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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.58

ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』(1958)

SC

ソニー・クラーク(p)
アート・ファーマー(tp)
ジャッキー・マクリーン(as)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1958年1月5日録音

曲目:
01.クール・ストラッティン
02.ブルー・マイナー
03.シッピン・アット・ベルズ
04.ディープ・ナイト

【アルバム紹介】
1.昭和ジャズ・エイジの中で大ヒットした海外ジャズ・アルバム
2.ジャズ史に残る名ジャケット
3.楽曲は4曲収録、参加メンバー充実、各ソロをじっくり楽しめる

2019年最後の『WEEKEND JAZZ』です。
前回紹介いたしました『アート・テイタム~ベン・ウェブスター・クァルテット』は発売が1958年、そしてこのソニー・クラークの傑作も1958年発表のアルバムで、殊に日本の昭和ジャズ・エイジの中で大ヒットした一枚です。
時は昭和30年代、ジャズ喫茶大ブームの中で火が付いたアルバムとして知られ、本国アメリカではさっぱりだった、と言われています。ハードバップ・テイストの非常にいい楽曲が揃い、そこから“ブルーノート・レーベルらしさ”みたいなものを、当時の日本人は敏感に感じとったのではないでしょうか。

本作はピアニスト、ソニー・クラークのリーダー・アルバムで、まずなんといってもこのジャケットのインパクトが現在もロングセラーたる由縁でもあります。これはブルーノート・レコードの多くのジャケット・デザインを手掛けるリード・マイルスによるもので、レーベルのプロデューサー、フランシス・ウルフが撮影した写真を使用して制作されました。

楽曲は1曲目のタイトル曲と、2曲目の“ブルー・マイナー”はクラークのオリジナル、3曲目の“シッピン・アット・ベルズ”はマイルス・デイヴィスのオリジナル、そしてラストの“ディープ・ナイト”はスタンダードの名曲と全4曲収録となっています。収録曲数が少ないと思われるかもしれませんが、1曲の演奏時間が長く(8分台~10分台)、じっくり各プレイヤーのソロの競演が楽しめるものになっています。
参加メンバーはトランペットにアート・ファーマー、アルト・サックスにジャッキー・マクリーン、そこにベースのポール・チェンバースとドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズという最強のリズム・セクションで構成されています。

ソニー・クラークは自身のリーダー作やサイドメンとしての参加作など多数残していますが、ヘロイン禍がたたり、1963年に31歳の若さでこの世を去っています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
何はともあれ、タイトル曲“クール・ストラッティン”を聴くべし。

ジャケットに写る、街をハイヒールで“気取って歩く(ストラッティン)”女性の脚。それを音にしたのがまさにこのタイトル曲といえます。
イントロもなく、いきなりブルージーかつアーシーなテーマ・メロディが出てくるところがまず印象的。テーマが終わると、ソニー・クラークのピアノ・ソロが始まります。
この曲は12小節のFのブルースとなっており、クラークの後に、トランペット、アルト・サックス、再びピアノ、そしてベースのアルコ(弓弾き)と、ソロと回してゆきます。
有名なエピソードですが、80年代に河口湖で行われていた夏のジャズ・フェス、“マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル”で本作のレコーディング・メンバーだったジャッキー・マクリーンがソニー・クラークのトリビュート・バンドで参加し、この曲を演奏し始めたところ、日本の聴衆が総立ちで、すごい歓声をあげたのを間近で聴いていたブルーノート・レーベルの創設者アルフレッド・ライオンは、このアルバムの日本での人気の凄さを身をもって実感したと言われています。
また、このフェスのTVオンエアの際、スポンサーの提供表示のバックで流れていたのは2曲目の“ブルー・マイナー”。そんな時代にジャズに親しんだ方はブルーノート=ジャズ・フェス=本作、というイメージをお持ちなのではないかと思われます。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年12月27日 10:30