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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.40

ウエイン・ショーター 『ジュジュ』(1965)

WS

ウエイン・ショーター(ts)
マッコイ・タイナー(p)
レジー・ワークマン(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1964年8月3日録音

曲目:
01.ジュジュ
02.デリュージ
03.ハウス・オブ・ジェイド
04.マージャン
05.イエス・オア・ノー
06.12モア・バーズ・トゥ・ゴー

【アルバム紹介】
1.ワン・ホーン・カルテット作で、バックは全員コルトレーン・グループのメンバー
2.独特のメロディ感覚、コード進行、リズムを持った、自身によるオリジナル
3.女性シンガーのJUJUの名前の由来

「名盤請負人」ピアニスト、トミー・フラナガンの初リーダー作『オーヴァーシーズ』の中で、巧みなブラシワークで表現力抜群のドラミングを聴かせているエルヴィン・ジョーンズについて前回ちょっと触れました。
エルヴィン・ジョーンズはジョン・コルトレーン・カルテットのレギュラー・メンバーとして数々の傑作に関わったレジェンド級のドラマーですが、そのカルテットのフロントのコルトレーンを除いた3人、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン(b)とエルヴィンがそっくりそのまま参加した“ワン・ホーン・カルテット”で聴かせているブルーノート・レーベルの傑作がテナー・サックスのウエイン・ショーターの本アルバムです。

ウエイン・ショーターは新主流派のスタイルを体得したプレイ・スタイルと、ずば抜けた作曲能力を合わせ持ったテナー・サックス奏者で、本作をレコーディングした後、マイルス・デイヴィス・クインテットに加わり、世にいう60 年代の“黄金のクインテット”の一員として活躍してゆくことになります。

さて、アルバムに話を戻しますと、ここで取り上げている楽曲はすべてウエイン自身のオリジナル曲で、独特のメロディ感覚、コード進行、リズムを持ったウエインらしいナンバーがそろっています。 タイトル曲“ジュジュ”は8分の6拍子のビート、ナイトリーなメロディを感じさせる“ハウス・オブ・ジェイド”、エルヴィンのドラムスで始まるタイトルがユニークな“マージャン”、そして60年代初頭のコルトレーンの楽曲を思わせる“イエス・オア・ノー”。どの曲もソロを含め、カルテットとしての濃密な演奏が楽しめます。

今は非常に有名な話になっておりますが、このアルバムの存在が一人の日本人女性シンガーの誕生につながりました。それが“やさしさで溢れるように”、“この夜を止めてよ”などのヒットで知られるJUJUです。
彼女はその昔、ジャズ・シンガーを目指してNYで活動。そんな時に出会ったのがこのアルバムでした。その音楽はその当時、彼女が抱えていた悩みを一掃してくれるほど影響力があり、そこにあやかりたいと、アルバム名を自身のアーティスト・ネームにしたという経緯があります。

ウエイン・ショーターは70年代になると、ウェザー・リポート結成により、徐々にフュージョン、ブラジルに傾倒した活動になってゆきますが、その中でスティーリー・ダンのレコーディングへの参加など異ジャンルでの名プレイも存在します。1977年のアルバム『彩(エイジャ)』のタイトル曲で、スティーヴ・ガッドのドラム・ソロの上、存在感たっぷりのテナー・ソロを聴かせています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
躍動感あふれる“イエス・オア・ノー”。

ウエイン・ショーターはコンポーザーとしての非凡な才能を持ったサックス・プレイヤーであり、自身のアルバムからは“フットプリンツ”、“アナ・マリア”、マイルス・デイヴィスのバンドに在籍時は“ネフェルティティ”、“E.S.P.”、“フォール”、そしてその後のウェザー・リポート時代には“エレガント・ピープル”、“プラザ・リアル”など名曲を数々世に送り出しています。
本作はそんなウエインのオリジナル曲の魅力がギッシリ詰まった名盤で、タイトル曲もいいのですが、あえて挙げるとすると、この躍動感あふれる“イエス・オア・ノー”。
コルトレーンの名曲“ジャイアント・ステップス”のような快速なスイング・ビートを持ち、ウエインのブロウが堪能できる名トラックです。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年08月23日 11:00