フォーマット |
CD |
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構成数 |
4 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2019年06月05日 |
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規格品番 |
PROC-2213 |
レーベル |
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SKU |
4988031334638 |
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット内に他のジャケットも掲載)
※ 解説:板倉重雄(新規序文解説)他、作品解説含む解説書合計12ページ
グリュミオーと言えば「モーツァルト弾き」というイメージがありますが、旋律が美しく構造がシンプルなモーツァルト作品をこの上なく美しく演奏する上で、グリュミオーの天衣無縫なテクニックと輝かしい音色はまさに理想的でした。実際、1951年にアメリカ・デビューを飾った際、大成功を収めたのはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番でした。
また、1953年にオランダ・フィリップス(現デッカ)と契約して真っ先に録音し、その名演奏により彼の名前を一躍世界的したのもモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3&4番でした。そしてルーマニア出身のピアニストで当代最高の「モーツァルト弾き」として広く認められていたクララ・ハスキル(1895~1960)とデュオ・チームを組んだことも、グリュミオーとモーツァルトの繋がりを一層深めることとなりました。この録音は、ハスキルとの共演から四半世紀を経て、オーストリア、グラーツ出身のピアニストでやはりモーツァルト演奏で名声を博していたヴァルター・クリーン(1928-1991)とともにデジタル録音したものです。
1981-83年にじっくりと時間をかけて録音されたこの一組は結果としてグリュミオーの生涯最後の仕事となりました。ハスキルとの旧盤、クリーンとの新盤は相譲らぬ名演奏と言えるでしょう。ハスキルの内省的なピアノが若いグリュミオーを絶妙に支える旧盤、クリーンとグリュミオーが対等に組み合って、陰になり日向になり互いに支えあう新盤、ハスキルの深みとグリュミオーの音色美が魅力の旧盤、クリーンの知的な明快さとグリュミオーの芸の深まりが魅力の新盤、と演奏の特徴や美点が異なっているからです。結果としてグリュミオーのキャリアの出発点と終着点に、それぞれ素晴らしいモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ録音が残されました。これはグリュミオーにとっても、われわれ愛好家にとっても非常に幸運であったと言えるでしょう。
今回の復刻では、オリジナル・ジャケット・デザインを採用し、新規の序文解説をブックレットに掲載しました。
尚、今回のVintage+plus Vol.28は全7タイトルを発売します。
構成数 | 4枚
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
[CD1]
1. ヴァイオリン・ソナタ 第40番 変ロ長調 K.454
2. 〈泉のほとりで〉による6つの変奏曲 ト短調 K.360
3. ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K.304
4. ヴァイオリン・ソナタ 第32番 ヘ長調 K.376
5. ヴァイオリン・ソナタ 第26番 変ホ長調 K.302
[CD2]
6. ヴァイオリン・ソナタ 第42番 イ長調 K.526、
7. ヴァイオリン・ソナタ 第29番 イ長調 K.305(293d)
8. ヴァイオリン・ソナタ 第35番 ト長調 K.379(373a)
9. ヴァイオリン・ソナタ 第25番 ト長調 K.301(293a)
[CD3]
10. ヴァイオリン・ソナタ 第36番 変ホ長調 K.380(374f)
11. ヴァイオリン・ソナタ 第33番 ヘ長調 K.377(374e)
12. ヴァイオリン・ソナタ 第24番 ハ長調 K.296
13. ヴァイオリン・ソナタ 第27番 ハ長調 K.303(293c)
[CD4]
14. ヴァイオリン・ソナタ 第41番 変ホ長調 K.481
15. ヴァイオリン・ソナタ 第34番 変ロ長調 K.378(317d)
16. ヴァイオリン・ソナタ 第30番 ニ長調 K.306(300i)
【演奏】
アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
ワルター・クリーン(ピアノ)
【録音】
1981 年4 月25-30 日(第25,32,40 番)、5 月10-20 日(第26,28,42 番)、9 月21-30 日(第29,33 番,変奏曲)、
1982 年5 月21-30 日(第24,27,34 番)、9 月20-29 日(第35,36 番)、1983 年9 月16-22 日(第30,41 番) スイス、ラ・ショードフォン
【原盤】Philips
【First Release】412141-1、412141-2
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1.[CD]
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2.[CD]
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3.[CD]
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4.[CD]
ハスキル盤の音質にご不満な方はこちらをどうぞ!
グリュミオーのモーツァルトといえばハスキルとの共演盤が有名であるが、ステレオとモノラルが混在している上に、肝心のステレオの方も、ヴァイオリンとピアノのバランスが悪い。勿論、演奏は非の打ち所が無いのだが、ハスキルのピアノが右前方からガンガン鳴り、グリュミオーのヴァイオリンが左後方からか細く聴こえるというような変な録音だった。
その点、このクリーン盤はデジタル録音ということもあり、ノイズにも苛まれることなく、楽器同士のバランスも良く録れている。グリュミオーのテクニックも衰え知らずであり、まさに円熟の極み。
文句なしの星5つだろう。
当曲は、グリュミオーとハスキルのアルバムが世評高いですが、当盤も聴き劣りしない見事な演奏です。モーツァルトらしいシンプルで美しい旋律をヴァイオリンとピアノが一体となったアンサンブルで明るく美しく演奏します。短調の名作第28番、完成度が高い代表作第34番など選曲も申し分ないです。
グリュミオーは、唯一無二の美しく豊かなヴィブラートが魅力であり、艶と輝きがある美しい音色で柔らかく伸び伸びと豊麗に歌います。
ミケランジェリに師事したクリーンは、端正(誇張のない)なスタイルでウィーン音楽の優雅なピアニズムであり、クリアなタッチで澄んだ響きの鮮やかなピアノが魅力的です。
※ルビジウム・クロック・カッティングCD、ジュエルCDケース24ミリ厚。