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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.17

アート・ペッパー『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』(1957)

AP

アート・ペッパー(as)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1957年1月19日 ロサンジェルスにて録音

曲目:
1.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
2.レッド・ペッパー・ブルース
3.イマジネーション
4.ワルツ・ミー・ブルース
5.ストレート・ライフ
6.ジャズ・ミー・ブルース
7.ティン・ティン・デオ
8.スター・アイズ
9.バークス・ワークス

【アルバム紹介】
1.西のペッパーと東のマイルス・クインテットのリズム・セクションによる一大共演盤
2.初共演、たった1日のセッションで生まれた奇跡の名レコーディング
3.コンテンポラリー・レーベルの優秀録音アルバム

前回ご紹介したピアニストのレッド・ガーランドは、1955年から1958年まで、マイルス・デイヴィスのクインテットのメンバーで、ベースのポール・チェンバース、ドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズとともにバンドの“リズム・セクション”でした。その名“リズム・セクション”とアルト・サックス1本で共演しているのがアート・ペッパーで、生まれた傑作がこの『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』です。

ウエストコーストで活躍するペッパーとイースト・コーストで活躍するマイルス・クインテットの最強の“リズム・セクション”が織りなす一大セッションは一見ゴージャスに見えますが、実際にはヘロイン中毒だったペッパーの復帰のためにコンテンポラリー・レーベルのオーナー、レスター・ケーニッヒが画策した企画だったこと、またペッパーはこの“リズム・セクション”のメンバーとはレコーディング時が初顔合わせだったこと(そのせいでペッパーはナーバスになっていた)、そして、アルバム製作のために用意された時間はたった1日、というものでした。しかし、そのことが逆にいい緊張感をもたらし、結果は大成功、50年代のモダン・ジャズの名レコーディングの一つとなったのです。

楽曲はスタンダードとオリジナル3曲を織り交ぜた全9曲。まずはコール・ポーター作曲の“ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ”で始まり、“ジャズ・ミー・ブルース”といったオールド・スタンダード、そして名曲“スター・アイズ”も取り上げています。オリジナルの3曲は“レッド・ペッパー・ブルース”がペッパーとガーランドの共作、“ワルツ・ミー・ブルース”がペッパーとチェンバースの共作、そして“ストレート・ライフ”がペッパー自身によるナンバーとなっています。

お聴きになるとわかりますが、アート・ペッパーのアルト・サックスのトーン、フレージングはウエストコーストのミュージシャンらしく、極めてライトな感覚があり、どこか人間的な温もりを感じるものです。そんなことが良く伝わってくる理由として、本作がもともと優秀録音盤として名高いことと無関係ではありません。コンテンポラリー・レーベルの名エンジニア、ロイ・デュナンによる名録音であり、その昔はジャズ喫茶ではオーディオ・チェック用としてこのアルバムが使われていたのは有名な話です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名曲“ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ”のインスト名演の極めつけ。

コール・ポーター作曲の名曲“ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ”(邦題“帰ってくれたら嬉しいわ”)はこのコーナーでかつて紹介したヘレン・メリルのクリフォード・ブラウンとの共演盤での演奏が、“ヴォーカル”版としては有名です。そのインストゥルメンタル版でおススメするとなると、このペッパーの演奏がまず第一に挙げられます。
西海岸派のライトなアルト・サックスと、東海岸派のどっしりとしたスイング・ビートの組み合わせが見事な相乗効果を生んでおり、楽曲の新しい魅力を引き出した名演となっています。
アート・ペッパーはそのライト・タッチのプレイゆえ、日本では非常に人気のあったサックス奏者であり、1977年に初来日公演を行いましたが、その時、郵便貯金ホールでの公演の模様はアルバムとなり、『ファースト・ライヴ・イン・ジャパン』というタイトルでリリースされ、その後CD化の際に『トーキョー・デビュー』というタイトルで再発されました(現在は廃盤)。

SHM-CD国内盤(一般普及盤)

 

UHQCD x MQA-CD国内盤

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年03月08日 12:30