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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.196

グラント・グリーン『マタドール』(1979)

GG

グラント・グリーン(g)
マッコイ・タイナー(p)
ボブ・クランショウ(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1964年5月20日、ニュージャージーにて録音

曲目(LP初発売時):
01.マタドール
02.マイ・フェイヴァリット・シングス
03.グリーン・ジーンズ
04.ベドウィン

【アルバム紹介】
1.録音は1964年、初発売は1979年、グラント・グリーンの“発掘”アルバム
2.ピアノ・トリオをバックに自在かつ伸びやかなプレイで魅了
3.当時のジョン・コルトレーン・カルテットの強力メンバー2人が参加

トリオ編成でのジャズ・ギター名盤を紹介してきましたが、今回はギターのバックにピアノ・トリオというカルテット編成での名ギタリスト、グラント・グリーンの逸品です。
本作は1964年にレコ―ディングされながら、リリースは見送られ、日本で1979年になって初発売となったいわば“発掘”アルバムです。
その後1990年にアメリカでCD化され、日本では2014年にCD化となりました。

グラント・グリーンはジャズ・ギターのスタイルとしては、サックスやトランペットなどのホーンのように単音主体でプレイするタイプゆえ、本作の編成では和音のサウンドをピアノが補うことで、その中で自在にソロをとれることができ、非常に伸びやかなプレイで魅了しています。

参加メンバーで特筆すべきなのは、当時のジョン・コルトレーン・カルテットのピアノであるマッコイ・タイナーと、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズが加わっていることです。そこにベースにはボブ・クランショウ。楽曲はタイトル曲と“グリーン・ジーンズ”はグリーンのオリジナルですが、そこにコルトレーン・カルレットの十八番だった“マイ・フェイヴァリット・シングス”、そしてデューク・ピアソン作の“ベドウィン”という構成になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
興味深い グリーン版“マイ・フェイヴァリット・シングス”。

楽曲はリチャード・ロジャース作曲のミュージカル“サウンド・オブ・ミュージック”の1曲で、今やスタンダード曲として有名、また、日本では鉄道のCM曲でも知られている名曲。
このトラックの興味深い点は、先述の通り、コルトレーンの主要なレパートリーだったこの曲を、グリーンが果敢に取り上げ、当時のコルトレーン・カルテットのメンバー2人とともに演奏しているところです。
ソプラノ・サックスで名ブロウを聴かせるコルトレーン版に対し、シングル・ノートのギター・プレイで聴かせるグラント・グリーン版。機会があったら両者を聴き比べてみてください。
曲のバッキング・パターンに関しては両版の差異はなく、グリーンはテーマを提示後、2コードによる3拍子のスイング・ビートの上を自身の持ち味を生かしたプレイを存分に披露、後半になるとマッコイ・タイナーのピアノ・ソロへと突入し、徐々にリズムも高揚してゆきます。その後テーマに回帰しますが、演奏が10分になるあたりから再びグリーンのソロが始まりますが、途中F.O.でエンドとなっています。
本作は非常にいい内容であるのに、レコーディング後に未発売だった理由は何だったのか、今となっては想像するしかありませんが、そのキャリアの中で、ソウル・ジャズやジャズ・ファンクなどの路線でも自身を表現しているグラント・グリーンの本気のストレート・アヘッドなジャズが聴ける一枚と言えます。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年09月23日 10:00