フォーマット |
書籍 |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
国内 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2019年07月10日 |
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規格品番 |
- |
レーベル |
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ISBN |
9784947719096 |
憧れの『島』という景観にただ身を寄せたいためだけに、旅をしているわけではない
その音楽を産んだ土壌に、人々に会いたくて旅に出るのだ
なぜその音楽が生まれたのか
なぜその音楽はそんなに美しいのか
なぜそんなに悲しいのか
それを皮膚で知り、感じたいからなのだ
島に渡ってから、その島の唄・音楽に出会ったこともあった
そんな時は、まるで宝石を掘り出したかのような喜びを味わった
ゆっくりとした時間軸の中で紡いできた悠久の島の歴史 ──
そこにひととき佇むことで島の歩みの一場面に溶け込めたような錯覚に浸る
"昔からそこに生えている木"
そんな風になれたら最高だ
宮沢和史
「島々百景」ごあいさつ より
過去から学び、失われた大切なものを呼び戻そうとする著者の意思は本書を通じて揺るぎない。歌手の活動を休止し、音楽という表現と社会の接点を見つめ直そうとする著者の内面を吐露した「本州奈良」の章は、その点で本書のクライマックスかもしれない。内省のなかにいる著者の悔恨も誇りも、おなじところにある。
形のあるものは 何もあげられなかった
形のないものしか あげられなかった
ほんとうの悲しみは短調ではなく、いつも長調だ。歌手としての半生を回顧してこう歌いながら、「自分のような歌うたいは形のない歌をそっと風に乗せ、原っぱに逃がせてやることぐらいしかできない」と書くことは、だからたんなる謙遜でも後悔でもない。パウル・クレーの天使のように、瓦礫のなかから珠玉のような記憶を拾い集め、名のない道
を歩みはじめること。島々への旅は、その希望と誇りを確認するための不可欠の行為であったことが、いま了解されてくる。
今福龍太
「島々百景」解説 より
構成数 | 1枚
-
1.[書籍]
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