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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.49

タル・ファーロウ『タル』(1956)

TF

タル・ファーロウ(g)
エディ・コスタ(p)
ヴィニー・バーク(b)

1956年6月5日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.ロマンチックじゃない?
02.ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラヴ
03.ハウ・アバウト・ユー
04.エニシング・ゴーズ
05.イエスタデイズ
06.恋の味を御存知ないのね
07.チャックルズ
08.ブロードウェイ

【アルバム紹介】
1.モダン・ジャズ期を代表する速弾きジャズ・ギタリスト
2.“オクトパス”と呼ばれた神ワザ奏法
3.ドラムレス編成のトリオでスイング

前回のソニー・クリスのアルバムに参加していたギタリスト、タル・ファーロウの代表的なアルバムをご紹介します。

タル・ファーロウは1921年ノースカロライナ州に生まれたジャズ・ギタリストで、40年代から本格的に活動をはじめ、50年代に入ると優れたジャズ・ギター・アルバムを数々リリースしました。
そのプレイは、モダン・ジャズ期を代表する速弾きジャズ・ギタリストとして知られており、卓越した演奏技術が大きな特徴でした。
フレットボードの上を広く、スピーディーに指が動き回る様は“オクトパス”というニックネームがつき、タル・ファーロウの“神ワザ”的な奏法として認知されました。また、人工ハーモニックスを駆使した奏法など、他のジャズ・ギタリストにはあまり見られない独特のアプローチも人気の秘密といえます。

本作はピアノにエディ・コスタ、ベースにヴィニー・バークというドラムレスのトリオで、50年代の半ば頃から数年に渡ってタル・ファーロウが自身のレギュラー・トリオとしていたメンバーでの演奏になっており、全曲スタンダード曲を取り上げています。ドラムスがいないと、バラード調の演奏が多くなりがちですが、このトリオはリズミカルなパッセージを発することで、スインギーな演奏を展開しています。

タル・ファーロウを聴くと、ギターという楽器は速く弾けるとやっぱりカッコいい、ということが、昔も今も全然変わらないことに気づかされます。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
技巧的なプレイが光る“イエスタデイズ”。

タル・ファーロウはやはり速弾きを聴いてこそ、その神髄がわかるというもの。
本作の中でまずこのスタンダード・チューンを聴いてみるとよいでしょう。
イントロから駆け上がっては下るフレーズが連続、その後テーマもそこそこにソロに移り、弾き飛ばすように音が次から次へと繰り出され、ピアノのソロへとつないでゆきます。
ベース・ソロ後、ギター、ピアノでバトルのようにソロの応酬を繰り返すところも聴きどころです。
最後はトーン・ダウンしつつ、コードを弾き、ハーモニックスを響かせて終わる憎い演出も見事です。

SHM-CD国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年10月25日 12:30