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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.8

ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテット『タイム・アウト』(1959)

DB

デイヴ・ブルーベック(p)
ポール・デスモンド(as)
ユージン・ライト(b)
ジョー・モレロ(ds)

1959 年6月25日、7月1日、8月18日、ニューヨークにて録音

曲目:
1.トルコ風ブルー・ロンド
2.ストレンジ・メドウ・ラーク
3.テイク・ファイヴ
4.スリー・トゥ・ゲット・レディ
5.キャシーズ・ワルツ
6.エヴリバディーズ・ジャンピン
7.ピック・アップ・スティックス

【アルバム紹介】
1.変拍子ジャズ名盤
2.5拍子の“テイク・ファイヴ”は大ヒット・ナンバー(作曲はアルト・サックスのポール・デスモンド)
3.80年代、CM曲としてオンエアされ認知度アップ

リー・モーガンの名曲“ザ・サイドワインダー”がヒットを記録する5年前にレコーディングされた、ジャズ史上の大ヒット・ナンバーの一つで知られている“テイク・ファイヴ”。
この曲が収録されているのは、デイヴ・ブルーベック・カルテットが1959年にリリースした、この『タイム・アウト』というアルバムです。

本作は“タイム(拍子)“を“アウト”、そのアルバム・タイトル通り、たいがいは4拍子で演奏されるジャズの曲を9拍子、6拍子、5拍子といった変拍子で演奏した楽曲ばかりを収録した非常にユニークなアルバムなのです。

中でも3曲目の“テイク・ファイヴ”はそのタイトルでおわかりのとおり、5拍子のナンバーで、その変拍子リズムに独特のリフを乗せることで、非常にキャッチーで、しかもスイング感にあふれた躍動的なリズム・アレンジになっているのが特徴です。そしてそこにポール・デスモンドのアルト・サックスのクールな音色が小粋で軽快なメロディを奏でてゆきます。この曲は1961年当時シングル曲としてビルボードのチャートを上昇、アダルト・コンテンポラリー部門で最高5位、ポップ・シングル部門で25位、アルバムはポップ・アルバムで最高25位と大ヒットを記録しました。

この曲を作曲したのはリーダーのデイヴ・ブルーベックと思われていることが多いのですが、実はアルト・サックスを吹いているポール・デスモンドの作曲です。デスモンドはこの4年後に、この曲の続編にあたる“テイク・テン”を作曲し、自身のリーダー作『テイク・テン』に収録しています。

“テイク・ファイヴ”は元々がヒット・ナンバーであり、名曲として有名でしたが、日本では’80年代後半に滋養強壮剤のCM曲としてオンエアされ、より多くの人に広まりました。ニューヨークのオフィス街と、そこに映る一人のビジネスマンの映像に曲が非常にマッチしており、ご記憶の方も多いのでは、と思われます。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
“テイク・ファイヴ“はマスト、もう1曲、“トルコ風ブルー・ロンド”をぜひお聴き下さい。

5拍子ジャズの名曲“テイク・ファイヴ”はそのタイトル通り、「5拍子で行こう」というものですが、本作の1曲目に収録の“トルコ風ブルー・ロンド”は9拍子のナンバーです。
「なぜ9拍子?」と思われるかもしれませんが、トルコの音楽には9拍子の曲が多い、ということから来ているのでしょう。また山下洋輔の曲で“クルディッシュ・ダンス”という曲がありますが、それもトルコからインスパイアされた9拍子のナンバーで知られております。
“トルコ風ブルー・ロンド”はちょっとカクカクとした独特のメロディ・ラインによるテーマが特徴で、ポール・デスモンドのサックス・ソロが入ってくると妙にニューヨーク風になる変化が面白いです。この曲を聴いて思い出すのは、70年代のアメリカ映画『グリニッジ・ヴィレッジの青春』。俳優、画家など芸術を目指す若者たちを描いた作品で、この曲が印象的に使われており、ニューヨークの雰囲気を上手に伝えていました。
ところで“テイク・ファイヴ”はヴォーカル・バージョンがあるのはご存じでしょうか 代表的なものは以下の通りです。作詞はデイヴ・ブルーベックの奥さんによるものです。

1961年
カーメン・マクレエ、デイヴ・ブルーベック/テイク・ファイヴ(コロムビア)
※ニューヨークのクラブ「ベイズン・ストリート」でのライヴ録音

1977年
アル・ジャロウ/ルック・トゥ・レインボウ(邦題:ライヴ・イン・ヨーロッパ)(ワーナー・ブラザーズ)
※ヨーロッパにてライヴ録音

Blu-spec CD2国内盤(一般普及盤)

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2018年12月28日 10:00