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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.10

アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズ『モーニン』(1958)

AB

リー・モーガン(tp)
ベニー・ゴルソン(ts)
ボビー・ティモンズ(p)
ジミー・メリット(b)
アート・ブレイキー(ds)

1958年10月30日録音

曲目:
1.モーニン
2.アー・ユー・リアル
3.アロング・ケイム・ベティ
4.ドラム・サンダー組曲
5.ブルース・マーチ
6.カム・レイン・オア・カム・シャイン

【アルバム紹介】
1.本当のアルバム・タイトルとは?
2.アート・ブレイキーは昭和の日本のファンキー・ジャズ・ブームの立役者
3.大ヒット名曲”モーニン

前回紹介いたしましたカーティス・フラーは、1960年代の初頭、アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズがクインテットからトロンボーンを加えたセクステットに編成を広げた際に活躍したメンバーでした。そのアート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズの代表盤といえば『モーニン』です。

このアルバム・タイトルの意味は“morning”(朝)のことではなく、“moaning”(うめき声)。また本当のアルバム・タイトルは『アート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズ』で、ジャケットをよく見てみると、どこにも“モーニン”の文字がないことに気づかされます。一般的にはこの1曲目“モーニン”のヒットにより、いつしかそれがアルバム・タイトルとして呼ばれるようになった、とされています。

アルバムから聴こえてくる音は、日本人にとっては「これぞハードバップ、これぞブルーノート・サウンド!」というもの。日本のファンキー・ジャズ・ブームが吹き荒れた昭和30年代、まさにそのきっかけを作ったのがこのアート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズでした。1961年の初来日時は空港でのファンからの熱狂的な歓迎ぶりに本人たちが一番驚いたというエピソードもあります。

そして当時の世の中の現象を表す、ジャズ評論家油井正一氏の言葉「そば屋の出前持ちまでもが”モーニン”を口ずさんだ」といわれるほど、“モーニン”は大ヒットしました。作曲したのはピアノのボビー・ティモンズ。最初にピアノでフレーズを投げかけ、続いて他の楽器がそれに応えるようにフレーズを返すコール&レスポンスのブルージーなメロディとアート・ブレイキーのアーシーなドラミングがマッチした見事な名曲といえます。
NHKの教養番組『美の壺』はブルーノート系のジャズがBGMですが、テーマ曲には“モーニン”が使用されています。

またブレイキー自身は親日家として知られていましたが、音楽シーンでアコースティック・ジャズ回帰が始まった1980年代後半から開催された、山中湖で“夏の風物詩”として親しまれたマウンド・フジ・ジャズ・フェスティヴァルには毎度のように出演し、ジョージ川口とのドラム合戦などでオーディエンスを沸かせました。
アート・ブレイキーは1990年に惜しくも無くなりましたが、ジャズ・メッセンジャーズを通して数々のモダン・ジャズ期のスター・プレイヤーを世に送り出しました。ウェイン・ショーター(ts)、ベニー・ゴルソン(ts)、マルサリス兄弟、フレディ・ハバード(tp)、テレンス・ブランチャード(tp)、カーティス・フラー(tb)等々。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
“モーニン“はマスト、他ベニー・ゴルソン作曲の2曲も。

“モーニン“とそば屋の関係は先述の通りですが、そんなエピソードがあるゆえ、この曲を聴くと、なぜか昭和30年代の高度経済成長期の日本の活気ある世の中の情景が見えてくるような気がいたします。ロックが登場する前の時代の最先端の洋楽だったと想像できます。
アルバム中この“モーニン”はヒット曲ですが、他にもいい曲があります。 名コンポーザーとしても有名なテナーマンのベニー・ゴルソンが本作は参加しております。
アルバム中、6曲中4曲を作曲しており、そのうち、“アロング・ケイム・ベティ”、“ブルース・マーチ”の2曲はゴルソンの名曲として広く知られております。
“アロング・ケイム・ベティ”はシンプルなメロディと、陰影のある洗練されたハーモニーがどこか都会的なサウンドを響かせます。“ブルース・マーチ”はタイトルのごとく“行進曲”をイメージしたと思われる曲調ですが、これが先述のマウント・フジ・ジャズ・フェスでのアート・ブレイキーのステージではきまって披露され、毎度毎度オーディエンスを熱狂の渦に巻き込んでいました。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年01月18日 10:00