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〈タワーレコードが平成ミュージックムーヴメントから振り返る10枚+α〉渋谷系編

平成から令和へ

渋谷系とは…
90年代初頭に巻き起こった渋谷を中心とした外資系レコード店の出店ラッシュを背景に、新旧問わず多様な音楽にアクセスできるようになった若者がディープな音楽リスナーとなり、後にプレイヤーとしてデビューしていく。やがて、メジャーなシーンとは一線を画したセンスを持ったアーティストが同時多発的に登場するムーヴメントが花開いていく。〈渋谷系〉とはそのムーヴメントの総称である。ムーヴメントの端緒は諸説あるが、渋谷系という言葉が現場で目立ち始めたのは、フリッパーズ・ギター解散後にCorneliusがファースト・シングル“THE SUN IS MY ENEMY 太陽は僕の敵”をリリースした93年以降であり、97年のカジヒデキのファースト・アルバム『MINI SKIRT』の大爆発を契機に終息へ向かっていく。ファッションやデザイン、雑誌などカルチャー全般を巻き込みながら、小山田圭吾が主宰した〈Trattoria〉や〈Crue-L〉〈Escalator〉などの良質なインディー・レーベルからリリースされる作品を中心に、レア・グルーヴ、アシッド・ジャズ、ギターポップ、ヒップホップ、ハウス、スウェディッシュ・ポップなど多岐に渡るジャンルを折衷した傑作が多数リリースされる。実質的には4~5年のムーヴメントにも関わらず、アンダーグラウンドとオーバーグランドのはざまで豊かな音楽文化が花開いた。

 

●バイヤー厳選!現在CDで購入可能な渋谷系を振り返る10枚

Pizzicato Five『月面軟着陸』

〈渋谷系〉時代におけるピチカートの名盤といえば『ボサ・ノヴァ2001』(93年)、『Overdose』(94年)なんですが、どちらも現在廃盤ですので、ここでは90年のベスト的なリミックス/リアレンジ作品を紹介。無数のインタールードを挟みながら既成曲が新たなコンセプトで提示されていく構成で、ここにある圧倒的に洗練されたポップスは静かな過激さを纏っている。

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フリッパーズ・ギター『シングルズ』

直接的には〈渋谷系〉とは関係ありませんが、後のそれを準備したグループによるシングル集。“ラブ・トレイン”“スライド”“ラブ・アンド・ドリームふたたび”などオリジナル・アルバム未収録の重要ナンバーも必聴。同名のネオアコ・バンドへの敬意を滲ませながらも、冒頭の“フレンズ・アゲイン”などは彼ら随一の直球振りが聴けるので、やはりこれは聴き逃し厳禁。

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オリジナル・ラブ『EYES』

〈渋谷系〉全盛以前の、フリッパーズが解散した91年にメジャー・ファースト・アルバム『LOVE! LOVE! & LOVE!』をリリースして、衝撃の登場を果たした田島貴男。本作は93年の〈渋谷系〉の盛り上がりのど真ん中に投下されたサード・アルバム。鮮烈なポップ・シングル“サンシャインロマンス”以外は攻めた内容で、次作『風の歌を聴け』(94年)に連なるラテン風味や参加している吉田美奈子などにも通じる和製ファンクの要素が田島の圧倒的なヴォーカルで束ねられた超充実作。

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小沢健二『LIFE』

〈渋谷系〉が生み出した最大のアンセム“今夜はブギー バック”を収録した94年の鬼名盤。スライ作品からの引用であるジャケデザインをはじめ、70年代ソウルやクラシックロックからのインスパイアが散りばめられながら、徹底してポップかつアッパーに振り切った内容は、それまでのオザケンのイメージを大きく裏切りながらも、後に紅白まで出場してしまうオーバーグランドな支持へと繋がっていった。

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サニーデイ・サービス『東京<通常盤>』

〈渋谷系〉後期に滑り込んだ96年の名盤。店舗でこのジャケがズラッと面出しされた光景は〈渋谷系〉を象徴するものかしれない。フリッパーズに影響を受けた曽我部恵一が、膨大な音楽にアクセスした末に辿りついた、はっぴいえんどをはじめとした日本語ロック・バンドたち。本作では90年代を生きる若者のヒリヒリとした心象風景を、70年代日本語ロック・バンドの意匠に託した音像が広がり、ほぼノンプロモーションながらオリコン上位に食い込む大きな支持を得た。

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TOKYO No.1 SOUL SET『Grinding Sound [CD+DVD]』

川辺ヒロシの想定の斜め上をいくサンプリングとBIKKEのポエトリー・リーディング、渡辺俊美のエモーション溢れる歌が織りなす、突然変異音楽。それがTOKYO No.1 SOUL SETだ。〈渋谷系〉後期にリリースされた彼らの重要盤といえば『TRIPLE BARREL』(95年)、『Jr』(96年)ですが、現在は廃盤ですので、ここでは2012年リリースの作品を紹介。〈東京〉をテーマにしたということで、どことなく初期作に通じる手応えのある本作は、彼らの不変の魅力が全開の熱い内容。

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かせきさいだぁ『かせきさいだぁ≡』

元々は95年にインディーズにてリリースされたファースト・アルバム〈のちにメジャーより96年に再発〉。ヒップホップに、ギターポップやはっぴいえんど、梶井基次郎などの近代日本文学のイディオムを大胆に投入した文学的なライムが新鮮極まりない印象を残す永遠のマスターピース。“じゃっ夏なんで”はPUNPEEがライヴで取り上げるなど不朽のサマー・アンサムとして定着。

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NEIL& IRAIZA『TIMELESS MELODIES』

Learners他の松田岳二とCorneliusのサポート等でもお馴染みの堀江博久によるユニット=NEIL& IRAIZA。96年に〈Escalator〉から放たれたファースト・ミニ・アルバム『I LOVE NY』及び97年のフル・アルバム『JOHNNY MARR?』がもたらした静かな衝撃はエポック。ここでは、そんな彼らのまさかの15年振りの復活作を紹介。いわゆるギターポップの範疇にある音楽性だが、ファジーでモヤのかかった音像の向こうから聴こえてくる鋭利でソリッドな感覚は、当時のままである。

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カジヒデキ『ブルーハート』

カジヒデキといえば渋谷系を終わらせた(?)ともいわれる96年のファースト・アルバム『MINI SKIRT』ですが、残念ながら現状廃盤ですので、ここでは2012年の傑作を紹介。『MINI SKIRT』では当時隆盛を極めていたスウェディッシュ・ポップを取り入れた爆発力溢れるポップ・サウンドを展開していたが、本作ではBridge時代にも通じるネオアコ、60年代ポップを中心に、スカやサーフ・ミュージックなどルーツに回帰した清涼サウンドが満載。現在も精力的に活動を続ける彼が奇跡的に保っているフレッシュさは異常。

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Rocketship『A Certain Smile, A Certain Sadness 』

〈Trattoria〉内のサブレーベルより96年にリリースされた渋谷系後期を代表する洋楽名盤。鍵盤とギターの絡み合いから生まれるうっとりするほどドリーミーな音像と甘いメロディーは、今も一切色褪せない輝き。シューゲイザーというより、良質なサイケ・ポップとして聴ける普遍の桃源郷盤です。こちらは2017年の再発盤です。

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●平成~令和へその音楽の系譜を受け継ぐアーティストをピックアップ

Orangeade『Broccoli is Here』

本人たち的には〈渋谷系を継承する〉つもりはないでしょうけども、〈次代を担う〉という意味ではOrangeadeを挙げないでスルーすることはできないはず。カメラ=万年筆の活動の他、〈ムッシュレモン〉名義での婦人倶楽部等のプロデュースも手がける佐藤望、天才SSW=大沢建太郎(ex北園みなみ)、フレッシュな才能=黒澤鷹輔から成るトリオである彼ら。凡百には足元にも及ばないポップス・エリートとしての強固な地肩から放たれる複雑ながらも洗練された楽曲群は、渋谷系時代でいえばキリンジなどの姿とダブる。

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平成から令和へ

タグ : 平成の一枚

掲載: 2019年04月26日 11:30