フォーマット |
SACDハイブリッド |
---|---|
構成数 |
22 |
国内/輸入 |
輸入盤:国内流通仕様 |
パッケージ仕様 |
ボックス |
発売日 |
2018年12月29日 |
---|---|
規格品番 |
KKC5952 |
レーベル |
|
SKU |
4909346017382 |
70年の時を経て蘇るベルリン・フィル本来の響き!
「フルトヴェングラー 帝国放送局(RRG)アーカイヴ 1939-45」
●戦時中(1939~45年)にドイツ帝国放送が収録したベルリン・フィルとフルトヴェングラーによる放送録音を集成したエディション。
●嬉しいことに、初出音源も収録!(ラヴェル:ダフニスとクロエ第1組曲(抜粋)、シューベルト:交響曲「未完成」第2楽章)
●ドイツ帝国放送のテープ音源としては、今現在の最高技術をもってサンプリング(28bit/96kHz)を行い、ベルリン・フィルが自ら手掛ける戦時のフルトヴェングラー最高音質の登場。
●当時の演奏を再現できる最良の音源を選択。現存するドイツ帝国放送テープをすべて網羅し、オリジナル・テープを基本に、最高の条件でセット化。
●22枚組SACDハイブリット盤。
(1/2)
キングインターナショナル
また、戦時のフルトヴェングラーの録音を語る上で欠かせないのが、「テープの遍歴」についてです。ソ連軍は、ベルリン占領後、ドイツ帝国放送にあったおよそ1500本のテープを戦利品として押収。そのテープをもとにモスクワ放送の番組に使用したり、露メロディア・レーベルからLPを発売したりと利用されてきました。しかし1987年にはオリジナル・テープのコピー20本が、さらに1991年には押収した原テープが自由ベルリン放送(SFB)へ返還され、今日までベルリン・ブランデンブルク放送(RBB、旧SFB)のアーカイヴに保存されていました。今回、当セットで使用されている音源のほとんどは、1987年と1991年に返還されたテープをベルリン・フィルが新たに28bit/96kHzでサンプリングしたもの。担当したトーンマイスターによると、これらのテープは30年という時間がたっているにも関わらず、非常に良い状態でサンプリングすることができたと言います。また、以前から多くのCDで問題にされていたピッチについても、当時の正しい音程、速度を基準としてサンプリングを行っています。残念ながら演奏会記録が残っているのに、欠けているプログラムについては、テープがすでに消失した可能性がきわめて高く、当セットに収録されている音源が、現存する戦時のベルリン・フィルとフルトヴェングラーの演奏のすべてだと考えられています。
仕様は、最高音質でのサンプリングを活かすべく、SACDハイブリット盤でのリリースとなります。解説書は、ソ連軍による戦後の押収からコピーの返還、マスター・テープの発見に至るまで、この録音をめぐる歴史について書かれた興味深い内容となっています(日本語訳付)。
(2/2)
キングインターナショナル
構成数 | 22枚
合計収録時間 | 00:00:00
日本語帯・解説付
[CD1]
フルトヴェングラー:ピアノとオーケストラのための交響的協奏曲(64'51)
エドウィン・フィッシャー(ピアノ)
録音:1939年1月19日、旧フィルハーモニー(特別コンサート)
[CD2]
ヘンデル:合奏協奏曲Op6-5(15'07)
録音:1939年9月13日、放送局ビル、ベルリン(放送用コンサート)
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」(第4楽章3分欠落)(28'47)
録音:1939年9月13日、放送局ビル、ベルリン(放送用コンサート)
※以上、1939年収録分は放送用ディスク録音盤からの復刻
R.シュトラウス:
4つの歌曲(誘惑Op.33-1、森の喜びOp.49-1、愛の賛歌Op.32-3、冬の愛Op.48-5)(15'02)
ペーター・アンダース(テノール)
交響詩「ドン・ファン」(17'21)
録音:1942年2月15,16,17日、旧フィルハーモニー
[CD3]
ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲(9'15)
録音:1942年2月26日、AEG工場
シューマン:ピアノ協奏曲(30'12)
ヴァルター・ギーゼキング(ピアノ)
録音:1942年3月1~3日、旧フィルハーモニー
ベートーヴェン:交響曲第7番(37'23)
録音:1942年3月1~3日、旧フィルハーモニー
(1942年3月もしくは1943年11月)
[CD4]
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」(74'37)
ブルーノ・キッテル合唱団
ティルラ・ブリーム(ソプラノ)、エリーザベト・ヘンゲン(アルト)、
ペーター・アンダース(テノール)、ルドルフ・ヴァッケ(バス)
録音:1942年3月22~24日、旧フィルハーモニー
[CD5]
グルック:「アルチェステ」序曲(8'19)
録音:1942年10月28日、旧フィルハーモニー
シューマン:チェロ協奏曲(22'44)
ティボール・デ・マヒューラ(チェロ)
録音:1942年10月25~28日、旧フィルハーモニー
[CD6]
ブルックナー:交響曲第5番(68'31)
録音:1942年10月25~28日、旧フィルハーモニー
[CD7]
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番(47'42)
エドウィン・フィッシャー(ピアノ)
録音:1942年11月8,9日、旧フィルハーモニー
ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死(18'48)
録音:1942年11月8,9日、旧フィルハーモニー
[CD8]
ハインツ・シューベルト(1908-1945):賛歌的協奏曲(初演)(38'05)
録音:1942年12月6,7,8日、旧フィルハーモニー
[CD9]
シューベルト:交響曲第8番「ザ・グレート」(50'58)
録音:1942年12月6,7,8日、旧フィルハーモニー
モーツァルト:交響曲第39番(25'49)
録音:1942年もしくは1943年、放送局ビル、ベルリン
[CD10]
シベリウス:エン・サガOp.9(20'24)
録音:1943年2月7~10日、旧フィルハーモニー
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(31'25)
ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン)
録音:1943年2月7~10日、旧フィルハーモニー
[CD11]
ベートーヴェン:交響曲第4番(聴衆なし)(35'54)
録音:1943年6月28,29,30日、旧フィルハーモニー
ベートーヴェン:交響曲第4番(コンサート・ライヴ)(36'04)
録音:1943年6月28,29,30日、旧フィルハーモニー
[CD12]
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲(9'09)
録音:1943年6月28,29,30日、旧フィルハーモニー
ベートーヴェン:交響曲第5番(33'13)
録音:1943年6月28,29,30日、旧フィルハーモニー
[CD13]
エルンスト・ペッピング:交響曲第2番(初演)(38'53)
録音:1943年10月31、11月1~3日、旧フィルハーモニー
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(34'14)
コンラート・ハンゼン(ピアノ)
録音:1943年10月31、11月1~3日、旧フィルハーモニー
[CD14]
ブルックナー:交響曲第6番(第2~4楽章のみ)(36'19)
録音:1943年11月13,14,15,16日、旧フィルハーモニー
シューマン:チェロ協奏曲(第3楽章のみ)(10'26)
ピエール・フルニエ(チェロ)
録音:1943年11月13,14,15,16日、旧フィルハーモニー
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(14'53)
録音:1943年11月13,14,15,16日、旧フィルハーモニー
[CD15]
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲(20'05)
録音:1943年12月12,13,14,15日、旧フィルハーモニー
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番(45'11)
アドリアン・エッシュバッハー(ピアノ)
録音:1943年12月12,13,14,15日、旧フィルハーモニー
[CD16]
ブラームス:交響曲第4番(39'46)
録音:1943年12月12,13,14,15日、旧フィルハーモニー
[CD17]
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(44'15)
エーリヒ・レーン(ヴァイオリン)
録音:1944年1月9,10,11,12日、旧フィルハーモニー
(フルトヴェングラー、フィルハーモニー最後の公演)
[CD18]
R.シュトラウス:家庭交響曲(42'30)
録音:1944年1月9,10,11,12日、旧フィルハーモニー
(フルトヴェングラー、フィルハーモニー最後の公演)
[CD19]
ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-10 HMV328(17'49)
録音:1944年2月7,8日、ベルリン国立歌劇場
モーツァルト:交響曲第39番(28'02)
録音:1944年2月7,8日、ベルリン国立歌劇場
[CD20]
ウェーバー:「魔弾の射手」序曲(10'58)
録音:1944年3月20,21日、ベルリン国立歌劇場
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1組曲より「間奏曲」、「戦いの踊り」(7'09)※初出
録音:1944年3月20,21日、ベルリン国立歌劇場
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲(16'30)
録音:1944年3月20,21日、ベルリン国立歌劇場
ベートーヴェン:交響曲第6番(43'16)
録音:1944年3月20,21日、ベルリン国立歌劇場
[CD21]
ブルックナー:交響曲第9番(聴衆なし)(58'53)
録音:1944年10月3~7日、ベートーヴェン・ザール
[CD22]
シューベルト:交響曲第7番「未完成」(22'56)
※第2楽章初出
録音:1944年12月12日、アドミラルパラスト
ブラームス:交響曲第1番第4楽章(17'04)
録音:1945年1月22,23日、アドミラルパラスト
ボーナス・インタビュー:(13'27)
トーンマイスター、フリードリヒ・シュナップ博士が語る
聞き手:ゲルト・フィッシャー/ドイツ・フルトヴェングラー協会
-
1.[SACDハイブリッド]
-
2.[SACDハイブリッド]
-
3.[SACDハイブリッド]
-
4.[SACDハイブリッド]
-
5.[SACDハイブリッド]
-
6.[SACDハイブリッド]
-
7.[SACDハイブリッド]
-
8.[SACDハイブリッド]
-
9.[SACDハイブリッド]
-
10.[SACDハイブリッド]
-
11.[SACDハイブリッド]
-
12.[SACDハイブリッド]
-
13.[SACDハイブリッド]
-
14.[SACDハイブリッド]
-
15.[SACDハイブリッド]
-
16.[SACDハイブリッド]
-
17.[SACDハイブリッド]
-
18.[SACDハイブリッド]
-
19.[SACDハイブリッド]
-
20.[SACDハイブリッド]
-
21.[SACDハイブリッド]
-
22.[SACDハイブリッド]
発売から5年程度、再々プレスをしない可能性もあり、入手が困難になる前にようやく手に入れました。ずっしりし重量感のあるSET。戦中の帝国放送局で製作された音源をまとめて高品質で聴けることに感謝します。
ドイツ帝国放送の現存するオリジナル(オープンリール)と呼べるテープまたはそのコピーなど3種から厳選して、うちCD1とCD2のTrack9までの音源はシェラック盤(SPレコード)で、これらの音源に対して最低限のノイズ除去を行っていると思われ音楽への影響は少ない印象です。特に1991年返還テープが良質。次が1987年返還テープ>他コピーの順かと感じますが中には酷い音もある(楽章ごとでも違う感じで、テープのノイズもある)。しかし、このマスタリングは労作と感じました。
また、このSETの中のいくつかは既発CDでも聴けますが、復刻に使用した音源が全く違うのにCDとSACDを平気で比較していい加減で出鱈目なリマスタリングの技術的評価をすることに意味はないと思います。
なお、当初発売時にCD21のSACD層の不具合があり良品Discを外付けされてたようですが、今回購入したSETは再プレスのため外付けDiscはありませんでした。
1939年から1945年の演奏会をラジオ放送されたのに録音なしの曲目も記載もされた解説書は興味深い話も多くこれだけでも価値があります。
この指揮者の晩年のEMIセッション録音からは聴けない個々の音楽に対する取り組み方が感じられ有意義な時間を過ごせる。
このドイツ帝国放送により、21世紀の録音再生芸術の幕が切って落とされた。フルトベングラーの録音がソ連から拡散したのは、雪解け時代、ソ連の音楽アカデミーの特別クラス(党の政策で音楽の天才教育を受ける特別選抜学生)用に限定部数を作成した教育用レコード(非売品)が源泉との話を聞いた。フルトベングラーは第3帝国の枢密顧問官で、ハーケンクロイツ旗の掛かった演奏会で第9を演奏している姿からも、戦争裁判は免れない人だった。スターリン体制の空気が漂うソ連で、第3帝国を代表するようなフルトベングラーの録音をレコードにすること自体、ソ連では実刑、風向きによっては、命の危険のある行為だ。今日、CDを買えば過去の偉大な演奏を聴くことが出来る。フルトベングラーは生前「自分は二キッシュからのみ指揮を学んだ」と云っていたというが、二キッシュの高品質録音が残っていれば、フルトベングラーも色褪せたかもしれない。現代の音楽家は極めて不利な立場だ。音楽は職業演奏家の所有物ではない。人々の支持を得られなければ、音楽界は歴史から消滅を免れない。良貨が悪貨を駆逐することは、経済の鉄則だ。BPOが原点を指揮芸術の規範たるフルトベングラーにおく気持ちがよく分かる。AI導入と共にトーンマイスターが芸術家として求められる今日、誰もが素晴らしい演奏に触れることが叶い、優れた演奏家が多くの人に知られ、責任を持った自由な意見が流通するオープンクラッシックな世界の到来を期待したい。この全集を強く支持する。
フルトヴェングラー通を標榜するアマチュア指揮者がブラームスの第2協奏曲の練習時に、首席チェリストに対し「こんな風に弾いて」と当盤の演奏(フィッシャーの方)をわたしていたのは大受けしました。自分の言葉で説明、指導ができない典型的な例として語り継がれています。
-
もっと見る(全 6 件)
欲しい物リストに追加
コレクションに追加