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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.112

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2021年01月22日 10:00

マイルス・デイヴィス『ワーキン』(1960)

MDW

マイルス・デイヴィス(tp)
ジョン・コルトレーン(ts)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1956年5月11日、10月26日(*)、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
02.フォア
03.イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ
04.ザ・テーマ(テイク1)
05.トレーンズ・ブルース
06.アーマッズ・ブルース
07.ハーフ・ネルソン *
08.ザ・テーマ(テイク2)

【アルバム紹介】
1.マラソン・セッション4部作中、3番目にリリースされたアルバム
2.マイルスのミュート・トランペットによるスタンダード・バラードの名演が1曲目
3.18番のナンバーやブルーベックの名曲、コルトレーンのオリジナル・ブルースも収録

2021年はジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスにとって生誕95年、没後30年。 50年代のマイルスの偉業のひとつ、マラソン・セッション4部作中、『クッキン』『リラクシン』とリリースされて3番目にリリースされたのがこの『ワーキン』です。

1956年5月11日と10月26日の2日でレーディングされたマラソン・セッションのうち、本作は7トラック目“ハーフ・ネルソン”以外は5月に収録された音源で構成されています。
録音年代としては50年代ゆえ、本作はマイルスのキャリアとしてはハードバップ期の演奏となりますが、リリースされたのは1960年、この時マイルスは名作『カインド・オブ・ブルー』等ですでにモード・ジャズの時期に入っており、音楽的に次のステップに移行済だったことは今から思えば興味深い話です。

本作は最初にリリースされた『クッキン』と非常に似ている部分があります。
それは1曲目がマイルスのミュート・トランペットによるスタンダード・バラードの名演で始まること、しかもそれがジャズ史に残る屈指の名演であること、そしてテナーのジョン・コルトレーンはおやすみである、ということです。
おやすみトラックはもう1曲あり、マイルス、コルトレーンの2人が不参加なのが6曲目“アーマッズ・ブルース”。ここではレッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズのピアノ・トリオ編成で演奏されています。

楽曲はこの他マイルス18番のナンバーである“フォア”や、デイヴ・ブルーベックの名曲“イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ”、そしてマラソン・セッションで唯一収録されたコルトレーンのオリジナル曲“トレーンズ・ブルース”を収録しています。
また、リリース当時のLPのA面B面構造の名残のように収録されている、2テイクの“ザ・テーマ”はどちらも1分台の短いナンバーです。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
本当にファースト・テイク?あまりにも名演 “イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド”。

本作1曲目であり、ジャズ・スタンダードの屈指の名バラードとして有名なこの曲は元々はリチャード・ロジャースが作曲したミュージカル『ハイヤー・ハイヤー』のナンバーで、作詞はロジャースとのコンビで有名なロレンツ・ハートでした。
マラソン・セッションは全曲ファースト・テイクでレコーディングされているのは周知の事実ですが、この曲の演奏は本当にそうなのかと思えるほど、完成度が高い1曲になっています。
まずイントロのレッド・ガーランドのピアノのアルペジオのフレーズがとても印象的で、これは『クッキン』での1曲目の“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”のイントロにも同じようなインプレッションを感じます。そしてマイルス・デイヴィスがミュート・トランペットでロマンティックにテーマを奏ではじめてゆきます。その時点で、どこか懐かしい情景が見えてくるような不思議な感慨さえも湧いてきます。
ダイナミックなドラミングで聴かせるフィリー・ジョー・ジョーンズもジェントルなブラシ・ワークでクワイエットなムードを伝えています。そしてテーマが回帰し、エンディングのところではポール・チェンバースがアルコ(弓弾き)で加わります。
この箇所ですが、よく聴いてみてください。演奏に参加していないことになっているジョン・コルトレーンが実は最後の一音だけ参加しているようなのです。
マラソンは次回4部作最後のリリースとなった“スティーミン”にタスキをつないでゆきます。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

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