SISTER JET(4)
もうラヴソングは歌わない!?
――似たような話で言えば、〈ラヴソングしか歌わない〉っていうのも、ある意味でフィルターになっちゃってるのかもしれないですね。
ワタル「うん。でも、これはオフレコだけど、次(の作品で)はもう言いたいことを言おうかな、と思って。最近、歌詞書いてると〈ここで1回吐き棄てようかな〉って思うんですよね」
サカベ「いいじゃん、それ。オフレコじゃなくて」
ケンスケ「オンで」
ワタル「オン? こういうのこそ、オン? 次はホント、いいたいことをブチまけたい。言葉遣いもちょっと悪くしたい、と思って……(全員笑)」
サカベ「言葉遣いを悪くしたい、って(笑)」
――メチャクチャわかりやすいところから(笑)。
ワタル「うん(笑)。それが、逆にスウィートな曲に乗ってるみたいな」
サカベ「うん、おもしろいね」
――それはラヴソング以外にも言いたいことが溜まってきてるってこと?
ワタル「溜まってきてますね。うーん、ラヴソングと言えばラヴソングなのかなあ? でも恋愛とかじゃなくて、俺からの、みんなへの大きな愛というか」
サカベ「ディスるのも愛のうちのひとつだもんね」
ワタル「いやいやディスるとかじゃなくてさ。なんかねー、俺、基本的に女の子のことと、ちょっと音楽のことを考えていて」
――音楽はちょっとなんだ(笑)。
ワタル「うん。8:2ぐらいですかね(笑)。でまあ、女の子のことを考えていて、叶わないことが多いと。それが歌詞に出てるんだけど、それって自分だけの問題だったりするし、もうちょっとね、それ以外にも言いたいことがいっぱい出てきた。次はすごいことになるかもしれないですね。あとまあ、いまは〈聴いてくれる人がいる〉っていうことを自分のなかで感じられる状況でいるから、そこで、俺っていうのを初めて出せるというか。臆病なんですよね(笑)。だから、最近は〈いい状況だからこそ、言いたいこと言いたいな〉ってすごい思う」
サカベ「どんどん爆発に向かってきてますね(笑)」
ワタル「爆発してますよ」
――だけど今作だって、恋愛をテーマにしていても〈この時代のユウツなぼくらの〉とか〈憂鬱〉という言葉がいくつか出てきているし、ラヴソングと言ってもだんだん変わってきているというか。
ワタル「〈our first love〉の時はホントに、ビートルズで言えば〈ラ~ヴ、ラ~ヴ・ミ・ドゥ♪〉だったからね。それが、最近はけっこう言いたいことを織り交ぜつつで……次は『Help!』が出るっていうことですね」
――爆発ポイントが『Help!』か。なるほどね。
ワタル「で、〈ホワイト・アルバム〉は4年後ぐらい」
――そっか。道のりは長いですね。
ワタル「長いよ(笑)。でも、毎回こういうふうに変わっていってるのが目に見えるのは、見てるほうも楽しいと思うんだよね。例えばアー写だって、単に違う角度から撮っただけみたいなのを3枚、4枚並べられてもおもしろくないじゃん? いまね、〈これをやりたい〉っていうモードがその時その時で変わってってるのを感じてて。〈三次元ダンス〉はけっこうベスト・アルバム的な感じではあったけど、今回で〈大騒ぎ〉な作品を出して、次は『Help!』で言いたいこと言って……そういうふうにどんどん変わっていけるぐらいの音楽的なバックグラウンドが俺らにはあるし、そうやって突き進めるようなバンドだな、って、これ作って感じたな。その時々でコンセプトを持って」
サカベ「そうね。あの、洋楽ってそういう意識が高いじゃないですか。新しい価値観を、ってどんどん前に進んでいく。自分たちにもそういう意識があるから、なかなか同じような曲はできないし。そこは変えたくないですね」
――ちゃんと変わっていけないと、バンドって長く続かないですしね。
ワタル「そう思う。その第一歩として、やっぱ歌詞でブチ壊しますよ。3枚、ラヴソング歌って……〈もうラヴソングは歌わない〉ってやるか(笑)」
――次で? それはまた極端な(笑)。
ケンスケ・サカベ「それいいね(笑)」
ワタル「あんだけ〈ロックはラヴソングじゃねえのか!〉とか噛み付いといてさ(笑)」
サカベ「で、その次では戻ってるんでしょ(笑)」
――〈ラヴソングしか歌わない!〉〈もうラヴソングは歌わない!〉と続いて、次は〈やっぱ、ラヴソングだよね!〉とか(笑)?
ワタル「いいね。それでいこうか(笑)?」
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