オランダ最高峰のソウルジャズ・フュージョンバンド・Tristan。ヨーロピアンポップ/ジャズシーンに欠かせない実力派ミュージシャンが集結し、2014年に『Full Power』でデビューした彼らは、ハイレベルなパフォーマンスと上質な楽曲・アレンジで着実に人気を集めてきた。デビュー盤はUKのソウルチャートで1位を獲得。国内外にファンを増やし、音楽関係者からも多くの賛辞が送られた。また日本国内ではSWEET SOUL RECORDSより2018年リリースされた最新スタジオアルバム『Lifestlye』は、バンドとして、そして個々のアーティストとして、Tristanのメンバー全員にとって特別な意味を持った作品となったようだ。表題曲"Lifestyle"は、夢を追う全ての人をの生き様を応援する前向きで力強い一曲として多くのファンから熱く支持されている。
フロントマンを務めるEvelyn Kallanseeのほか、Tristanは楽曲にあわせて様々なゲストシンガーを起用することで、サウンドの可能性を押し広げている。弱冠21歳のシンガー・KASPERは、バンドにRufus時代のChaka Khanを彷彿とさせるソウルフルなバイブスをもたらした。またイタリア出身のシンガー・Francesco Cottoneやアメリカのソウルシンガー・Hestonなど、才能あふれるアーティストが続々と彼らのステージに立ち、フレッシュな化学反応を起こすことで観客を虜にし続けている。実力派ミュージシャンたちの魂ほとばしる貴重な一夜がパッケージされた本作、すべての音楽ファンの心揺さぶる一枚の登場だ。
今作も持ち前の熟練したテクニックと音楽愛を堪能できる生演奏にこだわった作品だが、前作までの隙のない完成されたサウンドに対して、今作では「シワを伸ばさず想定外をそのまま楽しんだ」と語るようにより彼らの生の部分を感じられる作品となっている。収録楽曲達のテーマも実生活に根付いたもの。メンバーが幼少期に好きだったことをテーマにした"1985"、パブで飲んでいる時にギターのGuyが発した「ごめん、バンにジャケット忘れてきた」というセリフをそのままタイトルに冠した"I Left My Jacket in the Van"などユニークな楽曲が並んでいる。
発売・販売元 提供資料(2019/06/03)
インコグニートのブルーイお墨付きのオランダの5人組バンド、トリスタン。ライヴ盤も含めるとこれがアルバム・デビュー5年目で5枚目となるハイペースな活動ぶりだ。人力演奏による爽快なサウンドはこれまでと変わりないが、楽曲のトピックがよりパーソナルで等身大になったのが特色か。〈音楽と恋に落ちたあの頃〉を歌う"1985"をはじめ、彼らのソウルへの初心と良心に溢れた曲ばかりだ。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.428(2019年6月25日発行号)掲載)