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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.93

ラルフ・タウナー『ソロ・コンサート』(1980)

RT

ラルフ・タウナー (g, 12-strings-g)

1979年10月、ドイツ、ミュンヘン&スイス、チューリッヒにてライヴ録音

曲目:
01.スピリット・レイク
02.ラルフズ・ピアノ・ワルツ
03.トレイン・オブ・ソート
04.ゾートロープ
05.ナーディス
06.チェルシー・コートヤード
07.タイムレス

【アルバム紹介】
1.ECMレーベルでのソロ・ギターによる名ライヴ盤
2.クラシック・ギター、12弦ギターを駆使した独自のスタイル
3.幻想的なオリジナル曲、マイルス・デイヴィスの“ナーディス”のカヴァーあり

前回ご紹介のチック・コリア&ゲイリー・バートンの「デュオ」に続きECMレーベルの「ソロ」による演奏の傑作を取り上げます。
ドイツのECMレーベルにはキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』のようにピアノ・ソロの名ライヴ盤がありますが、このラルフ・タウナーの本作はアコースティック・ギター1本の名ライヴ盤として名高いアルバムです。

ラルフ・タウナーはアメリカ出身のギタリストで、メインの楽器はクラシック・ギター、12弦ギターゆえ、ジャズ・ギタリストと呼ぶにはやや異端、独自のスタンスを築いているプレイヤーの一人です。ピアノの演奏にも長け、自身のスタジオ・アルバムではその手腕を披露していたりします。
一方でジャズ、フォーク、民族音楽など多種のジャンルをミックスした音楽性のバンド、オレゴンのメンバーとしても知られています。

本作は、1979年、ドイツのミュンヘンとスイスのチューリッヒでのコンサートの模様を収録した内容で、4曲が本人のオリジナル、2曲がECMで数々代表作があるギタリスト、ジョン・アバークロンビーのオリジナル、そしてマイルス・デイヴィスの有名な“ナーディス”のカヴァーで構成されています。

ギター1本なのに、時としてオーケストラのような響きに聴こえたり、まるで霧の深い森の中を歩いているかのような幻想的なサウンドが広がっています。エンジニアは『ケルン・コンサート』とおなじ、マルティン・ヴィーラントが担当しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
マイルスの名曲“ナーディス”のギター・ソロ名演。

この曲はピアニストのビル・エヴァンスの名演が有名ですが、ピアノも弾くラルフ・タウナーはエヴァンスから多くの影響をうけたと言われています。
そのエヴァンスのレパートリーであった“ナーディス”をギター一本で素晴らしい演奏を聴かせており、この曲をギターでこれほどまで見事に弾き切った演奏はタウナー以外で見つけるのは難しいでしょう。
6弦クラシカル・ギターを使用し、イントロの最初の2音はハーモニクスで響かせ、艶やかに奏で始めます。
テーマ提示後にソロに入りますが、メロディとハーモニーを絡み合わせたギター・ワークで、たった一人の演奏とは思えないドラマティックなプレイを披露しています。
この曲以外も、まるで「美術館の中で幽玄な絵画を見ている」ような気持ちになる12弦ギターの神がかったテクニックが聴ける美しいオリジナルたちは必聴です。
最初から最後まで、目をつぶったまま、静かに聴いていたいソロ・ギター・ライヴ盤です。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

国内盤UHQCD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年09月04日 10:00