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フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入盤:国内流通仕様 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2018年03月03日 |
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規格品番 |
KKE-075 |
レーベル |
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SKU |
4909346015227 |
2012年にデビュー作をリリース。一作ごとに作品の世界観を広げ、前作では、セネガル出身、当代を代表するクリエイターとなったリチャード・ボナ、またレバノン出身、新進気鋭のイブラヒム・マーロフ他、多彩なゲストを迎えて一層の注目を集めましたが、本作はグッとシンプルに、トリオ編成でのリリースで新たなる挑戦をみせてくれています。
メンバーは、昨年2017年ブルーノートに来日した時と同じメンバー。その際に、アルフレッドは、「すでにこのトリオで録音は終わっているんだ」と本作のことを語っていましたが、本メンバーでは、何年にもわたって数々のツアーをし、演奏を重ねているとのこと。つまり、レギュラーとしての活動を結実させた位置づけの一作となります。
デビュー作から関わったマイケル・オリヴェーラに対して、新しく加わったムニル・ホッスンはブラジル出身、ジョー・ザヴィヌルの遺志を継ぐザ・シンジケートの一員にもなった経歴の持ち主。そうしたことにも影響されてか、オープニングは実にカラフルかつ壮大!ジョー・ザヴィヌルは、晩年、世界の音楽を取り込み、その要素を消化してクロスオーヴァーした音楽をクリエイトしてきましたが、このオープニングは、往時のヴァイブレーションが、現代に継承されていることを証明するかのよう。渦を巻くようなグルーヴ感や、躍動するビートと共にヴォイスが交錯する展開は、巨大なアメリカのポップ・ミュージックの世界の影響を受けながら、世界の音楽がシンクロしています。タイトル曲M2は、そんなポップさと共に、可憐なメロディが魅力的。この辺りには、アルフレッドが表現したい"Dream< 夢> をもつことがもたらす大切なもの"が表現されているかのようです。もちろん、ルーツ的な要素が忘却されることはなく、キューバン・スタンダードの"ベサメ・ムーチョ"を演奏するほか、クラーヴェの進化形を見せるようなM5のようなナンバーも。一方、そうしたナンバーの中に、アルフレッドが基礎として受けたクラシックの要素もあり、アラビックなフレーズもあれば、アフリカンなグルーヴとメロディあり、スパニッシュな哀愁も混じり合います。
前作は、自らが描きたい音楽を、それぞれ、ルーツにもつアーティストをゲストとして迎える形で奏でてきましたが、本作は、それらのアーティストの世界を取り込んで、自らが表現する展開を見せるアルフレッド。本作を聴くとクインシー・ジョーンズが見込んだ大器の無尽蔵な才能も感じます。
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:48:36
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1.[CD]
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全く次元の違う表現を模索する、作曲家・ピアニストのアルフレッド・ロドリゲスの新作。次元は、彼の音楽を他の音楽をその質において区別するために使いたい訳ではなく、あくまで彼の音楽の目指す方向性、ヴェクトルの違いを示すための言葉だ。それほど他の同年代のピアニスト、とくにキューバ出身のピアニストたちとの違いが際立っている。このピアノトリオをベースにした新作は、その境地をシンプルに示している。もはやデビュー当時にはりついていたバップの殻は綺麗に落ちて、キューバの音楽を構造的にとりいれた楽曲と演奏マナーが、随所に際立つ。といって難解な音楽が並ぶのではなく、シンプル&リリカル、そして甘いのだ。
intoxicate (C)高見一樹タワーレコード (vol.131(2018年2月20日発行号)掲載)
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