 洋楽部
名前
板倉重雄
趣味
レコード蒐集(SP~CD)、音楽書・美術書蒐集、野球観戦
愛聴盤
  • ヨゼフ・シゲティ、ミエチスラフ・ホルショフスキ『ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1&3番』
  • イェルク・デムス、バリリ四重奏団『シューマン:ピアノ五重奏曲、ピアノ四重奏曲』
  • ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団『シューベルト:弦楽四重奏曲第15番』

タグ : マスターズチョイス

掲載: 2018年08月24日 12:00