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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.41

V.S.O.P. ザ・クインテット 『ライヴ・アンダー・ザ・スカイ伝説』(1979)

VSOP

フレディ・ハバード(tp)
ウエイン・ショーター(ts)
ハービー・ハンコック(p)
ロン・カーター(b)
トニー・ウィリアムス(ds)

1979年7月26日 東京・田園コロシアムにてライヴ録音

曲目(オリジナル・アルバム発売時):
01.ワン・オブ・アナザー・カインド
02.ティアドロップ
03.ピー・ウィー
04.パラ・オリエンテ
05.フラジャイル
06.ドーモ
07.ステラ・バイ・スターライト/オン・グリーン・ドルフィン・ストリート

【アルバム紹介】
1.V.S.O.P.= Very Special Onetime Performance
2.マイルス・デイヴィスをフレディ・ハバードにチェンジした最強のクインテット
3.“雨の田園コロシアム”で名高い東京でのライヴ・レコーディング

1976年、フュージョン全盛時代にそれぞれの活動で人気を誇ったトップ・プレイヤーたちが、アコースティックなセッティングで行う、たった一度のライヴのために集まりました。それゆえ、このクインテットはV.S.O.P.(= Very Special Onetime Performance)ザ・クインテットと名付けられ、そのパフォーマンスがあまりに素晴らしかったため、その後数年に渡って活動することになりました。

メンバーは、マイルス・デイヴィスの60 年代の“黄金のクインテット”の中でマイルス・デイヴィスがフレディ・ハバードにチェンジしただけの最強のクインテットというもので、サックスは前回紹介したウエイン・ショーター、ピアノはハービー・ハンコック、ベースはロン・カーター、ドラムスはトニー・ウィリアムスという面々となっています。本作は1979年に東京の田園コロシアムで行われた彼らの伝説のライヴ・パフォーマンスを収録したものです。

このライヴが伝説化した大きな理由は当日、局所的な大雨の中で行われたということ。“ライヴ・アンダー・ザ・スカイ”というのは、その名のとおり、野外で行うジャズ・フェスの呼び名であり、その後よみうりランドに場所を移し、1992年まで続いたビッグイベント。野外ライヴに雨は最悪の事態でもありますが、その逆境を押しての熱演ゆえ、演奏者と聴衆が一体となる最高のシチュエーションを生み出し、後世に語り継がれるものとなったのです。

メンバー全員、コンポーザーとしての才能を持ち合わせ、オリジナル曲を持ち寄ってのパフォーマンスはまさにこの時代が求めるジャズそのものを体現しており、ここで聴かれる音楽は彼ら以外のミュージシャンでは当時成しえなかった素晴らしいものです。

なお、その後、CDの時代になると、当日の演奏の午前・午後のパフォーマンスを完全収録し、よりリアルな当日のパフォーマンスを堪能できるようになりました。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
“ステラ・バイ・スターライト/オン・グリーン・ドルフィン・ストリート”の謎。

メンバーのオリジナル曲の演奏がメインの本アルバムの中で、ラストに収録されているこの曲だけはスタンダード・ナンバーのメドレーとなっており、アンコールでウエイン・ショーターとハービー・ハンコックのデュオによって演奏されたものです。
実はこの曲、当初の予定では、“オン・グリーン・ドルフィン・ストリート”をやる予定で、両者がステージにあがったのですが、ハービーのピアノのイントロに続いて、ウエインが吹き出したのはなぜか全く別の曲“ステラ・バイ・スターライト”のメロディでした。当然、伴奏していたハービーは一瞬、戸惑ったようでしたが、瞬時に機転をきかせて、バッキングを合わせたという、ちょっとしたハプニングが収録されている、というのも本作の聴きどころになっています。
それにしてもこのアルバムでの演奏レベルの高さと聴衆の熱狂ぶりは、70年代に行われたアコースティック・ジャズの最高の瞬間をとらえており、同時にジャズ・フェスの醍醐味を存分に伝えてくれるものになっています。

国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年08月30日 10:30