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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.203

ウェイン・ショーター『エトセトラ』(1980)

WS

ウェイン・ショーター(ts)
ハービー・ハンコック(p)
セシル・マクビー(b)
ジョー・チェンバース(ds)

1965年6月14日ニュージャージーにて録音

曲目:
01.エトセトラ
02.ペネロープ
03.トイ・チューン
04.バラクーダズ
05.インディアン・ソング

【アルバム紹介】
1.ブルーノ―ト発掘音源BNLTシリーズのウェイン・ショーター
2.シリーズ発掘人マイケル・カスク―ナも絶賛する隠れ名盤
3.ピアノにマイルス・クインテットの盟友ハービー・ハンコック参加。

ブルーノ―トの発掘盤シリーズであるBNLTシリーズの名盤、今回取り上げるのはテナー・サックス奏者のウェイン・ショーターのアルバムです。

1964年から1965年にかけてウェイン・ショーターはブルーノートに6枚ものアルバムのレコ―ディングをしており、そのうち1965年の前半に吹き込まれた2枚のアルバムがお蔵入りとなり、ともに1979年~1980年頃まで発売が見送られました。その2枚が1965年3月録音の『ザ・スースセイヤー (予言者)』(1979年リリース)と1965年6月録音のこの『エトセトラ』(1980年US盤リリース)でした(『エトセトラ』は最初『ザ・コレクター』のタイトルで若干収録内容を変えて日本のみで1979年にリリース)。
本作は、BNLTシリーズ発掘人であるマイケル・カスク―ナによると「なぜすぐ発売されなかったのか、今も巨大な謎」といった言葉が残されている通り、まさに隠れ名盤に相応しい逸品といえます。

編成は、ワンホーン・カルテットで、メンバーはピアノが、この時マイルス・デイヴィス・クインテットの盟友であったハービー・ハンコック、そこにベースのセシル・マクビー、ドラムスのジョー・チェンバースといった実力派ぞろいな顔ぶれとなっています。
楽曲は、ギル・エヴァンス作曲の“バラクーダズ”(ギル・エヴァンスの1964 年のアルバム『ギル・エヴァンスの個性と発展』に収録。そこでのテナー・ソロはウェイン・ショーター)以外はすべてショーター自身のペンによるオリジナルになっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ダーク・トーンに満ちた“エトセトラ”。

限りなく無調に近いハーモニー、浮遊感漂うメロディー・ライン、暗躍するクールなビートがいやおうなしに楽曲の緊張感を高めています。曲調的には非常にアヴァンギャルドなものを感じるダークな1曲ですが、そこがこの時代のウェイン・ショーターらしさを表しているように思えます。
イントロはなく、いきなりテーマから始まり、提示されたあとはそのままテナーのソロに移りますが、テンションの高いコードが連続する中、途中テナーとピアノが呼応するような動きを見せつつ、展開してゆきます。テナーがテーマの断片を提示したところで、ピアノ・ソロに移ります。ここでのハービー・ハンコックはアウトしたフレーズを紡いでゆくフリー・スタイルといっていいもの。やがてクラスターっぽい動きになったところでドラムスのソロに。そして冒頭のテーマに回帰し、エンディングを迎えます。
1960年代の半ばになると、本作で聴かれるようなダークなサウンドのジャズが多くなり、調性やリズムを超越した演奏=フリー・ジャズ的なものが一番カッコいい、と思われていた傾向があります。
本作のレコーディング時ウェイン・ショーターは、32歳直前でしたので、新しいことをどんどん推進していく時期にあったと思われます。平行して活動していたマイルス・クインテットの60年代の同時期のアルバムなどと比べて聴いてみると面白いでしょう。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年11月11日 10:00