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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.175

ラテン・ジャズ・クインテット『ラテン・ジャズ・クインテット・ウィズ・エリック・ドルフィー』(1961)

LJQ

エリック・ドルフィー(as-04, fl-02,05,08~10, bcl-01,03)
フェリペ・ディアス(vib)
アーサー・ジェンキンス(p)
ボビー・ロドリゲス(b)
トミー・ロペス(cga)
ルイ・ラミレス(timb)

1960~61年 ニューヨーク録音

曲目:
01.ユーアー・ザ・キューティスト・ワン
02.スピーク・ロウ
03.アイ・ガット・リズム
04チュニジアの夜
05.チャ・チャ・キング
06.アイ・ウィッシュ・アイ・ワー・イン・ラヴ・アゲイン
07.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
08.ラヴァー
09.マンゴリーナ
10.エイプリル・レイン

【アルバム紹介】
1.マルチ・リード奏者エリック・ドルフィーとラテン・ジャズ・クインテットによる異色作
2.ドルフィーがコンガやティンバレスが響くリズムの上で、ラテン・ジャズを演奏
3.ラテン・アレンジのスタンダードを中心とした楽曲構成

ジャズのアルバムには時として異色盤なるものがあります。本作はそんな隠れ名盤では、と思われます。
神がかり的なプレイで多くのリスペクトを集めたマルチ・リード奏者エリック・ドルフィーがラテン・ジャズ・クインテットと共演した一作です。

チャールス・ミンガスやジョン・コルトレーンとの共演で、そのアヴァンギャルドなアプローチを聴かせたドルフィーがコンガやティンバレスが響くリズムの上で、ラテン・ジャズを演奏しているという、本人のディスコグラフィー上でも特異な内容となっています。

このラテン・ジャズ・クインテットというコンボも実体は不明なバンドですが、ここではヴィブラフォンのフェリペ・ディアスをはじめとするメンバー構成で、同クインテットの他のアルバムの顔ぶれとは本作だけ著しく違っており、その詳細もまた不明です。
楽曲はラテン・アレンジによるスタンダード曲を多く含む全10曲で、最後の“エイプリル・レイン”はフェリペ・ディアスのオリジナルになっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
バス・クラリネットでラテン!?“ユーアー・ザ・キューティスト・ワン”。

エリック・ドルフィーはバス・クラリネットをジャズの楽器として自在に吹きこなしたレジェンドであり、そんな名プレイをこの曲では聴けます。まずラテン音楽にバスクラを用いる発想が、凡人を超越しており、それでいて音楽のカラーに外れることのない見事なアプローチを聴かせています。
ヴィブラフォンの涼しい音色と心地よいラテンのパーカッションのリズムがイージーな音楽に寄ってしまうところを、独特のピッチによるフレージングで思いっきりディープなジャズ色に染めていきます。音域の高いところから下降してバスクラ独特の低音域に流れる展開が楽しめます。
エリック・ドルフィーがラテン・ジャズ・クインテットと共演したアルバムは2枚あり、本作はユナイテッド・アーティスツ・レコードからリリースされたアルバムですが、ほぼ同時期にプレスティッジでもレコーディングされており、『キャリベ』というタイトルで世に出ています。クインテットはまったくメンバーの顔ぶれが違ってはいますが、ここでもドルフィーは存在感たっぷりの演奏でラテン・ジャズの世界を追求しています。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年04月22日 10:00