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木村カエラ 『ROCK』

連載
POWER PUSH
公開
2013/11/25   19:35
更新
2013/11/25   19:35
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
文/澤田大輔


プライヴェート・レーベルからの第1弾リリースは、コラボ・カヴァー集! 主役のプロデュース・スキルが光るマッチングの妙にワクワクしっぱなしだよ!!



木村カエラ_A



ポップとオルタナティヴの領域を行き来しながら瑞々しい音楽の数々を生み出し続けてきた木村カエラが、自身のプライヴェート・レーベル、ELAを設立。その第1弾としてコラボ・カヴァー集『ROCK』をリリースする。2014年にデビュー10周年を迎えるにあたり、改めて自分が好きな音の探求を始めたという彼女は、その過程で60~80年代の洋楽ナンバー12曲をピックアップ。それらを国内外のアーティストとのコラボレーションのもとで再解釈し、アルバムとして結実させたのが本作というわけだ。

表題の『ROCK』とはジャンルとしてのそれではなく、取り上げた楽曲のオリジナル・アーティストたちによる〈独自のスタイルを確立し、貫く生き方〉を指し示しているのだそう。そういう意味で、本作ではいわゆるロック・ミュージックだけでなく、80sのシンセ・ポップやディスコなどさまざまなスタイルの楽曲が選ばれているのだが、そのラインナップもさることながら、楽曲ごとのコラボ相手との組み合わせがおもしろい。岡村靖幸とのa-ha、細野晴臣とのヴェルヴェット・アンダーグラウンド、CSSとのビースティ・ボーイズ……字面を見ただけでワクワクしてしまう。フロントに立つだけではなく、レーベル代表としての顔も持つに至った木村カエラのプロデュース・スキルが、こうした采配に発揮されていると言えるだろう。

そんな本作の12曲を聴くと、エレクトロニックでディスコティークなナンバーと、シンプルでラウドなバンド・サウンドというふたつのスタイルが軸になっている。こうした音の趣向はこれまでの彼女の活動を総括しているようであり、今後の指針を示しているようであり……などと勘繰りつつ、『ROCK』の収録曲をひとつずつ紐解いていこう。



▼木村カエラの近作を紹介。
左から、ベスト盤『5years』、2011年作『8EIGHT8』、2012年作『Sync』、2012年のライヴDVD「KAELA WEB TOUR 2012@武道館」(すべてコロムビア)

 

木村カエラcollaboration cover album ROCK ELA/ビクター


左から、完全生産限定初回盤A、初回盤B、通常盤

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