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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.42

ザ・グレイト・ジャズ・トリオ『アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(1977)

GJT

ハンク・ジョーンズ(p)
ロン・カーター(b)
トニー・ウィリアムス(ds)

1977年2月19、20日ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音

曲目:
01.ムース・ザ・ムーチ
02.ナイーマ
03.フェイヴァーズ
04.12+12

【アルバム紹介】
1.70年代に誕生した“グレイト”なメンバーによるピアノ・トリオ
2.日本の名プロデューサーによって完成したNY名門クラブでのライヴ盤
3.熱演は時に10分を超える素晴らしい邂逅の瞬間を捉えたドキュメント

前回紹介したVSOPクインテットは、各人がソロでも活動する豪華メンバーが集まったものでした。そのリズム・セクションであるベースのロン・カーターとトニー・ウィリアムスはもともとマイルス・デイヴィスの60年代の黄金のクインテットのメンバーでしたが、それ以外ではピアニストのハンク・ジョーンズの70年代のピアノ・トリオである、ザ・グレイト・ジャズ・トリオのメンバーとしても活躍しました。

本作はニューヨークの名門ジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴを収録した名盤で、レーベルは日本のイーストウィンド、日本のジャズ界の名プロデューサーの伊藤潔氏、伊藤八十八氏によって制作されたアルバムです。
録音が行われた1977年はジャズといえばフュージョンが最先端の時代でしたが、その中で数少ないストレート・ジャズの名盤として名高い一枚です。

ここに収録された楽曲はチャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンの有名なナンバーと、作編曲家で知られるクラウス・オガーマン、そしてベースのロン・カーターのオリジナル曲の計4曲。
ベテランの風格で聴かせるハンク・ジョーンズと、存在感あるベースで支えるロン・カーター、そしてダイナミックで奔放なドラミングで盛り上げるトニー・ウィリアムスという3人の演奏は時に10分を超える熱演を聴かせ、素晴らしい邂逅の瞬間を捉えたドキュメントになっています。

このザ・グレイト・ジャズ・トリオはメンバーを変えながらも、ハンク・ジョーンズのライフワークとして、2010年に彼が91歳で亡くなるまで続きました。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
6分間で中身の濃い “ムース・ザ・ムーチ”。

イントロのドラムの切れ味抜群のシンバルワークから、この曲の主役はトニー・ウィリアムスでは?と思わせられるプレイが聴けます。チャーリー・パーカーの名曲であり、続いてハンク・ジョーンズによる軽快なテーマとソロが始まりますが、その後に来るトニー・ウィリアムスのドラム・ソロも圧巻。楽曲としてはこのアルバムの中で一番短くまとまった演奏ながら、中身は十分濃く楽しめます。おそらく、ドラムスが際立って聴こえるように思うのは、プロデューサーの伊藤八十八氏の”ドラムス好き”のテイストが出たからでしょう。
ハンク・ジョーンズは親日家で、度々来日もしており、90年代にはパナソニックのCMに出演し、その時の名セリフ「ヤルモンダ!」により、ある世代にはとても有名です。また、個人的なお話になりますが、2000年代になってタワーレコード渋谷店に来店されたことがありました。ザ・グレイト・ジャズ・トリオの新譜がリリースされた直後のことで、店頭でそのアルバムを見ているお客様に、ご本人自ら声をかけられて、ビックリされつつもお買い上げになった方一人一人のCDジャケットにサインを差し上げる、というサービス精神旺盛な一面を見せてくださいました。人間的にも“グレイト”な方でした。

国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年09月06日 14:00