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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.81

オーネット・コールマン『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.1』(1966)

OC

オーネット・コールマン(as)
デヴィッド・アイゼンソン(b)
チャールス・モフェット(ds)

1965年12月3、4日、スウェーデン、ゴールデン・サークルにてライヴ録音

曲目(オリジナル盤リリース時):
01.アナウンスメント
02.フェイシズ・アンド・プレイシズ
03.ヨーロピアン・エコーズ
04.ディー・ディー
05.ドーン

【アルバム紹介】
1.フリー・ジャズの先駆者、アルト・サックス奏者オーネット・コールマン
2.1965年ストックホルムでの名ジャズ・クラブでのライヴ・レコーディング
3.ピアノレスのサックス・トリオ編成で和音に縛られることなく、空間を“フリー”にブロウ

前回ご紹介しましたアルト・サックス奏者リー・コニッツは、師匠で盲目のピアニストであるレニー・トリスターノのもとで、この世で最初の“フリー・ジャズ”といえるセッションを40年代終わりに経験しています。“フリー・ジャズ”の先駆者、代名詞といえば、ジャズ史に名を残すオーネット・コールマンを挙げない訳にはいきません。

1930年にテキサスで生まれたオーネット・コールマンは、ほとんどのジャズ・プレイヤーが演奏するスタンダード曲のプレイは最初からほぼ無縁で、自身のオリジナル曲による前衛的な演奏を実践していました。やがて60年代に“フリー・ジャズ”という革新的なジャズのスタイルで数々の傑作を世に送り出してゆきました。

本作は1965年に、ストックホルムの名ジャズ・クラブ、ゴールデン・サークルでレコーディングされた評価の高い一作で、その内容の素晴らしさからアルバムはVol.2もあり、2枚のアルバムとなって残されています。

メンバーはベースがデヴィッド・アイゼンソン、ドラムスがチャールス・モフェットという、ピアノレスのサックス・トリオの編成になっており、楽曲はすべてオリジナル。
和音に縛られることなく、空間を“フリー”にブロウするオーネットのプレイが終始聴ける熱いライヴ・パフォーマンスとなっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
オーネットのブロウが冴える “フェイシズ・アンド・プレイシズ”。

ライヴ演奏にはやはりプレイヤーの熱気はつきもので、それがパフォーマンス度を上げ、時として予想外の名プレイを生みだすことがその醍醐味となっています。
この1曲目はまさにそんな印象のする名演奏であり、“フリー・ジャズ”といわれてはいるものの、実に明快なインプロヴィゼーションを聴かせています。
オーネットのアルトが勢いよく吹き始め、じっくり聴きこまないと、どこがテーマでどこからソロか判別が難しいのですが、それを気にしている間もなく、オーネットのアルト・サックスが巧みにフレーズを放ち、躍動するドラムスをバックに次々とブロウを繰り広げてゆきます。
曲の頭から8分近くにわたって吹きまくった後、チャールス・モフェットのドラム・ソロが始まります。
ソロが終わりに近づいたところで、アルト・サックスが蛇使いの笛のようなフレーズで戻ってきて、フリー・インプロヴァイズを繰り広げエンディングに向かいます。
和声感を感じさせる曲調とはかけ離れていることもあり、唐突に終わったようにも感じますが、聴衆は満足している様子がその拍手から伝わってきます。
オーネット・コールマンはその音楽的な業績の高評価から、日本では2001年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞し、2007年にはピューリッツァー賞、第49回グラミー賞にて特別功労賞生涯業績賞を受賞しました。
2012年には日本での最大のジャズ・フェスティヴァルである東京JAZZへの出演が決まっていましたが、イベント開催直前に体調不良のため出演不可となったことが今は伝説となっています。
その3年後、2015年6月11日、ニューヨークで心停止によりお亡くなりになりました。85歳でした。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年06月12日 10:00