グッドモーニングアメリカ 『inトーキョーシティ』
[ interview ]
グッドモーニングアメリカの2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』が完成した。ソングライター・金廣真悟(Gt.&Vo.)が東京の街で生活をしながら感じたこと、考えたことをまっすぐに表現した、これまでにないほどパーソナルで、だからこそ強いメッセージをもったアルバムである。なぜこんなにも正直な作品が生まれたのか。金廣に語ってもらった。
何か今ちょうど歌いたいのかもしれないですね、<ここで生きていく>っていうようなことを
―まずは『inトーキョーシティ』っていうタイトルの由来を教えてもらえますか?
「このタイトル自体は、“inトーキョーシティ”の曲を作ってる時に、仮歌を入れてたんですね。その時に適当な言葉で歌ってて、<トーキョーシティ>っていう言葉と<被害者><加害者><部外者>っていう言葉が、もう勝手にというか、入っていて。もともと東京でひとりで冬でっていうようなイメージで作り出した曲だったので、それにぴったりだなっていうふうに思って。この曲を総括する言葉って、
―その“inトーキョーシティ”という曲は、<死亡者>とか<死刑確定者>とか、わりとドキッとするような言葉が使われていますよね。そういう言葉が出てきたというのは、金廣さんの中で東京で生きることに対して、牢屋の中じゃないですけど、そういうイメージがあったりするんですか?
「いや、特にそうではないというか。<死刑確定者>っていうのは単純に生まれた瞬間に死ぬっていうのが決まっている、そんな中でどうやって生きてくかっていうことだし、<東京>っていうのも僕にとって東京だっただけで、神戸でも福岡でも北海道でも、本当にどこでもいいんです。ただ、日常で自分が経験したことじゃないとちょっと歌えないなっていう感じだったので、今回は」
―確かに、すごくリアルな歌詞になっていますよね、今作は。
「そうですね。何か今ちょうど歌いたいのかもしれないですね、そういう<ここで生きていく>っていうようなことを。ただ生きるだけじゃなくて、意志を持って生きていくっていうのはすごく大事かなって。別に迷ってもいいと思うし、苦しんでもいいと思うんですけど」
―どの曲も、すごく金廣真悟の思いのたけというか、自我が出ている感じですよね。
「そうですね。本当今回は結構エゴを通したんですよ。それこそ題名とかもスタッフとかに反対されたりしたんですけど。まあそれも自分がこうしたいっていうので、通させてもらったし。曲とかも本当そうっすね。結構自由にというか。<ギターリフ、ライトハンド弾いて>とか、いきなり言って。今までやったことなかったのに、練習させてとか(笑)」
―そのエゴっていうのは、今までは出したいけど出せなかったのか、それともあえてある程度のところで抑えていたのか、どっちなんですか?
「ある程度のとこで抑えてたのもありますし、あと自分の技術的に出せないっていうのがあったと思いますね。それこそ歌詞はそうで。でもそういうのがすごく出せるようになってきたというか。そんなに変わっていないですけど、でもそういうふうに受け取ってもらえるようになってきたんだなっていうのは、すごく思いますね」
―出せるようになったのは、なぜだと思いますか?
「寺岡呼人さんと今回3曲やったんですけど。それで歌詞の作り方というか、そういうのすごく教えてくれるんですよ。<もっとこういう作り方したらもっと自分が出せるんじゃない?>みたいなことを言ってくれる人だったんで。その作り方を学んで、だんだんできるようになったかなっていうふうに思ってます」
―このアルバム聴いて思ったのは、金廣真悟の進化、パワーアップっていうのが、やっぱグッドモーニングアメリカを前に進めて行くんだろうなっていうのはすごく思いますよね、改めて。今回アクセル踏んでいるのは間違いなく金廣さんだなっていう。
「ありがとうございます。良かったです。アクセル踏めるようになったんですね(笑)。でもすごく良いアルバムだなって思います。本当に自分でも聴けるというか。いつもだったら<ああ、ここもっとこうしたかったな>っていうのもあったり、<もっと歌うまく歌えたらな>とかあったりするんですけど。<よく歌えてる!>ってすごい、自分でびっくりすることがありますね」
■Album…『inトーキョーシティ』 10/22 on sale!!
■songlist…
01.inトーキョーシティ
02.アブラカタブラ
03.何とかなるでしょう
04.STOP THE TIME
05.拝啓、ツラツストラ
06.コールアップし
07.夕暮れ
08.ワンダーフルワールド
09.2014年6月25日我思ふ
10.STAY WITH ME
11.イチ、ニッ、サンでジャンプ
12.スクランブル交差
<初回限定盤DVD収録内容>
「7つの秘宝を探す冒険2014」ワンマンツアー大阪・なんばHatch公演から数曲収録
Profile…グッドモーニングアメリカ
2005年、東京・八王子で結成された<for better,for worse>を前身とするロックバンド。2007年7月に現バンド名に変更して活動再開。メンバーは金廣真悟(vo,g)、たなしん(b,cho)、渡邊幸一(g,cho)、ペギ(ds,cho)の4名。2010年10月、1stミニアルバム『空ばかり見ていた』を発表。リリースツアーなど全国各地を精力的に巡り、ライブバンドとして人気を高める。2014年10月、待望の2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』をリリース!
記事内容:TOWER+ 2014/10/10号より掲載