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Gaby Moreno(ギャビー・モレノ)とVan Dyke Parks(ヴァン・ダイク・パークス)コラボレーション・アルバム『!SPANGLED!』

Gaby Moreno(ギャビー・モレノ)Van Dyke Parks(ヴァン・ダイク・パークス)コラボレーション・アルバム『!SPANGLED!』

グアテマラ生まれのシンガー・ソングライター、ギャビー・モレノと、革新的なアレンジと高い音楽性で独自のスタイルを築き上げてきた奇才プロデューサー/ソングライター/アレンジャー、ヴァン・ダイク・パークス。その二人によるコラボレーション・アルバム『!SPANGLED!』がNONESUCHより発売となる。

中米グアテマラに生まれたギャビーと、北米ミシシッピに生まれたヴァン・ダイク・パークス。共に現在はロサンゼルスを拠点に活躍している二人が今作で取り上げるのは、“アメリカ大陸で生まれた”楽曲たち。アルバムに収録されている10曲には、パナマのボレロや、ブラジルのボサノヴァ、そしてアメリカ南西部の哀歌などがセレクトされている。アルバムから先行トラックとしてリリースされているのは、トリニダード・トバゴのソングライター、デヴィッド・ラダーの「The Immigrants」、そして、ライ・クーダー、ジョン・ハイアット、ジム・ディッキンソンがウィリー・ネルソンの同名アルバムの為に作った「Across The Borderline」。ちなみにこの曲には、ライ・クーダーとジャクソン・ブラウンもフィーチャーされている。

アルバムの選曲についてギャビーはこのように語っている。「私たちはラテン・アメリカの曲ばかりにしたくなかった」さらに彼女はこう続ける。「北米の曲も選んでいいと思った。私は(北米も中南米も)アメリかという一つの大陸として見ている。北米とラテン・アメリカを一つにすることは、自分にとってとても大切なことなの――さらに現在起こっている移民についての厳しい政治的状況を考えても、とても重要なことだと思う」

実は、ギャビーとヴァン・ダイク・パークスが初めて共演したのは、10年以上も前のことだった。ロサンゼルスのラーゴで共演した時について、ギャビーはこう振り返る。「その時、こうした音楽をどれほど愛しているか、そして一緒にコラボレーションが出来たらどんなに良いか、長い時間を掛けて話したの」その出会いがきっかけとなり、二人はメールで音楽のやりとりをし始めるようになったという。「彼は、私が全く聴いたこともなかったラテン・アメリカの楽曲を送ってきたりして、私が知っているべきであった様々な音楽に触れさせてくれた。そして気づいたら、10曲出来上がっていたのよ」

またヴァン・ダイク・パークスは、2010年7月4日にデンマークで開催されたヨーロッパの老舗フェスティヴァル、ロスキレ・フェスティバルに招かれたとき、オーケストラとギャビー・モレノとの共演を希望したという。「この時、私は演奏する楽曲をパン・アメリカ(汎米)で行こうと考えた。私は”醜いアメリカ人”が出てくる前の時代を表現したかったのだ」彼はその時のセットについてそう語っている。その後、二人がこの時の楽曲を再び演奏する為にスタジオに集まった時、ヴァン・ダイクはライ・クーダーにグラント・ガイスマン、リーランド・スカラー、ジム・ケルトナー、ジャクソン・ブラウンを始めとするミュージック・シーンのベテランたちに、ストリングスと管楽器のアンサンブル、さらにマリンバ奏者のマット・クックに声を掛けたのだった。そうして本作、『!SPANGLED!』が完成したのだった。

この時代だからこそ聴きたい、聴かせたい、美しくロマンティックなアメリカン・ミュージック。見えない壁も国境も超えたところにある音楽を通し、今アメリカを取り巻く問題について考えさせる、深く美しいアルバム、それが本作『!SPANGLED!』なのだ。

 

【収録曲】
01. Across the Borderline (feat. Jackson Browne)
02. Alma Llanera
03. The Immigrants
04. Historia de un Amor
05. Nube Gris
06. I'll Take a Tango
07. Esperando Na Janela
08. El Sombrerón (Revisited)
09. O, Cantador
10. Espérame en el Cielo

Gaby Moreno(ギャビー・モレノ)Van Dyke Parks(ヴァン・ダイク・パークス)

掲載: 2019年10月15日 11:05