吉沢亮主演で話題の映画「国宝」!リアルな世界を描くために実際に歌舞伎界に飛び込んだ原作者の吉田修一とは?
2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で主役を務めた吉沢亮と、2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で主演を務める横浜流星が共演する映画「国宝」。2025年6月6日の公開に向けて期待が高まっている。
●歌舞伎界を舞台に1人の青年の激動の人生を描いた傑作大河小説
映画「国宝」の原作は吉田修一で、監督を務めるのは同じく吉田原作の映画「悪人」「怒り」でメガホンを取った李相日。この2人の再タッグも注目を集めている。
「国宝」は任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎の世界に飛び込んだ青年の半生を描いた作品。15歳で天涯孤独となった喜久雄が師匠やライバルとの出会いを通して、芸に青春・人生を捧げる物語は大きな反響を呼んだ。
歌舞伎界の裏話なども散りばめられた本作を描くために、吉田は歌舞伎の裏方である「黒衣」として中村鴈治郎の舞台について回っていたそう。朝日新聞での連載前も連載中も、舞台や楽屋だけでなく、稽古場にも同行していたのだ。
2018年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した本作は、吉田の作家生活20周年記念の作品。長く作家人生を送っている吉田はデビュー後から順調にキャリアを積んでおり、2002年に「パーク・ライフ」で芥川賞を受賞している。
メディアミックス作品が多いのも特徴で、2010年に妻夫木聡主演で映画化された「悪人」は毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した。2013年に高良健吾主演で公開された「横道世之介」は本屋大賞候補になり、柴田錬三郎賞を受賞している。他にも渡辺謙主演で映画化された「怒り」や綾野剛主演の「楽園」、藤原竜也主演の「パレード」など、吉田作品は数多く映画化されている。
群像劇やミステリーなど幅広いジャンルを手掛けてきた吉田だが、「国宝」は歌舞伎界を題材に、ヤクザの息子という出自に悩まされる主人公の栄光や苦悩を描いた壮大な大河小説となっている。ジャパニーズ・エンターテインメントの最高峰と謳われている本作を、まずは小説でぜひチェックしてみてほしい。
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掲載: 2025年04月11日 19:10