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Randy Brecker(ランディ・ブレッカー)とAda Rovatti(アダ・ロヴァッティ)による双頭リーダー作『Brecker Plays Rovatti: Sacred Bond』

Randy Brecker(ランディ・ブレッカー)とAda Rovatti(アダ・ロヴァッティ)による双頭リーダー作『Brecker Plays Rovatti: Sacred Bond』

公私ともどものパートナーであるランディ・ブレッカーとアダ・ロヴァッティの双頭リーダー作品。

96年、イタリアでのビッグバンドの演奏に、ゲストでランディが招かれたことによって知り合った二人は、2001年に結婚し、演奏活動も二人三脚。アダの作品には、ランディとランディの仲間が参加。一方、アダは、ブレッカー・ブラザーズのリユニオン・プロジェクトで、2013年から、あのマイケル・ブレッカーの代わりにサックスを吹くという大役も果たし、来日もたびたび。超名盤『ヘヴィ・メタル・ビバップ』を、アルバムのメンバーと共に再現するというプロジェクトは大きな話題を巻き起こしている。

本作は、2人がアダ・ロヴァッティの楽曲を演奏するというプロジェクト。メンバーは、ランディ人脈。ランディのソロ・プロジェクトで素晴らしい演奏をみせ、自身のプロジェクトでは複雑さ極まるリズム・アレンジを施したナンバーを華麗に弾きこなすディヴィッド・キコスキをはじめ、ブレッカー・ブラザースにも参加するロドニー・ホルムズ、またフィラデルフィアで演奏して、意気投合となったというAlex Claffyをコア・バンドに、アダム・ロジャース、ジム・ベアードといった才人もゲスト参加。

オープニングに聞こえるかわいらしい歌声は、二人の愛娘、10歳のステラ・ブレッカーだとか。M3 は、アレサ・フランクリンに捧げたナンバー。またその名も"Bitches BLUE"としたM6 は、マイルスの"Bitches BLEU"にインスパイアされたというもの。一方、ランディ・ブレッカーと共に音楽活動を送っているというだけあって、全体を貫くカラーは、70年半ばからのサウンドにコネクトするクロスオーバーなもので、ハード・ドライヴィングなフュージョン的なうねりを感じさせるもの。またマイケル・ブレッカーのサックスの役割を担いつづけるアダのサックスのフレージングは、マイケル直系。モードなフレーズもダイナミックに展開する演奏には、女性であることさえも一瞬忘れさせるようなパワフルさもあり、その筋のスピリッツが引き継がれている感覚があります。

ライナーノーツも、ランディ・ブレッカーが執筆。二人の出会いから、楽曲説明まで、丁寧に説明。さすがは(!?)心の通ったもの同士の作品と感じさせます。


【収録曲】
1.Sacred Bond
2.Helping Hands
3.Reverence
4.The Baggae
5.The Queen of Bibelot
6.Britches Blue
7.Brainwashed
8.Mirror
9.The Other Side Of The Coin
10.Quietly Me

掲載: 2019年12月18日 15:02