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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.213

ケニー・カークランド『ケニー・カークランド・デビュー!』(1991)

KK

ケニー・カークランド(p, key)
ロデリック・ワード(as)
ブランフォード・マルサリス(ts, ss)
チャーネット・モフェット、クリスチャン・マクブライド、アンディ・ゴンザレス、ロバート・ハースト(b)
ジェフ・ワッツ、スティーヴ・ベリオス(ds)
ドン・アライアス(per)
ジェリー・ゴンザレス(cga, per)

1991年頃、ニューヨーク録音

曲目:
01.MR. J. C.
02.ミッドナイト・サイレンス
03.エル・レイ
04.スティーピアン・フェイス
05.セリア
06.チャンス
07.ホエン・ウィル・ザ・ブルース・リーヴ
08.アナ・マリア
09.レヴェレイションズ

【アルバム紹介】
1.名ピアニスト、故ケニー・カークランドの初にして唯一のリーダー作
2.80年代、スティングのバンドに参加し有名に
3.キーボードもプレイ、自身の持つ幅広い音楽性を反映させた内容

90年代の名盤を特集、今回は1998年に43歳で亡くなったピアニスト、ケニー・カークランドの初にして唯一のリーダー作を取り上げます。

ケニー・カークランドは自身の名を冠したリーダー・アルバムが実質1枚だけしかない、ということもあり、その生涯は究極のバイプレイヤーだった、という見方もありますが、早逝しなければ、2作目以降のリーダー・アルバムもあったかもしれず残念としかいいようがありません。

80年代に、ウィントン、ブランフォードのマルサリス兄弟、日野皓正、渡辺香津美らのアルバムに参加し、ピアニスト、キーボーディストとして非凡なる才能を発揮、そして、80年代半ばからソロ活動を開始したスティングのバンドに、ブランフォード・マルサリスらとともに参加、多くの音楽ファンに認知されました。
本作は90年代に入って、満を持してのリーダー作ゆえ、当時のジャズ・シーンを担う先鋭的なミュージシャンをメンバーに、時にキーボードもプレイし、自身の持つ幅広い音楽性を反映させた内容になっています。
楽曲はケニー・カークランドのオリジナル(01、02、04、06、09、11)をメインに、バド・パウエル(05)、オーネット・コールマン(07)、ウェイン・ショーター(08)、セロニアス・モンク(10)などのユニークなカバーが収録されています。
(03はドラムスのジェフ・ワッツのソロプレイ)

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ウェイン・ショーターの隠れ名曲“アナ・マリア”。

本作は新主流派風の硬派なジャズもあれば、キーボードを導入したコンテンポラリー・ジャズもあり、と多彩な内容ですが、その中でも落ち着いたラテン調での演奏のナンバーになっているのがこの1曲です。
曲は、ウェイン・ショーターの隠れた名曲のひとつで、浮遊するような神秘的なメロディー・ラインが特徴となっています。
ここでの演奏はケニー・カークランドのピアノに加えて、アンディ&ジェリーのゴンザレス兄弟によるべース&パーカッション、加えてドン・アライアスのパーカッション、そこにスティーヴ・べリオスのドラムス、というメンバーです。
ゆっくりと流れる川のようなリズムの上を、ピアノが耽美的な演奏で魅了してゆきます。ソロになるとやや活気づき、ハーモニーから逸脱することなく、フレーズが繰り出されてゆき、ケニー・カークランドのピアニズムが存分に発揮されます。
本作を聴く限り、ケニー・カークランドが2000年代になっても生きてプレイを続けていたとしたら、ハービー・ハンコックのような多彩なプレイヤーになっていたのでは・・・そんな想像をしてしまいます。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年01月27日 10:00