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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.250

ウォーン・マーシュ『ジャズ・オブ・トゥー・シティーズ』(1957)

WM

ウォーン・マーシュ、テッド・ブラウン(ts)
ロニー・ボール(p)
ベン・タッカー(b)
ジェフ・モートン(ds)

1956年10月3日、11日、ロサンジェルスにて録音

曲目:
01.スモッグ・アイズ
02.イヤー・コンディショニング
03.ラヴァ―・マン
04.クインテッセンス
05.ジャズ・オブ・トゥー・シティーズ
06.ディキシーズ・ジレンマ
07.なつかしい土地の思い出 (チャイコフスキー作品42-3)
08.アイ・ネヴァー・ニュー

【アルバム紹介】
1.インペリアル原盤である、ウォーン・マーシュの初期の一枚
2.独自のクール・ジャズを展開したピアニストのレニー・トリスターノの門下生
3.フロント2管がテナー・サックスというクインテット編成

テナー・サックス奏者が活躍する隠れ名盤、今回はインペリアル原盤である、ウォーン・マーシュの初期の一枚を取り上げます。

1927年にロサンジェルスに生まれたウォーン・マーシュは独自のクール・ジャズを展開したピアニストのレニー・トリスターノの門下生の一人で、ビバップやハードバップといった王道のジャズ・スタイルとは異にするプレイで知られたテナー・サックス奏者です。

本作はクインテット編成でレコーディングされていますが、フロント2管がテナー・サックスというものになっており、それぞれの妙味を聴く一枚といえそうです。
メンバーはもう一人のテナー・サックスがテッド・ブラウン、ピアニストがロニー・ボール、ベースがベン・タッカー、ドラムスがジェフ・モートンで、ベースのベン・タッカーは西海岸系の数あるアルバムに参加している名ベーシストでもありますが、他は皆なにがしか、レニー・トリスターノの薫陶を受けたプレイヤーだったりします。
楽曲はメンバー自身のオリジナル中心で、スタンダード2曲、クラシックのジャズ・カヴァーが1曲という構成になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ウエスト・コースト・ジャズ独特のクールさも秘めた“スモッグ・アイズ”。

アルバム1曲目のこの曲はテッド・ブラウンのオリジナル。ウエスト・コースト・ジャズ独特のクールさが全編に漂う快速なナンバーになっています。
2テナーによる、きれいなハモリとともにテーマが提示されてゆきます。ソロに入ると、流暢なフレージングで聴かせてゆきますが、これを一人で吹いているのか、あるいは途中から交代して吹いているのか、またウォーン・マーシュなのか、テッド・ブラウンのどちらなのか、わからないのが残念です。サックスのソロが終わると、ピアノのソロに移りますが、アクセント的に2管のユニゾンのフレーズが挿入されて、しっかりアレンジされているのがわかります。再びテナー・サックスによるソロが続き、やがてテーマに回帰し、エンディングをむかえます。
ウォーン・マーシュは師であるレニー・トリスターノのジャズ理論を追求した音楽活動を実践し、すぐれたアルバムも残してきましたが1987年にロサンジェルスのクラブで演奏中に心臓発作のため死去。60歳でした。

国内盤CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年10月20日 10:00