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QUEEN(クイーン)、史上最大規模の来日公演スタート。初日は29曲演奏し3万人を魅了

QUEEN
Photo by 岸田哲平

2020年1月25日、QUEEN + ADAM LAMBERTのジャパン・ツアーが開幕を迎えた。2014年夏には「SUMMER SONIC」にてヘッドライナーを務め、2016年9月には超満員の日本武道館での3夜公演を成功させている彼らだが、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の記録的大ヒットを経ながら実施されている今回のワールド・ツアーは、「THE RHAPSODY TOUR」と銘打たれ、当然ながら日本での公演スケールも前回を上回るものになっている。会場となったさいたまスーパーアリーナは、様々なキャパシティに対応する客席設定が可能だが、今回は最大規模のスタジアム・モードでの公演実施となったにもかかわらずチケットは早々に完売。巨大な館内は3万人の老若男女で埋め尽くされた。

館内が暗転したのは、開演定刻の午後6時を7分ほど経過したころのこと。“Innuendo”を幕開けの序曲としながら聴こえてきたのは、第3作目『Sheer Heart Attack』(1974年)に収録の“Now I'm Here”。「今、僕はここにいる」という歌詞にリンクしながらのマジックさながらの演出を伴いながらこの曲が炸裂すると、大観衆はそのまま興奮へと導かれていく。しかも“Seven Seas Of Rhye”、“Keep Yourself Alive”といった黎明期の重要曲が序盤から間断なく畳み掛けるように繰り出され、その場に渦巻く熱を高めていく。

これから公演を目撃することになる方々のためにも、その後の演奏/演出内容についてはあまり具体的には明かさずにおきたいところだが、“Killer Queen”や“Don't Stop Me Now”、“Somebody To Love”、“Another One Bites The Dust”、といったヒット曲の数々が惜しみなく披露されるのみならず、世界的に見ても早くから彼らを支持してきたこの国のファンへの返礼の意も込めながら日本語の歌詞がフィーチャーされている“Teo Torriatte(Let Us Cling Together)”や、TVドラマの主題歌やテレビCMに使用され、QUEENの名を幅広い層へと浸透させることになった“I Was Born To Love You”など、日本ならではの選曲も盛り込まれ、まさに観る者を一瞬たりとも退屈させることのない演奏内容となっていた。

同時に注目したいのは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』における様々なシーンを思い起こさせるかのごとく“Doing All Right”や“Hammer To Fall”、Roger Taylor(Dr)の歌う“I'm In Love With My Car”が披露されるなど、豪華なばかりではなく細かいところまで神経の行き届いた選曲がなされていたことだ。しかもそうした象徴的な楽曲の提示のあり方が、実に巧みなのだ。なかでもBrian May(Gt)がアコースティック・ギターの弾き語りで“Love Of My Life”を披露した際には、その終盤、スクリーン上にFreddie Mercury(Vo)が登場。まるでFreddieがその場に、彼のすぐ横にいるかのようなリアルな光景に、場内は大きく沸いた。

また、文字どおり宇宙的というか天文学的なBrianのギター・ソロ(どのような光景であるかについてはぜひ、実際のライヴでご確認いただきたい)にも印象深いものがあったし、照明や映像を駆使したクオリティの高い演出は、あくまで品格を感じさせるゴージャスさで、このバンドの音楽の魅力を最大限に強調する役割を果たしていた。

そして、そんななかでやはり目を引いたのは、フロントマンを務めるAdam Lambertの歌唱とパフォーマンスの素晴らしさだ。公演の序盤、彼は「みんなFreddieのことは好き? 僕も大好きなんだ。だから僕らは同じ。今夜は一緒にFreddieを祝福しよう」といった言葉を客席に投げ掛けていたが、Freddieを真似するのでもなければ、自らの持ち味を必要以上に強調しようとするのでもなく、あくまで各楽曲の物語性やイメージに忠実に、なおかつその世界観をわかりやすく体現してみせた彼のパフォーマーとしての素晴らしさは、まさにこれから先も語り継がれていくべきものといえるだろう。Brianは彼を「gift from god(神からの贈りもの)」と紹介していたが、いわばQUEENはAdamにチャンスをもたらし、Adamはこのバンドに新たな可能性をもたらしたのである。

ショーは“Radio Ga Ga”から“Bohemian Rhapsody”へと連なっていく完璧な流れでクライマックスを迎え、アンコールでは“We Will Rock You”と“We Are The Champions”が3万人を完全にひとつにした。2時間10分を超える、極上のひととき。この唯一無二の存在が、日本のオーディエンスの記憶に、また新たな伝説を刻み込んだ一夜だった。

なお、彼らは1月26日にも同会場で公演を実施。ツアー自体はこの先も京セラドーム大阪(1月28日)、ナゴヤドーム(1月30日)と続いていく。今後の公演の行方にも注目したいところだ。(音楽評論家 増田 勇一)

 

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Photo by 岸田哲平

 

▼来日公演情報
「QUEEN + ADAM LAMBERT THE RHAPSODY TOUR」
1月28日(火)京セラドーム大阪
1月30日(木)ナゴヤドーム
https://www.creativeman.co.jp/artist/2020/01queen

 

▼リリース情報
QUEEN
来日記念スペシャル・ベスト・アルバム
『グレイテスト・ヒッツ・イン・ジャパン』
NOW ON SALE


 

▼展覧会情報
「QUEEN EXHIBITION JAPAN ~Bohemian Rhapsody~Supported by 集英社」
1月30日(木)~3月22日(日)アソビル3階 「STAMP HALL」
10:00~21:00(最終入場20:30)※最終日3月22日は18:00閉場(最終入場17:30)

3月25日(水)~4月6日(月)大阪高島屋
10:00~20:00(最終入場19:30)※最終日4月6日は17:00閉場(最終入場16:30)

https://www.queen-exhibition.jp/

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カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース

掲載: 2020年01月27日 18:32

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